ブレン

「ええ。いいアシストだったでしょ?やはり私は、優秀で……誠実で……(優秀で……誠実で……)」

【名前】 ブレン
【読み方】 ぶれん
【俳優】 松島圧汰
【登場作品】 仮面ライダードライブ
【初登場話】 第2話「仮面ライダーとはなにか」
【分類】 ロイミュード幹部

【詳細】

ブレンロイミュードの人間としての姿。ロイミュードの頭脳。

分析や情報収集を担当し、参謀としてハートをサポートする。
神経質な性格でドライブを最も危険視し、問題を起こしたロイミュードを咎め、時に自由奔放なハートの度が過ぎた行動にも苦言を口にしたりと、仲間内でもルールに厳しい。
似たような言葉を3つ並べる独特な口調で喋る(上記の台詞の他、第2話でハートに毒舌を吐くときの「自由で無警戒で目立ちたがり屋」、アイアンロイミュードの存在が消失した際の「あれほど巨大で広範囲で威圧的な」等)。

脳、という名前の通り神経に作用する攻撃を行うことが出来、仮面ライダーの装備を身につけた人間の命を奪ってしまうほど強力な毒を頭部から生成できる。
更に周囲の電子機器に干渉する能力を有し、第2話ではカフェで近くの席にいた人間のカップルの所有する端末を睨むだけで操作し、43話では後述のメディックを救うためにカフェにいた女性の端末を盗み、
市販品であろうその端末を操作してメディックの身体の分析を行っていた。

全幅の信頼を置いているハートに対し、チェイスを完全には信用しておらず彼に対する仲間意識は薄く手駒としか考えていない。
そのためチェイスがアイデンティティに悩むようになると、彼はもう使えないとしてハートに切り捨てるよう進言した場面もある。
それもそのはずで、ハートに撃破されたプロトドライブを魔進チェイサーに改造したのはブレンであり、「仮面ライダー」という名称の名付け親であることが14話で判明した。
グローバルフリーズの際には彼もプロトドライブの攻撃によって大きなダメージを負っており、通信管理局に入り込んでその場にいた男性を襲い、世界中にいる同胞たちに「仮面ライダー」の存在を伝え、
データとなって機械の中に逃げ込んだ。

メディックの参入以降は自身を軽視する彼女から疎ましく思われており、生真面目さが裏目に出て彼女とそれに再洗脳されたチェイス、元から中立的な立場にいて彼女の意見を否定しないハートたちから発言を却下され、自分だけ疎外感を覚えて狼狽えてる姿を見せている。
さらにまるで恋人であるかのような二人の雰囲気を覗き見し、自分の行動に激しく動揺した上、テンプレート的にハンカチを噛むなど人間臭い…というよりは、ネタキャラとしての側面を多く見せるようになった。

なおプロトドライブのプログラムの書き換えはブレンが担当したようだが、メディックは最小限の書き換えのみでチェイスを完全にロイミュード側に寝返らせることに成功している。

メディックがいる限りハートのもとには戻らないとして001の元へと向かい、彼の記憶改ざん能力により警察内部でロイミュードの専門家、「能見」という青年として潜入。
チェイスの仮面ライダーとしての参入に心を乱していた剛に何かを見せ、彼を自分達の陣営に引き入れることに成功している。

だが、その剛を懐柔していたと思いきや状況が一変。
実は咄嗟に掲示して剛を沈黙させた物体の正体は、彼の父にしてロイミュードの生みの親、つまりロイミュードという存在の全てを知り尽くしている究極の頭脳蛮野博士の人格データであり、それを利用して剛を001の元へ連れ込み、彼の記憶改竄能力で「他の仮面ライダーに対して強い憎しみを持つ戦士」に仕立てあげたつもりだった。
ところが、剛は進ノ介と同様に001の能力が効かない強靭な精神を持った人間であり、彼の洗脳され続けてるかのような芝居に気づけず、(同様に本当に001に洗脳されてると思い込んで)彼を奪還に来たチェイスとの混戦に乗じて裏切られ、肝心のタブレットを奪われる大失態を冒してしまう(その上、幹部でありながらあろうことかマッハに銃口を向けられて人質にされ、「射たないで!」と命乞いをする無惨な姿を晒してしまう)。

