フリーズロイミュード

「私には理解できなかった。何故、私の力が及ばないのか。こんなちっぽけな、何の価値もない人間どもに」

【名前】 フリーズロイミュード
【読み方】 ふりーずろいみゅーど
【声】 堀内正美
【スーツアクター】 不明
【登場作品】 仮面ライダードライブ
【初登場話】 第31話「大切な記憶はどうして消されたのか」(進化前の姿としては第25話から)
【分類】 進化態ロイミュード
【序列】 001(コブラ型
バイラルコア コブラ
【特色/力】 氷の針で人間の記憶を書き換える、冷凍エネルギー弾や吹雪によって対象を凍結させる
【モチーフ】 氷の結晶、オオカミ(フェンリル?)

【詳細】

コブラ型のロイミュード001が進化した姿で、ロイミュードの序列階級としては最高位に位置する幹部。
人間態は参議院国家防衛局長官の真影壮一という眼鏡を掛けた初老の男性。

初登場したのは25話からだが、仲間内にも進化態を見せる31話まで永らく下級の姿で活動しており、ハートたちからは進化態の名前ではなく「ゼロゼロイチ」とナンバーで呼ばれていた。

当初は自分の正体をまだ知らなかった進ノ介とすれ違うと、仮面ライダーの彼を穏やかに激励するなど温厚に振る舞っていたが、その本性は残忍且つ高慢で、曰く「掃いて捨てるほどいる」悪人たちを融合進化態に仕立て上げ、中盤では彼らの扇動を裏から行っていた。
ロイミュードが学ぶべき『人間の感情』については特に「ネガティブな感情こそが、絶大な力を得る」という考えを持ち、『嫉妬』を要にしているブレンの姿勢に肯定的で、自身も後述のように『屈辱』という負の感情を超進化への鍵にしている(かと言って、『喜び』や『愛欲』といった前向きな感情を選択しているハートたちを否定している訳ではない)。

「全てを凍らせる」と自負する通り、身体から強烈な冷気を纏った猛吹雪を発生させて相手の動きを鈍らせる他、掌から撃ち出した氷の針を対象の耳の裏に刺し込んで「相手の記憶を凍結させる(記憶を改竄する)」という力を持つ。
針を刺された人間は改竄された記憶を呼び覚ます「きっかけ」を受けると、自動的に誤った記憶を信じ込んでしまう(チェイスは「特定のキーワード」を聞くと改竄された記憶に支配されると解説していたが、実際はその対象を相手に意識させるだけでも有効らしい)。
例として能力にかかった人間が肉親が写っている写真を見ようとすると、その人物を意識しようとした脳が改竄された記憶の支配下に置かれ、「その人物が写真の中の何処にも写っていない」と認識してしまう。また現八朗が「ロイミュード」の名前を旨く発音できなかったのも、実はこの能力の影響ということが判明する。
改竄された記憶を本人が自覚するのは難しいが、針が刺された耳の裏には「雪の結晶」を思わせる焼け焦げた痕があり、能力がかかっているのかどうかは容易に判別可能。また能力が発動してる間は強い催眠効果があるが、長い時間をかけると効果が劣化してしまう不安定な一面もあり、相手は曖昧な自分の記憶に違和感を覚えてしまう欠点がある(従って後述のように過去の重大な事件で能力にかけた相手らを配下のロイミュードを使って口封じをしようとしていた)。
またこれらの吹雪と記憶改竄の能力を掛け合わせることも可能なようで、自分の正体を知った進ノ介と対峙した際には、自身の怪人態の姿を見て逃げていた筈のオフィスの人々を「何事もなかった」かのように自分たちに対して関心を消し去って元の業務に戻らせるという芸当も見せた(当然ながらこちらの吹雪での凍傷などの肉体的ダメージはない)。
さらにその一遍として「伝染」という性質を分け与えることもでき、シーカーの「自分に触れた相手にしか効果が無い」単一な凶暴化能力に「能力にかかった人間がさらに別の人間に触れると発症する」連鎖的な感染力を付加させていた。


