チェイス

「誰も、聞かなかったからだ!」

【名前】 チェイス
【読み方】 ちぇいす
【俳優】 上遠野太洸
【登場作品】 仮面ライダードライブ
【初登場話】 第2話「仮面ライダーとはなにか」
【分類】 ロイミュード幹部→味方怪人

【詳細】

「ロイミュードの番人」や「死神」を名乗るロイミュードの殺し屋。

組織内での不穏分子を粛清する立場にあり、有事の際にはハート達に召集され、彼らの意に反する同胞をデータに還元してしまう。
ドライブのライバル戦士となる寡黙な男だが、正体は謎に包まれている。

しかし、仲間内では自他共に「死神」と認識されているが、その実態はあくまで「命令違反者を更生させるために封印する」程度に過ぎない。
バイラルコアまで完全に破壊して葬ってしまうドライブに対し、彼こそが「真の死神」として憎悪している。

専用銃「ブレイクガンナー」で魔進チェイサーに変身する。

仮面ライダーを打倒する事に執念を燃やしているが、人間に対しては不可解な感情を抱いている節があり、ドライブに止めを刺そうとした瞬間にそれを庇う霧子が割って入ると「自身が放った攻撃を歪曲させ、故意に外す」というありえない行動を起こした。他にも街中で進ノ介を発見してはわざわざ人的被害が最小になるような場所に連れ込んで決闘を始めたりとフェアな精神を持ち、進ノ介から「そんなに悪い奴とは思えない」と言われている。

しかし、そのような不審な行為をしてもハートは何故か「仮面ライダーを倒す事が奴の宿命」と絶対の信頼をしているらしく、その一方でブレンは不機嫌だった。

次第に自身のアイデンティティに疑問を抱き始めているらしく、第11話では都市の大停電を目論むボルトゴーストの後援の為にブレンと共にドライブの妨害を受け持つが、彼から「停電になると多くの人々の命に関わる」という必死の説得に動揺し、戦意喪失した為にドライブのボルト追跡を許してしまう。

その事に憤ったブレンから制裁を加えられた後、ボルトゴーストの最期を見届けた彼の前に現れ、弁解しながらプロトゼロに変化した(その様子を見たベルトさんは彼の正体に何か勘付いた素振りを見せ、ブレンはハートに「チェイスをそろそろ見限るべき」という謎の警告をしている)。

本人によるとグローバルフリーズ以前の記憶を失っているらしく、一度自分の存在についてハートに問い質した事があったが、彼から「0は偉大な戦士の数字」と語られ、その言葉を信用してそれ以上の追及はしなかった。
だが霧子のことが気にかかり、夜道をつけ回すなど、かつての自分が何者であったのかについての苦悩を深めていく。

第14話でマッハのライドマッハ―と自身のライドチェイサーに謎の合体機能が備わっていたことに驚愕していると、そこに現れたブレンの口から自分こそが憎き『仮面ライダー』の原点であるという事実と突き付けられ、錯乱して逃亡する。

その後、ブレンたちに捕まるとメディックの進言で彼女の手により再洗脳される。
プロトゼロとしての彼の中枢部分に根付いていた「人間を守れ」という一種のブラックボックスのような行動原理を「ロイミュードを守れ」と上書きされたことで、霧子にも平然と刃を向ける冷徹なキラーマシーンと化してしまった。
反面、その変更ロジックの影響から従来のようにロイミュードに対する粛清(攻撃)が不可能になったことで「死神」としての素質を失い、専ら他のロイミュードの援護や仮面ライダーとの対戦相手として活動している。

そして21話でメディックから受けた改造の影響で新たに「超重加速」という力に目覚めると、彼女が企てた作戦で遂に本格的な仮面ライダーの排除に乗り出す。

手始めにメディックが精巧に作り上げた模造人間を「過去にロイミュードたちに擬態された人間」たちの不審死体として街の各所に放置、それを分散して調査していたシフトカーたちをメディックが捕獲し、洗脳してしまう。
それと同時にドライブとマッハも陽動させ、マッハがハートとメディックに手こずっている間に、単身できたドライブを自分の側につけたシフトカーや「超重加速」の力で追い詰める。
しかし、最大の必殺技でドライブを葬ろうとした矢先、ベルトさんの提案でドライブが新たな形態「タイプフォーミュラー」にチェンジすると、風圧を操る特殊能力と捨て身のフルスロットルで「超重加速」を相殺させられ、同時にシフトカーたちも奪還され戦闘を中断する。

