魔化魍バケガニ

鳴滝「おのれ、ディケイド!このバケガニで始末してくれる!」

【名前】 魔化魍バケガニ
【読み方】 まかもうばけがに
【登場作品】 仮面ライダー響鬼
仮面ライダーディケイド
【登場話(響鬼)】 五之巻「溶ける海」(房総)
六之巻「叩く魂」(房総)
十五之巻「鈍る雷」(日光)
十九之巻「かき鳴らす戦士」(鎌倉、箱根、三浦半島、大洗)
二十之巻「清める音」(大洗)
二十六之巻「刻まれる日々」(葛野)
四十三之巻「変われぬ身(からだ)」(三浦)
四十六之巻「極める鬼道」(佐野)
【登場話(ディケイド)】 第1話「ライダー大戦」(夏海の世界)
第19話「終わる旅」(響鬼の世界)
【分類】 大型魔化魍
【餌】 人間の骨
【特徴音】 「ンキィ、ンキィ」(動くと関節がきしむ音)
【特色/力】 左右1本ずつの巨大なハサミ、背中から発射する溶解泡
【妖怪モチーフ】 化け蟹
【生物モチーフ】 カニ、フジツボ
【登場地域】 房総半島
栃木県日光市
神奈川県鎌倉市
神奈川県箱根町
神奈川県三浦半島
茨城県大洗町
山梨県大月市七保町葛野
神奈川県三浦市
栃木県佐野市
戦国時代
岐阜県

【詳細】

2005年に最も頻繁に出現した大型魔化魍。
大きくなると自力で船まで沈めてしまうという巨大なカニの化け物。

巨大なハサミが特徴的だが、本来のカニと違い移動に用いる脚は2対しかない。
海水種、淡水種の2パターンが存在し、日本全国広く出現する魔化魍。
海からも川からも現れ、さらには時期も問わず出現する。

巨大なハサミを振り回して攻撃し、その重量故に動きは鈍重で関節がきしむ「ンキィ、ンキィ」という金属音が特徴的。

5t以上もあるため機動力は低いがハサミの攻撃が強力であり、甲殻に覆われた身体は防御力も高い。
ハサミの攻撃を掻い潜りつつ、甲殻の硬さを抜く必要があるため、この魔化魍を担当するのは弦使いの鬼であるとされている。
海水種は体の一部にフジツボ状の突起物があり、毒素を含んだ溶解泡を放射
する能力を持っている。
鬼の肉体をも溶かしうるその妖怪泡故に、体表に音撃鼓を貼り付け音撃棒で叩く必要のある太鼓使いは相性が悪く、それ故に鬼の中でもベテランである響鬼は房総半島に出現したバケガニを相手取るまで交戦経験は無かった。

好物は人間の骨、それも逞しい骨を好み、溶解泡を発して人間の肉を溶かして骨を喰らい成長する。
淡水種の場合はハサミを使って人間を解体し骨を得る模様。
また成長途中であれば童子達が釣り人などを捕まえて溶解泡で溶かした後、海中に潜むバケガニに与えると言った方法が取られる様子が確認できる。

故事によれば、『化け蟹』は山梨県や島根県を始め、古来より日本各地に伝承される怪物らしい。
その出現によって「蟹寺」や「蟹淵」などの名称を各地で生じ、「侍や坊主に化けた後に正体を現す」とされるが、他の事例のようにこれも怪童子と妖姫の目撃が合わさって伝承されていると考えられる。

実は魔化魍アミキリはこのバケガニの変異体であり、洋館の男女の思惑から次々にバケガニが生み出される中、二十之巻にてアミキリが誕生。
同様の原理でオロチ現象によって数多の魔化魍が誕生していく中、当然バケガニも大群が誕生しその中にアミキリが生まれている。

過去バケガニ出現が頻発した際にアミキリが登場した例が僅かながらも確認されていたという。
「バケガニの出現が3体続く」ことは不吉とされているのは強力な魔化魍であるアミキリへの変異が出るためだろう。

以下は響鬼劇中に登場した個体。

【房総のバケガニ】

房総半島に出現した個体。気温6.6℃前後と湿度52%程の環境で成長し、海で生育した。

本来は斬鬼が討伐担当だったが、彼が重症を負って撤退した為に響鬼が受け持つ事になる。

当初は響鬼に溶解泡を噴出する能力を気付かれず、背中に取り付けられた音撃鼓を泡で溶かし、驚いている響鬼にも溶解泡を浴びせて大ダメージを負わせた。
響鬼が懐中に撤退した後、童子達が倒されてしまった為に自身で餌を取る事になり、海岸の岩場に隠れていた。

その後、ディスクアニマルに潜伏場所を発見された為に響鬼と再戦し、片腕を負傷している響鬼を相手に善戦する。
しかし、無防備な腹部に音撃鼓を付けられ、溶解泡を吹き出して攻撃するが、響鬼が片腕だけで行った音撃打・火炎連打の型を受け倒された。

