賢神トリン

「あぁ、最高だ!まさか勇者たちに叩き起こされるとはな」

【名前】 賢神トリン
【読み方】 けんじんとりん
【声】 森川智之
【スーツアクター】 岡元次郎
【登場作品】 獣電戦隊キョウリュウジャー
【初登場話】 ブレイブ1「でたァーッ!まっかなキング」
【分類】 味方怪人(元デーボス軍
【モチーフ】 始祖鳥、プケコ
【名前の由来】 鳥?

【詳細】

キョウリュウジャーの司令塔を務める謎の鳥人。
劇場版のサイトでは「宇宙の賢神」として紹介されている。

嘗て恐竜時代に恐竜を率いて暗黒種デーボスと戦った偉大な勇者。
10体の恐竜に機械の身体を与え、更に自らの魂を重ねる事で「獣電竜」を生み出した張本人でもある。

デーボスの封印後もデーボス軍の動きを追い、キョウリュウジャーに相応しい人間を捜してきた。
勇者として選び出したダイゴ達5人を獣電竜と戦わせ、打ち勝った彼らにキョウリュウジャーとなる力を与える。

長剣による剣術と、掌から放つエネルギー弾が武器。
普段は「スピリットベース」と呼ばれる地下空間で獣電池の管理をしているが、時には戦地に赴いてキョウリュウジャーとの共闘や、救出した人質の護衛など、陰ながらのサポートを行う。

考え事をするときに嘴の両端から伸びた長い髭を撫でる癖があり、この髭を揺らす風が吹くことでデーボスの悪事を察知することができる。
生真面目すぎる故、能天気なラミレス、自由奔放なメンバーに手を焼いている場面も(とくに素ではがさつなアミィには「女子力が足りない」と呆れていた)。
しかしながら人間と接し続けたためか性格が軟化し、スピリットベースに持ち込まれたアミィの漫画やDVDを暇つぶしに漁っては没頭していることが判明した(とくに後者においてはデーボモンスターに力を与える事態を招き、申し訳なく皆に詫びている)。
一方で仲間を重んじ、ダイゴたちを救う時は後述のような自分の身体の犠牲も厭わず身を挺することもある。

またダイゴの父・桐生ダンテツとは親友同士。
そのことをダイゴに明かすまで話さなかったが、ガブティラに選ばれし勇者がダンテツの息子と知ったときは心の底から歓喜したと語っている。

デーボス勢力には絶対的な敵意を示し、一度キャンデリラとラッキューロのみが生存していた(実際は他の幹部も死亡していなかったが)際には「デーボスの復活の可能性を持つ者はすべて滅ぼすべき」と主張した。

しかし、ブレイブ10にて長い年月生き続けた為、長時間の戦闘を行えない事が明らかになる。
その為か、宿敵でもある百面神官 カオスからは獣電竜やキョウリュウジャーに頼らなければ戦えないと言われている。

彼もまたデーボスから生まれた存在であり、その正体は宿敵カオスの弟(後に「魔剣神官」という二つ名を持つことが判明する)。
1億年前の昔、カオスとともに宇宙のどこかでデーボスによって産み出され、カオスが(後にウルシェードが調査することになる)とある惑星、自分が地球へとデーボスの使者として派遣される。
しかし、降り立ったその地で目にした「懸命に生きようとする生命の営みの素晴らしさ」に感銘を受け、「他種族を滅ぼす」という傲慢な自分たちの使命に疑問を抱いてデーボス軍と袂を別つことを決意。恐竜たちに寝返ってデーボスの心を凍らせ封印した。
故にカオスたちからは「仇敵」というよりも「裏切り者」としての「怨み」を向けられている。また上記の「デーボスの復活の可能性を持つ者」は自分とて例外ではないと語っており、いずれは自身も自決しようと考えていたらしい。

ブレイブ28にて、次第に朽ちていく肉体の限界を抑えながらもその秘密をダイゴたちに明かすべきか葛藤していたが、カオスにその利用価値を見い出され、エンドルフの襲撃とキャンデリラの喜びの歌(ダークアレンジ)を受けて拉致、洗脳されてしまう。
さらに制止を訴えるもカオスによってキョウリュウジャーに自身の正体を暴かれ、エンドルフにスクスクジョイロをかけられて巨大化して暴走してしまう。
彼を止めようとするキョウシュウジンと激しく戦っている中、僅かな自我を振り絞って自らの身体に五連獣電剣を突き刺して瀕死の重傷を負う。
直後、ゴールドがラッキューロから奪取したシュクシュクボールで等身大に戻るも、キョウリュウジャーたちの前で力尽き全身が石化して機能を停止してしまう。