その後、死体として安置されていた模造人間の手で特状課の霧子を誘拐するが、追ってきた剛に卑劣な作戦を罵倒されると脳内の改変されていたはずのプログラムが修復し、正気を取り戻す(実際にはメディックの失脚を企んだブレンが密かにチェイスのプロテクトを解除する毒を仕込んでいた)。
自身はいまだに人間を誰1人殺めていないと弁解し、剛にドライブへ正午に最期の決闘を付けるよう伝言を要求するが、即座に現れたメディックに拉致され、再度洗脳されたばかりか、破壊衝動を最大限まで引き出された殺戮マシーンへと変貌してしまう。

そして街で暴れていたところを、「本当に誰かを殺してしまう前に止める」と決意したドライブと交戦。
「超重加速」で彼を苦戦させるが、新兵器「トレーラー砲」の導入で改めて変身したタイプフォーミュラーと互角の戦いを展開する。
しかし、自身の必殺技の「トリプルチューン」とドライブの「トレーラーインパクト」との激しいせめぎ合いの末に僅かに一歩力負けし、はるか上空へと吹き飛ばされて爆散する(この時、遠方であることからベルトさんも彼のコアが完全に消滅したものだと思い込んでいた)。

だが、実は重傷を負いながらも生存しており、帰宅中に偶然そこを通行していた霧子と遭遇し彼女に保護されどこかの廃屋に匿われ、
ブレイクガンナーにマッドドクターをセットし治療を施されていた。

その後、全快になると霧子の目を盗んで姿を眩ましていたが、融合進化態という新たな脅威に再び接触してきて協力を請う彼女に、借りを返そうと自分の組織サンプルを潔く渡した。
さらに自らの生存を知り、再び仮面ライダーに戻そうとする進ノ介たちと、ロイミュード側に戻そうとするハートとの小競り合いを前に葛藤した末、無我夢中でハート側に助太刀してドライブに重傷を負わせるが、それでもまだ迷っている自分の本心を見抜いたハートに「友だちに必要ない」と突き放され、最終的に「人間を守る」という自身の性を受け入れて『仮面ライダーチェイサー』として返り咲いた。

ドライブの味方になってからは特状課やドライブビットにも出入りし、「嘗て死闘を繰り広げた好敵手」と同時に「仮面ライダーの先輩」として、進ノ介からも一定の信頼を受けている。一方でロイミュードそのものを憎悪する剛からは仲間になることも不服で怪訝に思われていたが、次第に平和を守る者同士として彼からも信用を受けるようなってきている。
ただ、人間ではなくロイミュードなので倫理的な思想に対して特状課の面々と多少のズレがあり、一言で言うならば「不器用で天然」。
最高幹部の001の能力の詳細を知っておきながら(かなり遅いタイミングに)自分が言うまで「聞かれなかったから」という理由で黙っていたり、「家族」という存在に士気を乱したり暴走する進ノ介や剛の様子に動揺する素振りも見せ、時には自分の選んだ選択肢(霧子を心配させないように、彼女の「家族」である剛が001に記憶操作されていた形跡があったのにも関わらず、敢えて嘘をつくなど)が最適であったのかと戸惑う事もあった。
その一方で「○○を○○するのが○○ではないのか?」と冷静且つ客観的な目線で正論を唱える事もあり、結果的に進ノ介の葛藤を振り切る手助けをしている。

【余談】

脚本家である三条陸氏によれば、「近藤勇のハートと土方歳三のブレンに対し、沖田総司か斉藤一のような位置づけのキャラにした」らしい。

最終更新:2015年07月06日 13:01