何時から進化態を得たのか不明だが、この「記憶改竄能力」は12年前から下級の姿で使用しており、その能力で警察関係者の記憶を操り、自分たち「ロイミュード」の存在を密かに隠蔽していた。
また序列としてはリーダー格にいるべき存在だが、自ら№2であるハートを「王の器」と定めており、ハートをして「誰も知らない幻のロイミュード、あいつは陰から物事を動かすのが好き」、ブレンからは「迂闊に近づこうとするだけで虫けらのように潰される」と評されおり、影の支配者として自ら表立った行動は取らず、あくまで同胞のバックアップとして水面下で暗躍してきた。

ところが12年前、自身の正体を嗅ぎつけた進ノ介の父である英介にも同様に針を撃ち込んで記憶を消去したつもりが、何故か彼には改竄能力が通じず、機械生命体の自分に屈しない人間風情の彼の気迫に自身が「たじろいだ」事で『屈辱』という感情を学習する。

後に、英介に銀行強盗事件をリークさせ、自身の正体を知った彼を暗殺しようとしていたが、英介に同行していた光秀が彼への嫉妬が高ぶって先に英介を殺害。
そんな光秀の「最低な人物像」が自分たちロイミュードの進化に役立つと見定めると、その場にいた人々の記憶から「光秀が英介を殺害した(光秀がその場にいた)」という事実を消去してその見返りに彼を自分に服従させ、契約の証として凶器の拳銃を記憶を操作した科捜研に処分させた。
同時に自分が得た『屈辱』を探究する一方で、「能力が通じなかった」という汚点を払拭すべく行動を開始。
10年前に「致死率9割」という偽のウィルス情報を世間に公表して全国民の一斉検疫を行わせ、そのデータから能力が効かない対象者を複数探し当てて拉致し、とある廃施設に冷凍保存して研究していた(誘拐された人たちの知人にも記憶改竄を行っており失踪も表沙汰にならなかった。またどのようにして「能力が通じない人間」を選別していたのかは不明だが、本人が語っているように「何故効かないのか」という具体的な要因も最後まで解明できなかった)。

第25話ではソードロイミュードがドライブに撃破されると下級の姿で突如乱入。
コア状態になった007を回収だけすると、そのまま何処かへ去っていく。

第26話では長官の椅子から光秀に引き続き「特状課の監視」を命じ、彼が去った後に陰で隠れていたブレンと会合、自らが開発したネオバイラルコアを用いた本格的な融合進化態の扇動を開始する。

第27話では、自らの権力や記憶操作能力を利用したのかブレンを機械生命体専門家の「能見壮」として身分を偽らせて特状課を含めた機械生命体事件捜査本部に送り込み、彼の芝居で進ノ介を謹慎状態に追い込ませる。
同時に配下のシーカーロイミュードに「悪人でなくてもネオバイラルコアに適合するか」という人体実験を命じ、ニュータウンでの集団昏睡事件を誘発させた。

第28話にてこれらの目論みは失敗するが、終盤でのハートたちとの集会で「本来自分に触れた相手にしか凶暴化させられないシーカーに自分の感染能力を分け与えたこと」、「今回の真の目的は仮面ライダーの存在を堂々と公表するという先手を取った特状課に対抗して、仮面ライダーマッハ(剛)を自身の傘下に置かせるための布石であること」が明かされる。

第29話で、「ロイミュードの全てが分かる究極の頭脳(蛮野博士)」を餌にブレンが剛を招くと、氷の針によって彼を洗脳し、「他の仮面ライダーたちに憎しみの記憶を持つ戦士」に作り替え、自陣の戦力に置いた(しかし、実際には剛も「記憶改竄」が効かない特異体質な人間で、確実に蛮野のタブレットを奪取すべく敢えて操られていたフリをしていたことが後に判明する)。
さらに「自分が英介を殺害した」という記憶を刷り込んだ逸郎をオープンロイミュードにし、12年前の英介殺害の現場に居合わせた人間たちの口封じを行った。