しかし、その一方で34話では進ノ介の父親の英介を殺害した真犯人の光秀に加担、001の消滅の影響で露になりつつあった過去の事件の物的証拠(光秀が英介射殺に使った銃弾)の隠滅に協力し、彼に106を貸し与えてシーフロイミュードとしての力を与える。
当初は自身でも何故光秀に加担しようとしているのか理解していなかった(本人も「愚劣で卑怯で最低」と罵っていた)が、106を撃破された彼を匿って供に逃亡すると、自分の超進化態へのテーマである『嫉妬』が、光秀の英介やその息子の進ノ介へのそれと強く共鳴してることを確信し、自ら彼がシーフロイミュードになるための融合相手となることで、彼の強い感情とシンクロして遂に超進化態への進化に成功する。

35話ではシーフロイミュードとして英介殺害事件の証人であるゆかりの口封じに襲撃。ライダーとの戦闘中、気付かれぬ内に彼女に強力な毒を注入し撤退する。
さらに自分に因縁をつけてきたメディックと仲間割れして交戦、自分が超進化態に進化したことを知らなかった彼女を驚愕させ、これまでの怨みを返すかのように圧倒的な力の差を見せつけて彼女を叩きのめした(その際の喜びぶりは、東映のコラムでも紹介されるほどの変顔を披露するほど)。
また、逃走していた光秀と供に「能見」の姿で緊急会見を開き、「特状課がロイミュードの派閥と結託してる巣窟」というデマを流し、りんなたちに汚名を着せて特状課の機能を停止させた。

しかし、続く36話で唯一誤認逮捕を逃れた進ノ介を光秀の計画で葬ったと思った矢先、それに関する会見を再び行ってる最中に生存していた進ノ介や解放された霧子によって光秀の悪事を公に暴露され、会場の参加者に扮していた配下のロイミュードたちと一緒に本性を現して交戦する(無論、これによって自身もロイミュードであることが露呈し、「能見」という偽名は使えなくなった)。
配下たちや融合したシーフの力が退けられても単身で超進化態の姿で3人のライダーに挑むが、三位一体の必殺キックを連続で喰らって爆散し、肉体を失ってしまう。さらにコアの数字のまま泣きべそを掻いて逃走してるとメディックに捕まってしまい、「治療」と称して今度は逆に彼女の仕返しを受けるはめになってしまう。

その後暫くはコアのままメディックに付きまとっていたが、40話で超進化態の「約束の数」の収集に急ぐハートの命令で念願の身体を取り戻す。
しかし、実は治療したメディックによって彼女の任意で自在に肉体を奪われるよう細工を施されており、41話では自分の超進化態へのルーツを探ろうとする彼女の計画に小間使いのように扱われた(彼女のコピー元の美鈴の身柄を病院に運ぶ、密かに彼女が飼っていた犬の世話を強制される等)。しかし、そこに蛮野ことバンノドライバーの存在が介入、緊急事態にメディックに指示され、犬を連れて蛮野の元から逃走する。だが、その逃走先でバンノドライバーが006の肉体を乗っ取ってゴルドドライブに変身し、マッハを赤子のように倒す姿を物陰から目撃、彼に見つからないように息を潜めていたが犬の放尿を脚にかけられたことで悲鳴をあげて見つかってしまい、彼から強迫めいた依頼をされる。

42話ではその依頼に沿い、超進化態になりたがるメディックの身柄をゴルドドライブへ引き渡してしまう。
しかしメディック個人は怨みを持つ相手だがハートを密かに裏切っていることに罪悪感を覚えており、メディック不在を彼が気にすると土下座して包み隠さず真相を吐露。自身を「愚かで卑怯で軟弱」であり、悲願の「約束の数」への資格すらなしと称して彼からの処罰を望むも、自分の意思を汲んでくれたハートによって「蛮野に超進化態の「約束の数」を利用されないよう、奴の手からメディックを取り戻すまでお前が捕まらないように姿を眩まして暗躍しろ」という密命を帯び、変装して行方を眩ます(その際、犬猿の仲だったメディックが自我を失って蛮野の操り人形にされたことを知ると、彼女を想って哀れみに涙を流す自分の気持ちに動揺していた)。

