ハート

「これで俺達は全滅だ、泊進ノ介。せめて、お前だけでも覚えていてくれないか?
『ロイミュード』という、この星の新たな生物になろうとしていた奴らがいたことを……」

【名前】 ハート
【読み方】 はーと
【俳優】 蕨野友也
【登場作品】 仮面ライダードライブ
【初登場話】 第1話「俺の時間はなぜ止まったのか」
【分類】 ロイミュード幹部/ロイミュード002
【コピー元】 広井真蔵
【モチーフ】 近藤勇
【名前の由来】 心臓(英:Heart)

【詳細】

ハートロイミュードの人間態。ロイミュードの指導者。

赤いコートを身につけた大柄な男の姿をとり、豪快かつ目立ちたがり屋とも言える性格で実質的なロイミュードの指導者でありながら時に自ら前線に赴くなど強引に物事を進める性質がある。

人間を支配するため日々進化すると豪語するようにロイミュードとしての正体を表した際の戦闘力は驚異的。
108体しかいないロイミュードを「トモダチ」として認識しており、どのような性格のロイミュードであっても「この世に108人しかいない」として大切にしている。
だがその反面人間に対しては残虐性を隠さず、「トモダチ(覚醒寸前のロイミュード)に会う為」として他者の所有する自動車を平然と強奪する場面もあった。

その目的はプロトドライブに阻止されたグローバルフリーズの再来。
「来るべき日」に備え、一定数以上の進化したロイミュードを集めようとしている。

記憶を失っているとはいえかつての仇敵であるプロトドライブ、プロトゼロチェイスとしてそばに置き、自身の能力で歯止めの効かない暴走状態になった際には止めるように頼むなど、
過去に拘らずにトモダチとして認識しているロイミュードに対してはいかなる個体においても全幅の信頼を置き、とくに自身を慕うメディックに対しては「非の打ち所がない」と賞賛している。

しかしながら寛大さ故の放任主義に加え、少々周囲の現状変化を察知できない鈍感さも兼ね備えているようで、メディックが粛清(完全にコアを破壊)した072の去就について「仮面ライダーに倒された」というあからさまな嘘を信じたり、彼女とそれに嫉妬するブレンとの内輪揉めを知らなかったり、さらには巨大化した同胞の存在にも気づかなかったりと、リーダー格に立つ存在としては監督不行き届きに難がある(しかも、組織内の派閥が自分への忠誠心が全ての発端であることも勿論無自覚である)。

特にチェイスに対しては心底気にかけているようで、彼がドライブに完全に討伐されたと思ってた時期には、ブレンたちの「約束の数にも含まれない男(所詮は捨て駒の存在だ)」という慰めを受けても声を荒げて感情的になっていたりと、大切な仲間として捉えていた(チェイスのことを「解放した」と言ってるように、グローバルフリーズを直接阻止した彼の行動も、あくまで「クリムに操られていた」と解釈しているようである)。

その姿はかつて蛮野が出資を頼んで断られた青年実業家のものであり、その性格もその人物のコピーであると思われる。
しかし蛮野は出資を断られた腹いせにその青年実業家の姿をコピーさせると、実験と称して凄惨な拷問をハートに対し行っており、彼を「あれほど最低な人間を知らん」と言って毛嫌いしていた。
なお、そのため彼のみ人間体をグローバルフリーズ時点から持っていた。蛮野を殺害したのもそういった経緯からによるものであるようだ。

グローバルフリーズの際にプロトドライブに敗北した際、その傷をメディックに治療してもらったため彼女を「天使」と呼び大切な存在としていた(後にメディックのスーツを改造した天使の名を持つロイミュードの進化態が登場。)。
その時点では進化していなかったが後に進化体としての力を獲得し、プロトドライブを撃破。チェイスを連れ帰って001やブレンと共に改造を施していた。

泊進ノ介との初対面は第10話。
スタインベルト邸跡地を訪れていた彼と交戦、デッドゾーンに入りその凄まじい力でドライブを圧倒、だがタイプテクニックになったドライブに急所の心臓部を鷲掴みにされ相打ちに持ち込まれようとするも、
チェイスが助けに入ったためその場は撤退。
そして復活したメディックの治療を受け、第16話でデッドゾーンに対抗するために開発されたタイプデッドヒートとなったドライブと対戦、自身を上回るパワーを発揮する彼に喜びを見出した。

またメディックから治療と同時に強化改造手術を受け更なるパワーを発揮するようになる。さらに改造を受けた結果超重加速も発生させることができるようになった。

第22話にてタイプフォーミュラに敗北したチェイスの生存を何らかの方法で知り、第26話にて進ノ介や霧子が彼に接触してる際に割り込み、再び自分達の仲間にしようとする。
その場で進ノ介と一触即発になると、相手の実父の死の真相を仄めかす挑発を行い、激昂した彼と交戦。
ロイミュード形態でデッドヒートと互角に戦っていると、自棄を起こした魔進チェイサーの必殺技に救われる。
しかし、それでも彼がまだ人間への未練を棄てきれないことを悟ると、彼のプロトドライブとしての象徴たるシフトスピードのプロトタイプを手渡し、敢えて彼を突き放した。
そして、チェイスが人間を守る「仮面ライダー」としての道を選び、ソードロイミュード(007)を破壊したのを静観すると、嘗ての「トモダチ」としてその決意を受け入れた。

