ノア夫人

「嬉しいですわ。ワタクシ感謝しておりますのよ、娘を消さなかったことを。でも、もしかすると『消さなかった』のではなく、『消せなかった』のではないかと」

【名前】 ノア夫人
【読み方】 のあふじん
【声】 久川綾
【スーツアクター】 蜂須賀祐一
【登場作品】 烈車戦隊トッキュウジャー
【初登場話】 第1駅「始発駅 特急列車で行こう」
【所属】 シャドーライン
【分類】 シャドーライン幹部
【闇形式】 ノイ240-1
【闇装備】 銃器系パラソル、操り系黒羽根、依り代の刺繍布
【シャドー怪人薀蓄】 彼女の日傘は、娘のグリッタへと受け継がれた
【モチーフ】 不明
【名前の由来】 仏蘭西語で「黒」を意味するノア
【闇形式の由来】 夫人?

【詳細】

闇の皇帝に仕える幹部の一人。グリッタ嬢の母親。

グリッタを闇の皇帝の后にしようと考え、ヒステリックな性格だが、娘には甘い。

普段から貴婦人として優雅に振る舞い、闇の世界の住人にとって毒になるであろう日光を避けるために「銃器系パラソル」を常備している。
この日傘はその名の通り柄先からライフルのような銃弾、展開すると骨の先から拡散弾を放つという遠距離に優れた武器であり、戦闘ではダンスのように華麗なステップと射撃能力で敵に敗北の隙を与えない。

闇は「質」と考えており、複数の配下を使いあちこちで闇を広げているネロ男爵とは彼の口うるさい性格も相俟って方針を巡り衝突することが多い。

常にグリッタをゼットに嫁がせること、ひいては彼のご機嫌を取ることを生き甲斐に行動しており、ゼットの「帰還」前から既に彼の趣向を見知っていたかのようにグリッタの煌びやかな花嫁衣裳を新調したり、『闇』を集めることに併用してゼットが喜びそうな「キラキラ」を集めようとした。
しかし、皇帝に仕えることによる甘い蜜を吸おうとする下心が態度からだだ漏れしているので、ゼット本人から「お前が用意する『キラキラ』はどれも偽りだ」と憤慨されてしまったことがある。

またグリッタを妃にする目的のためならば喩え敵対しているトッキュウジャーにも加勢する意思を持ち、グリッタとミオの肉体が入れ替わったという事情を聞かされた際にはネロ男爵から両方を庇って逃走の手引きを行った。

だが、実は彼女が欲していたのは主君ゼットが齎す恩恵ではなく、彼が持っていた『闇の皇帝』としての力だった。
第22駅でグリッタとの結婚式を実現させるが、彼女に隠されていた「婚約相手を吸収して自らのものにする」という能力でもはや不要と見限ったゼットを葬り去り、その力を受け継いだグリッタを新たな『闇の女帝』に仕立てあげることに成功する。

しかし、端からグリッタの「キラキラ」を欲していたゼットに逆に娘を吸収されてしまい、彼女の永きに渡る野望も未遂に終わってしまう。
自身の計画が潰された逆恨みから、24駅では掌を返したと見せかけて堂々とゼットに接近し、隠し持っていたナイフで直接暗殺を謀ろうとするが、それすらも既にゼット本人に見抜かれて失敗。さらにゼットの「今度はお前が俺の妃になるか(グリッタのように取り込まれるか)?」という威勢に圧されると膝をついて屈服し、上記の反逆への免罪の台詞とともに忠誠を誓う。

嘗ての反逆行為から肩身の狭い思いをしているが、ゼットの内に吸収されたはずのグリッタについて「何か」を悟り、現在は機が熟すまで大人しく服従している状態である。

第28駅ではモルク侯爵の命令で自らが人々から「心の闇」を集めようと出陣。
頭の羽根飾りの「操り系黒羽根」を人に刺すと相手を狂暴化させて操る能力を持ち、無差別に人々を狂暴化させて混乱を招いていた。
駆け付けたトッキュウ1号も(というよりその羽飾りを弾いた6号の流れ弾が当たって)その術で洗脳し、味方に手が出せないトッキュウジャーたちを追い詰めていたが、ワゴンの「いっそのこと、日頃の怨みを晴らしちゃえば?」という助言で逆にむき出しになった彼らの闘争本能で一方的に倒された1号が正気に戻ったことで撤退した。

実はゼットの体内でまだグリッタが生きていることを察知しており、表向きでは彼に服従するふりをして娘を奪還する機会を窺っていた。

汚名返上として自ら率先し、配下のシャドー怪人に闇を集めさせるよう促していたが実際には出鱈目な作戦で闇を集めず、シャドーラインの闇が激減するクリスマスの「ヤミベリ」の時期には念には念をとボセキシャドーを牢獄から解放し、彼の能力で皇帝の持つ闇の力を弱体化させる。
そして、40駅で力が衰えたゼットと肉体の主導権が逆転したグリッタが表に姿を現すと、自分が懸命に作った手編みの「依り代の刺繍布」を使って引き離そうとするが、何故か娘本人にそれを拒絶されてしまい、元の姿に戻ったゼットの攻撃でキャッスルターミナルから弾き飛ばされてしまう。

満身創痍になりながらシュバルツ&ザラムコンビと合流すると、娘救出のためにプライドを捨てて彼らと結託。
41駅でシュバルツたちとゼットとの交戦中に再度刺繍布を使って今度こそグリッタの救出に成功するが、ゼットからの報復攻撃に致命傷を負い、最期はゼットだけでなく自身のエゴとして一方的に彼女に架せていた一族の「呪縛」からも解放された娘が「本当の自由」を得たことを案じながら消滅した。

【余談】

名前に「夫人」とあり、なおかつ娘がいることから夫に該当する人物がいるはずであるが、その人物に関して今のところ一切情報がない(初対面のトッキュウジャーからも「夫人てことは、結婚してるんだ」と感心されてる)。
22駅で明かされた事実から察するに、彼女の夫も自らの能力で取り込んでしまった可能性が高い。頭部に龍の顔のようなパーツがあるが、これが旦那だろうか。

ちなみに「婚約者を取り込んでしまう」という彼女たちの家系は末恐ろしいものだが、実は現実でも一部の生態系でそのような習性を持つ生物が存在する。
例えば深海魚の鮟鱇の雄は巨体な雌と比べて極端に小さく、海中で異性を見つけると雌の身体に噛みついて寄生、次第に精巣と皮膚以外の組織が全て肉片に変異し、最終的に雌の表皮と融合してしまうという。

最終更新:2014年12月23日 20:38