しかし、続く第30話で記憶改竄し損ねたゆかりの断片的な記憶から、「当時の事件現場にロイミュードの自分がいたこと」、さらにシフトプロトスピードから復元した記憶をバックアップしたチェイスが投影した録画映像から、「001の自分の正体が真影壮一であること」が遂に進ノ介らに知られてしまう(また事件当事者の慎吾の耳筋にも氷の針があったことから、「誰も聴かなかったから」という理由で今まで口を塞いでいたチェイスにより、「記憶改竄能力」が特状課に知れ渡った)。

第31話で、自分の尻尾を掴もうとしていた進ノ介は証拠が無く袋小路に入っていたが、その特状課に失踪した町工場工の社長である父親の巌の捜索を依頼しにきた青年の徹が来訪。
彼以外の周囲の人間が、先日までいたはずの巌を「10年前から既にいない」と改竄されている様子から001絡みの事件と匂わせてしまう。

ただこれに関してはメディックからも「貴方にしては行動が雑」と微笑されるも実際には敢えて進ノ介が自身に近づけるように仕込んだことであり、ハートたちの前で遂にフリーズロイミュードに変身。
自分の悲願(超進化)が近いことを予見し、第2のグローバルフリーズも予知する。

その後、進ノ介宛に送られた謎のミスターXなる人物(正体はスパイとして暗躍していた剛)の情報から、10年前のウィルス検疫を主導していたことが発覚するが、その裏で徹青年の記憶も改竄してしまう。

10年前のウィルス検疫を証拠に光秀に直談判しに行った進ノ介は光秀に一蹴却下されてしまうが、実はその裏で『シャドー』が盗聴しており、進ノ介が退室して油断していた光秀との通話でセントラルホームで懇談していると居場所が割られてしまう。

そして懇親会の帰りに遂に進ノ介と対峙。当初は自身の正体を惚けていたが、逆上する進ノ介が投げつけたシフトカーを反射的に防御する形で001に変身し、重加速を発生させる。
側近の部下も死神部隊の092と028に変化するが、助太刀に来たチェイサーが死神たちの相手をしている間に進ノ介にも氷の針を撃ち込み、駆けつけた霧子やベルトの前で周囲の人間の記憶も一斉に抹消すると、嘲笑いながらその場を跡にする。

ところが、実は進ノ介も改竄が効かない特異体質の人間で、再度自分を追ってきた彼の前でフリーズに変身すると、「12年前の英介にも針が効かなかったこと」、「その経験から『屈辱』という感情に関心を抱いたこと」を暴露し、変身したタイプフォーミュラーと交戦。吹雪攻撃でドライブを圧倒する。

しかし、続く32話ではドライブにダメージを与えて変身を解除させるも、「まだ時期的に不完全」として戦闘を中断して撤退する。

その後、究宛にも届いたミスターXからのメールから巌の他、20名近くが失踪していることが判明。
さらに自ら懇願した進ノ介が体内に残留していた針を摘出(生身で『ドクター』の摘出手術を施さなければならず、変身できずに激痛が伴う)し、りんなによって解毒剤を生成される。

一方でフリーズ自身も気まぐれか光秀を用済みと見限ってしまい、結果、裏切った光秀の情報提供で特状課に根城にしていた実験施設を特定されてしまう。

施設に潜入して冷凍保存されていた人々に驚く進ノ介や霧子たちの前に、剛とブレンとともに現れ、10年前のウィルス騒動を煽って特定した人物を拉致して実験していたことを語るも、解毒剤と父との本当の思い出から記憶を取り戻した徹がチェイスに引率されて現れると彼の存在に動揺し、タイプスピードに変身したドライブと交戦。

屋外でハンドル剣やドア銃の攻撃を寄せ付けない吹雪攻撃で圧倒するが、『フレア』の火炎属性を付加したハンドル剣の燃える斬撃に反撃され、さらにドライブがタイプフォーミュラーに変身。
スピード戦法と『マンターン』による火炎弾、必殺の「トレーラーインパクト」を浴びて爆散する。

しかし、その「仮面ライダーに倒される」という極限の「屈辱」を体感したことで、遂に超進化を果たす

最終更新:2016年09月15日 23:52