ブレンが所持していた蛮野の意識がダウンロードされた端末をマッハに奪われ、その能力がロイミュードの脅威になりうると判断し、海外で暗躍していた幹部たちを集め、
約束の数を揃えることと、蛮野の始末、さらにはライダー達とそれを擁護する警察組織の打倒を最優先事項として考えるようになる。
だが蛮野はドライブ側に取り行って彼らのデータを盗み出した上、密かに部下にしていた004を使ってドライブドライバーを複製、さらに第40話にて自分を始末しに来た006の肉体を奪って超進化態と同等の能力を持つゴルドドライブとしての力を手に入れてしまう。

上記にある通りメディックが影で行ってきたロイミュードに対する数々の仕打ちには気づいていなかったが、ついに知ることとなり、秘密裏に多くの同胞たちを始末していた彼女に怒りを向けるも、
それでもなお彼女を許し、進ノ介が自分にとって最高の好敵手であることを自覚。
そのことに対する喜びの感情が最大限に高まったことで、ついに超進化態の力を手に入れる。

だが、ドライブ側を裏切り、006の肉体を乗っ取ってゴルドドライブとしての能力を会得し、ロイミュードの支配者として君臨した蛮野には仲間思い故に従わざるを得ず歯がゆく思いつつも、
彼に洗脳されてしまったメディックの身を案じ、第二のグローバルフリーズ実現のため蛮野の元でドライブ側と敵対。
だがそれでもブレンを密かに逃がして蛮野の計画に水をさしたりと密かに抵抗を試みていた。

逃がしたはずのブレンが蛮野に下り、彼だけは裏切らないと信じていたハートは深く絶望するも、それはメディックを助けるための演技であることを知り、
メディックを助け満足気に消滅していった彼を見送り、用済みとして仮面ライダーもろとも自分達を始末しようとした蛮野に一矢報いるためシグマサーキュラーの破壊を目指してドライブ達と共闘を選択する。

蛮野が行った改造手術の影響からか重加速に耐えられないメディックを残してシグマの元へと向かい、完全体となったシグマと激しい戦闘に入る。
胸を貫くような大きなダメージを受けつつも、メディックの最後の力を受け取ったドライブと共に渾身の一撃を放ち、シグマを完全破壊することに成功する。

そして、ブレン、メディックも消滅し、ついに最期の1体となってしまったハートは人間との決着を着けるため、進ノ介との決闘に挑もうとする。
だが上記の通り、胸をシグマの攻撃で貫かれた際に致命傷を負っており、そのことに気がついていた進ノ介は決闘を拒否。
遂に限界を迎え、自分達ロイミュードの存在を忘れないことを、かつての宿敵達に望みながら、たった一人の、「初めての人間の友達」を得た彼は涙を流しながら消滅していった。


なお、時系列はドライブ序盤辺りに当てはまる『MOVIE大戦フルスロットル』では意外なことに仮面ライダーたち(ただしドライブではなく、あくまで前作のアーマードライダーたち)に加勢。
「全ての生命体の個を奪い、統一融合させる」という宇宙からの侵略者メガヘクスの意思に対して「俺たちは個人主義者の集まりでね」と断固として反対し、最終決戦時には沢芽市でメガヘクスが作り出した無数の下級ロイミュードや初級インベスのコピーと激闘を繰り広げていたバロン、龍玄、斬月・真の前にブレンと魔進チェイサーを引き付けて現れ、ライダーたちと供に戦った。

『仮面ライダー×仮面ライダー ゴースト&ドライブ 超MOVIE大戦ジェネシス』では、過去に飛んだ天空寺タケルと進ノ介の行動が現代にバタフライエフェクトを生じさせその影響で復活。
彼らの行動がどういう影響になったのかは定かではないが、ブレンとメディック、チェイス等ドライブの本編では消滅したロイミュード達がプレーン態を含めて大群として蘇った。
現代に残ったマッハ、スペクターに加え復活した仮面ライダーチェイサーと戦闘を行う。

そしてVシネマ仮面ライダーマッハ/仮面ライダーハートでは世界中に散らばったロイミュードのコアデータをかき集めることで人類の味方となったロイミュード達の復活が試みられていた。
ハート、ブレン、メディック、そしてチェイスのコアデータの収束が行われていたが、その最中偶発的に全てのロイミュードのデータの破片が寄り集まったロイミュード5886が誕生。
データ収束率の高かったハートもブレンとメディックの意識を内包した状態で復活したが、素体となったのが戦闘力の無い安全を考慮したものであったためロイミュード5886に対抗できず、やむを得ずシフトハートロン(新型のコア収束装置が変化したもの)と、AIのみを搭載したドライブドライバーと同型のベルトを使ってドライブに変身を試みるも、出来上がったのはタイプスピードワイルドテクニックというちぐはぐなドライブの外見の寄せ集めにしか変身できなかった。

しかし、自分を含めたブレン、メディックのコアを共振させることでハートは仮面ライダーハートに変身。
3人の能力をフル活用して5886を撃破することに成功すると同時に完全な復活ではなかった故に限界を迎え、事件中共に行動していた追田現八郎も泊進ノ介と同じく人間の友であると認め満足気に消えていった。

そして残されたロイミュードの素体を前に現さんは…

【余談】

脚本家を務める三条陸氏によれば、「(ハートだけに)心が広い存在にし、温厚に組織を束ねる立ち回りは『近藤勇』のようにした」らしい。

そのキャラクターと蕨野友也氏の熱演から人気が高く、ドライブ放送終了後彼をメインとしたVシネマが制作された。

コピー元である広井真臓の由来は「ひろい しんぞう」という読みの通りハート=心臓が由来。
名字を含めて意訳すれば「心が広い」といったところか。

最終更新:2021年03月10日 21:49