そして逃走中の43話。
自信満々に自分の変装が完璧と自画自賛してトラックの運転手に扮していたが、分かりやすい「ハンカチに眼鏡」というトレードマークでメディックや死神部隊にあっさりと見つかってしまう(その際にメディックから「本気で変装するなら捨てた方がいい」と忠告されたが、自分のアイデンティティーだと否定した)。
必死に彼女に正気に戻るよう訴えながら抵抗しつつ、自分の爪の一部を彼女の身体に密かに忍ばせると、駆け付けたドライブたちの応戦で運良く追っ手を退けられ、状況を把握できない彼らを尻目に再び逃走する。
その後、メディックにマーキングした自分の爪とデータリンクさせて彼女を元に戻す方法を探ろうと一般人から「重加速」でタブレットを拝借し、自身の解析能力を補助するのに最適な施設として「中央情報局」のコンピュータルームを襲撃して制圧。すると、そこが嘗て自分が「グローバルフリーズ」の敗戦時に逃走して逃げ延び、謎の戦士「仮面ライダー」の存在を全世界の同胞に警告したこと、咄嗟にそこの副所長の青年光晴をコピーして今の人間態を得たことを思い出す。

興味本意でタブレットで擬態元の人物の記事を検索すると、彼の「リーダーを支える天才プログラマー」という素性に自分を重ねて誇らしげに思っていたが、続く彼の「ハンカチと眼鏡が手放せない」というコメントに動揺。
視力低下どころか発汗機能を持たないはずのロイミュードの自分が眼鏡とハンカチを無意識に手放せなかったのは、擬態元の「近眼」に「汗っかき」という性質まで忠実に再現してしまっただけに過ぎず、直後に突然姿を見せた黒いクリム(004)に「ロイミュードは所詮人間のコピーの産物で心などない」と告げられて愕然とする。
そして、現れたゴルドドライブに追い詰められるが、蛮野の野望を危惧する敵であるはずの進ノ介に庇われ、逃走を続行する。

ところが、翌話の44話でメディックの解析に成功して何か重大な秘密を知ると、突然掌を返したかのように蛮野に服従し、自ら軍門に下ってしまう。

裏切ったことに激昂するハートにすら冷遇し、それまでの自分の象徴だったハンカチを「汗をかかない冷徹な機械に戻る」と宣言して投げ捨てる。
だが、とある湖畔で自分とハート、メディック、そしてゴルドドライブの超進化態による第2の「グローバルフリーズ」発動の儀式を行うと、蛮野の企てによって制御装置として用意されたシグマサーキュラーの余剰エネルギーがメディックに逆流し、彼女が窮地に陥った瞬間、エネルギー流動のプログラムを彼女から自分へと仕向けて身代わりとして重症を負う。

実は全てはロイミュードの回復役を担うメディックを消そうとする蛮野の計画を阻止するために起こした演技であり、メディックの身体を解析したことで蛮野の企みを見ぬいたブレンは、
メディックこそハートが一番大切にしている仲間であることを知り、メディックがハートを思う心に「共感」を覚え、自分の「ブレン=頭脳」の名を掲げて蛮野に対し一矢報いるために一世一代の企てを決行したのだった。

しかし、シグマサーキュラーから逆流するエネルギーを浴び続けた肉体が限界を越えて遂に死期を迎えてしまう。
自分の裏切りの真意を理解したハートや、プログラムの書き換えの影響で正気を取り戻したメディックに寄り添われ、とくにメディックから「酷い仕打ちをしてきた自分をどうして助けたのか?」と問われると、「知りたいのはこっちだ」と返答。
だが続けて、「メディックの一途な想いに共感したこと」、悔しくも「自分以上にハートが一番愛してる相手がメディックであり、ハートを哀しませたくなったこと」を語り、自らに呼びかけるハートに振り向くこと無く満足した表情を浮かべながら眠りにつくように沈黙、肉体が劣化して崩れ落ち、コアも静かな湖畔に流れる風の中へと消えていった。

「人間の言動をコピーしたロイミュード自身に心などない」と004に否定され、自らも人間性を捨てる行動を取っていたが、後者は最期の決死の行動へ移るための覚悟の現れであり、自己犠牲でメディックを救ったその原動力は他でもない、誰かを想って尽くそうとする紛れもない彼自身の純粋な「心」だった。

【余談】

脚本家を務める三条陸氏によれば、「組織のリーダーながら自由奔放なハートと比較し、規律に煩い人格だが、それでいてハートを尊敬して従順にいる『土方歳三』のようなキャラクター」にしたらしい。

最終更新:2016年01月17日 01:45