グリッタ嬢

「『闇』は『闇』へ帰りましょう。陛下が欲しかった『キラキラ』は『闇』あってこそ……」

【名前】 グリッタ嬢
【読み方】 ぐりったじょう
【声】 日高のり子
【スーツアクター】 日下秀昭
【登場作品】 烈車戦隊トッキュウジャー
【初登場話】 第1駅「始発駅 特急列車で行こう」
【所属】 シャドーライン
【分類】 シャドーライン幹部
【闇形式】 グイ44101-1
【闇装備】 純白系ウエディングドレス、乙女系ペーパーナイフ、シュバルツ様のハンカチ
【モチーフ】 不明
【名前の由来】 英語で「輝き」を意味するGLITTER
【シャドー怪人薀蓄】 彼女が持つ『キラキラ』は一途な『愛』によるものかもしれない
【闇形式の由来】 女帝?

【詳細】

闇の皇帝 ゼットに仕える幹部の一人。

口調は乙女チックだが、ずんぐりむっくりした達磨のような巨体。身軽とはいえず動くと軽く地響きのような音がなる。

ノア夫人の娘で闇の皇帝の后候補。
だが母親の思惑とは裏腹に本人はシュバルツ将軍に想いを寄せ、彼が落としたハンカチを譲り受け大事に持ち歩いている。

ゼットを崇拝している母親やネロ男爵とは対照的に、遠目に彼を視認した際には「怖い」と恐怖の感情を抱き、
望まぬ結婚を矯正されるならと、なんと家出をしてしまう。
12駅では必死の覚悟でゼットの暗殺を目論むが、気配だけで本人にその意図が気付かれ、さらに傍らに現れたシュバルツの「母上(ノア)がお悲しみになる」という説得で未遂に終わってしまう。
しかし、怯えながらも健気に光る瞳の「キラキラ」にゼットがご満悦し、そのまま許嫁として彼に気に入られてしまう。

現在でもゼットと契を結ぶ事実には否定的だが、何故かシュバルツが「今は辛抱」と釘をさしており、怯えながらもゼットの傍に仕えている。
後に勝手な行動を取って謹慎されてしまったシュバルツを憂い、皇帝の伴侶としてゼットの傍にいながら彼のサポートとして自ら密偵を買って出るなど奥手な性格からは想像できない積極的な行動を取るようになる。

第21駅では、いよいよ迫った皇帝との結婚を拒否してシュバルツとの「駆け落ち」を目論むが、そのシュバルツの密告によりゼットに看破されて失敗に終わる。
翌話の第22駅でとうとう結婚式が執り行われ、自らも潔く「運命」と受け入れてしまう。

実は彼女は皇帝の力を我が物にしようと企むノア夫人が用意した謂わばジョーカーで、「結婚相手が持つ力を本人の肉体ごと取り込んでしまう」という恐ろしい能力を持っていた。
そして、儀礼中に自分に魅入られて油断していたゼットを吸収したことで、『闇の女帝』へと変貌する。
しかし、彼女の「キラキラ」を我が物にしようとするゼットに逆に利用され、彼に吸収されて消滅した。

だが、実際にはゼットの内部で生き永らえており、彼の心の中でその経緯を傍観していた。
これについて、ゼットはノアから「『消さなかった』のではなく『消せなかった』のでは?」と問われたり、闇が弱まるクリスマスの時期に意識が表面化したグリッタ本人からも「最初から自身が弱まることを分かっていながら何故自分を放置したのか?」という問いを投げかけられているが、いずれもはっきりとした返答はしなかった。

39駅では上記のように闇が著しく弱まる『ヤミベリ(クリスマス)』に加えてボセキシャドーによる闇の乱用によって皇帝と肉体の主導権が逆転し、遂に表に出るようになる。
しかし、40駅で彼女をゼットから解放しようとするノアの手を拒絶すると、再びゼットと肉体をチェンジ。彼とともにキャッスルターミナルから逃亡し、6号に変装した彼の作戦でトッキュウジャーたちに保護される。
そして、深い意識の中で眠りについたゼットに代わり再び出現すると、トッキュウジャーたちに自身が感じた不吉な予兆を危惧して、自分をゼットの下から救おうとするシュバルツたちを止めるように懇願した。
しかし、その言葉も虚しく、第41駅で彼とノアの犠牲によってゼットの身体から引き離され、シュバルツのクライナーによって避難させられてしまう。

その後、単身で亡命扱いとなっていたが、44駅でハイパーレッシャターミナルを訪問。
「(ノアやシュバルツに対する)復讐」ではなく、あくまでレインボーとシャドー双方でこれ以上誰かの犠牲を出さないための「終局」を迎えるべく、トッキュウジャーたちへの協力を申し出た。
そしてシュバルツが遺した彼のクライナーを自ら操縦し、トッキュウジャーの烈車とともにシャドーの本拠地キャッスルターミナルの外周に侵入。クローズ軍団の相手をトッキュウジャーに任せてターミナルのコントロールルームへ向かい、ターミナルを元の地下深くの闇へ戻そうと尽力する。

45駅で一時的にターミナルの沈下に成功するが、直後にネロたちとともにクライナーで帰還して単身で部屋に入ってきたゼットと対峙。
彼に戦慄しつつも臆することなく正面から向き合い、「いつまでも『キラキラ』を手に入れることができない陛下は気の毒」、「『キラキラ』は自身の中から生み出すものであり、他人から奪えるものではない」と説得するが、逆にその言葉で『キラキラ』への執心が消えたゼットの手にかけられ、悲鳴とともに姿を消した。

しかし、その場でどのような経緯があったのかは不明だが実は生存しており、終着駅でゼットとトッキュウジャーとの戦いに終止符が打たれるとクライナーに乗って出現。
闇の塵に飛散したゼットを回収して車内で再構成させると、自分たちの敗北を悟った上記の言葉をかけ、ゼットの闇とともに地下深くの「自分たちがいるべき場所」へと帰って行った。

【余談】

シャドーラインの幹部達は彼女以外全て「黒」を意味する他国語であるが、彼女のみ名前の由来が輝きを意味する英語から来ている。
ちなみに『ヒーローMAX』で脚本担当は、このネーミングは(彼女が組織内で異端であることを)意図したものであり、シャドーラインサイドの物語は、彼女を中心に進んでいくと語っている。

他の幹部との対話を見る限り、おそらく設定年齢は最年少。
過去のシリーズではブルドントやドロップなど、「中盤で成長する(場合によってはそのまま軍団の首領になる)幹部」が度々登場しているが、外見が変化せずに皇帝の地位に就いた珍しい幹部である(『エターナルメモリーズ』によれば、当初はシリーズの典型的な展開と同様に別形態へと変化して復活することを想定してよりシャープな人型をデザインしていたが採用されず、後の『いって帰ってきた』に登場する幹部怪人として造形されている)。

最終更新:2015年06月22日 22:55