しかし、ダイゴが持ってた秘石に身体が呼応したことで復活できる可能性を見い出したキョウリュウジャーたちが蘇生作戦に乗り出す。

それを聞きつけたエンドルフたちがトリンの復活を阻止しようとするが、エンドルフはスピリットレンジャーたち3人(ただしバイオレットは生者)、カリュードスはゴールドが足止めを引き受け、スピリットペースに運ばれる。
しかし、秘石を集めた程度では復活しなかったが、ダイゴたちがトリンの身体から聴こえる「超古代の祈りの歌」を感じ取り、皆がそれを合唱することでパワーが増幅し、奇跡の復活を果たした。

また十大獣電竜を指揮する司令塔でもあるが、自分もまた全ての獣電竜の中心に位置する「ブラギガス」のパートナーとして戦っていた。
しかし、1億年前でのデーボスとの死闘にて相手が作り上げたガドマに圧倒されると、ブラギガスが自分の制止を振り切って捨て身の禁断の技「ギガント砲」を放ってしまい、デーボスの封印と引き換えにブラギガスを失ってしまう(おそらく、現代でも仲間の安否を親身に心配するのは仲間を失った嘗ての恐怖が起因していると思われる)。

そのため、打倒デーボスに相応しい「強き竜の者」を集める裏で、ブラギガスを蘇生できる手段を模索していた。
その後、ブラギガスの涙でできた「秘石」を集めてブレイブを込めるとブラギガスが復活できることを突き止め、ダンテツやシアンたちの力を借りて秘石を回収。
ブレイブ34にて悲願のブラギガスの復活に成功して1億年ぶりの再会を果たす。

ブレイブ36では『大地の闇』に続き、カオスが皮肉を込めて作り上げた自分の偽物マッドドリンと交戦して敗北すると、「デーボスの血を持つが故にデーボスを倒す『閃光の勇者』になれない」自分の性に葛藤する。

しかし、ダイゴや弥生たちに諭されると、1億年前の時点で既に地球の生命から自分の新たな命(ブレイブ)を与えられていたことを自覚し、「キョウリュウシルバー」に変身する能力を手に入れ、「昔の自分の影」と言えるマッドトリンを倒し、自分の苦悩を乗り越えた。

以降も自分の必殺技に憧れるソウジに技を指南したりと、キョウリュウジャーたちと絆を深めていくが、ブレイブ45でのデーボスの復活を阻止できず、彼の完全復活を招いてしまう。
その上、デーボス軍と「ある盟約」を交わしたダンテツの裏切りに逢い、背後からの彼の一閃に貫かれて灰化して消滅した。

しかし、自らの死期を察知していたのか、事前に愛剣のフェザーエッジをソウジに託し、その中に「逆境に立たされても自分たちが信じるものをもう一度貫き通せ」と激励する遺言を残していた。

だが一連の彼の「死」は、実はデーボスを打倒するダンテツが仕込んだ作戦で、実際に彼に殺されはしたものの、その魂は正義の心を持った「英霊」として「大地の闇」へと送り込まれていた(この事はブレイブ47で事前に打ち合わせていた事も明かされる)。
デーボスの人類滅亡計画を阻止するため、単身で「大地の闇」に蔓延るデーボモンスターの怨霊たちを蹂躙している(幽体だからなのか、ソウジに渡したはずのフェザーエッジを振るっている)。
その後、ブレイブ47では増員にかけつけたラミレスと鉄砕、さらにファイナルブレイブでは寝返ったキャンデリラとラッキューロの加勢で妨害に来たカオスに勝利し、「大地の闇」の完全破壊に成功する。
その後、デーボスに勝利したキョウリュウジャーたちの前に幻影として現れ、彼らの勇姿を見届けて消滅した。

【余談】

「ブレイブだ」が口癖。他にも指を鳴らす癖がある。

鳥をモチーフにしたのは「恐竜の子孫が鳥類」という近年の仮説に由来していると思われる(実際に最近ではティーレックスが遺伝子的にニワトリに近いものとされ、ガブティラにもその名残がある)。

なお、『エターナルブレイブ』によると「物語の始まり」を司ることからモチーフは始祖鳥、また野鳥のプケコが取り入れられている。またデーボス軍の「自由」というテーマに対してデザインコンセプトは「責任」。

宇宙船では脚本を担当する三条陸氏が名前の由来やデザインについてインタビューで回答している。

シリーズ第16作目でも悪の存在の復活に備え、勇者を導く者が登場している(あちらの戦隊も恐竜などがモチーフになっている)。

スーツアクターを演じる岡元氏は『仮面ライダー電王』のキンタロスなどの大柄な役を演じている。

声を演じる森川氏は特撮作品での出演は今作が初となる。

なお、人間の姿を持たない人外が変身するのは、デカマスターやスタッグバスターと同様である。

最終更新:2014年06月22日 17:32