ライトノベル版『明日への指針』ではこのエピソードの時期を中心に描いている。

【日光のバケガニ】

日光に出現した萌黄色の個体。気温6.6℃前後と湿度52%程の環境で成長し、川で生育した。

斬鬼や轟鬼を相手に劣勢となった童子を助ける為に川から出現し、足の後遺症が残る斬鬼を苦戦させるが、音撃斬・雷電激震を受け倒された。

【鎌倉のバケガニ】

鎌倉に出現した黄色の個体。気温15℃前後と湿度63%程の環境で成長し、海で生育した。

大洗のアミキリが生み出される過程で作られるが、轟鬼に倒された。

【箱根のバケガニ】

箱根に出現した乳白色の個体。気温16℃前後と湿度64%程の環境で成長し、川で生育した。

大洗のアミキリが生み出される過程で作られるが、轟鬼に倒された。

【三浦半島のバケガニ】

三浦半島に出現した黒色の個体。気温17℃前後と湿度65%程の環境で成長し、川で生育した。

大洗のアミキリが生み出される過程で作られるが、轟鬼に倒された。

【大洗のバケガニ】

大洗に出現した赤色の個体。気温18℃前後と湿度66%程の環境で成長し、海で生育した。

大洗のアミキリが生み出される過程で作られるが、轟鬼に倒された。

アミキリを生み出す過程で出現したバケガニの中で童子と姫の存在が確認できた唯一の個体でもある。

【葛野のバケガニ】

葛野に出現した桃色の個体。気温18℃前後と湿度66%程の環境で成長し、川で生育した。

背中から溶解泡を噴出する能力はないが、ハサミが強化されている。
逞しい骨を持つ人間を狙い、強力なハサミで肉体を解体して骨を食らう。

童子や姫と共に轟鬼と交戦するが、音撃斬を受け倒された。

【三浦のバケガニ】

三浦に出現した個体。「オロチ」の現象によって大量に発生した。

装甲響鬼や威吹鬼を苦戦させるが、斬鬼の参戦によって形勢が逆転し、それぞれの音撃を受け倒された。

【佐野のバケガニ】

佐野に出現した個体。2006年の正月に「オロチ」の現象によって大量に発生した。

轟鬼の雷電激震を受け倒された。

【戦国時代のバケガニ】

劇場版において戦国時代のとある山中に出現した個体。

轟鬼と交戦していたが、偶然それを目撃した3人の鬼(響鬼)(煌鬼、西鬼、羽撃鬼)の攻撃を受け倒された。

【岐阜のバケガニ】

江戸時代の岐阜に4体出現した個体。

江戸時代の音撃弦の鬼。弦鬼が倒したらしく、たちばなのパソコンにこの事に関する文献が登場している。

【仮面ライダーディケイド】


崩壊しつつある「夏海の世界」に出現した個体。

赤い甲羅を持つ複数の個体が「夏海の世界」の怪童子達と共にビルをよじ登り、「夏海の世界」のウブメが落下した衝撃による爆発に巻き込まれた。

その後響鬼の世界にて巨大な岩石の中に封印されていた個体が登場。
「バケガニ変異体」とも呼ばれる。

岩石も砕く2対のハサミを武器とし、四方から相手を切り苛む攻撃を得意としている。
甲羅は頑強を極めた甲羅で如何なる攻撃を弾き返し、4つのハサミを巧みに使い、人間の肉体を解体しては好物の骨を食らう。

キバーラが呼び出した仮面ライダー王蛇の手によって封印を解かれ、鳴滝によってディケイド達の目の前に出現する。

3人のライダー(響鬼、ディケイド、ディエンド)を圧倒するが、響鬼がファイナルフォームライドで変形したヒビキアカネタカの攻撃に怯む。
更にファイナルアタックライド・ディケイドウェイブと加勢に現れた4人の鬼(天鬼、轟鬼、威吹鬼、斬鬼)やディエンドの音撃大セッションを受け倒された。

同個体が封印されていた経緯は不明。
また封印されていた魔化魍というのもこのバケガニの変異体が初めて有り、現時点では唯一の存在となる。

【余談】

巨大魔化魍に多いCGを多用する怪人。基本的に合成で描かれているが、フルCGではないため何かしらの動かせる操演用スーツは作成されている模様。

妖怪モチーフは「化け蟹」、生物モチーフは「蟹」と「フジツボ」。
それぞれのパーツが混ざり合っているわけではなく、巨大な蟹の甲羅にフジツボのような突起を持ち、溶解泡を噴射する際にはそこが開く仕組みとなっている。
巨大魔化魍の中でもシンプルイズザベストの、一番魔化魍としての個体名と外見が一致している存在。ただ脚は1対少ない。
仮面ライダーアマゾンには白い毒泡を吹き付け人間を骨まで溶かすカニ獣人が登場している。

故事によれば、『化け蟹』は山梨県や伊豆地方などに様々な伝承を残すカニの怪物らしい。
「僧に変化し、問答を仕掛ける」とも伝えられ、山梨県山梨市の長源寺には化け蟹の爪跡の残った巨石が残されている。
こういった人間に化けるといった逸話は童子達の目撃例が混同されたものだろう。

最終更新:2024年02月15日 03:09