妖怪フタクチオンナ

「さようなら!昨日のワタシ♪こんにちは!明日のワタシ♪」

【名前】 妖怪フタクチオンナ
【読み方】 ようかいふたくちおんな
【声】 沢城みゆき
【登場作品】 手裏剣戦隊ニンニンジャー
【登場話】 忍びの15「妖怪、ワタシ失敗しないので」
【所属】 牙鬼軍団
【分類】 妖怪
【好きな物】 お団子
【好きな場所】 応接室
【攻撃力】 ★☆☆☆☆
【不思議な技】 ★★★★☆
【話し合い】 ★★★★★
【集める恐れ】 なし(強いて言うならば、巨大なガシャドクロや暴走したロデオマルが街を破壊することに起因する恐れ?)
【妖怪モチーフ】 二口女
【器物モチーフ】 眼鏡
【その他のモチーフ】 キャリアウーマン

【詳細】

「眼鏡」が封印の手裏剣と融合し、牙鬼幻月の邪悪な妖気の影響で古来の「二口女」伝承を受け継いで変化した妖怪。

眼鏡で見抜いた相手の弱みをダシに、本来の場所と右頭頂部に備えた2つの口が織り成す二枚舌の口車によってあらゆる交渉テクニックを実行する妖怪エージェント(代理人)。交渉でまくし立てられた相手に妖術の込められた「契約書」に拇印を押させ、自分の意のままに洗脳する能力を持つ。
ただし、「契約書」の交渉に出された条件はほとんど嘘っぱちで、交渉に応じた相手の望む結果が保証されてる訳ではない(実際に「ロデオマルの暴走を止めるために」という前提でキンジに契約を迫ったが、彼を洗脳した後もロデオマルも正気に戻らなかった。しかも「ロデオマルの過酷な労働環境の改善」と出された要求が、「『ヒーハー!』を言わない」、「妖怪を撮る写真は1枚まで」など、ロデオマルを尊重した内容と言うよりも妖怪サイドの要望であり、説明する契約内容も「契約書」に拇印を円滑に押させるための口実と考えられる)。さらに、交渉をより優位に進められるよう、戦闘御法度の応接室を模した異空間を作り出す能力を持つ。
また、魅惑のロングヘアーは自分の名刺や「契約書」を相手に渡す器用な一面を持つ一方、戦闘では触手のように自在に操って攻撃する(しかしながら、あくまで交渉術に特化した頭脳派型の妖怪で、直接の戦闘は苦手のような描写がある)。

謎の『天空のオトモ忍』を探すシノビマル(アカ)とドラゴマル(アオ)を遠くから監視していた正影の思い付きで、オトモ忍を自分達の軍団に「鞍替え」させる作戦を達成させようと暗躍する。
ラストニンジャの弟子になる権利を求めてアカたちに決闘を臨もうとしていたスターが、自分(妖怪)の反応をスターバーガーでキャッチしてロデオマルと別行動を取り始めると、ロデオマルを尾行し、彼(?)に事情を説明して巧みな話術で丸め込んで「契約書」に拇印を押させることに成功する(この事から、オトモ忍にも指紋があることが判明)。

妖怪の出現反応が出た街に召喚されたガシャドクロ(しかも眉毛付き)にシュリケンジンが応戦していると、スターの前にロデオマルと供に姿を現し、「ロデオマルさんの交渉代理人」と称して彼にも「契約」を迫る。
しかし、洗脳されたロデオマルの相手をアカ(シノビマル)、ガシャドクロの相手を残ったキとシロ(シノビマル不在のシュリケンジンパオーン)に任せた八雲と霞に契約交渉を妨げられたことで、「話し合い」を進めようと3人と一緒に自分の応接室へと転移する。

シュリケンジン内部のキとシロが「分身の術」で5人分の仕事を賄い、シュリケンジンUFOに変更合体するなど応戦していたが、応接室の窓から相棒の惨めな様を直視して焦っていたキンジに拇印を押させることに成功、更に新たな3枚目の「契約者」を取り出し、霞たちも術に掛けようとする。

一方で、ガシャドクロはシュリケンジンUFOの「UFOビッグバン」で撃破(分身した方が負担が増えて逆効果とのこと)したものの、バイソンライフルを手にしたロデオマルの乱射でシュリケンジンが強制分離し、街にも大きな被害をもたらす。
さらに追い打ちに九衛門によって2体目のガシャドクロが出現し、シロたちが操るダンプマル、ワンマル、パオンマル、UFOマルと激戦を極め、ロデオマルもライフルを蹴り飛ばしたシノビマルとのタイマンに突入する。

そのような軍団側優勢の状態だったが、突如自分の「交渉術」を前に掌を返して敗北宣言する霞の賛辞 (曰く、手裏剣忍法「よいしょっしょの術」) に謙遜しながらもおだてられ、彼女との会話から優秀な人材に見えて実は上司(=正影)に冷遇どころか脅迫されてるパワハラに悩んでることを吐露。
それに同情した振りをする霞からの「上司に直談判すべき」という提案を、当初は「そんな事、口が2つあってもご家老様には言えない」と拒否していたが、彼女の「妖怪として、女として、自由な大空に飛び立つべき」という説得に感激。
その言葉を鵜呑みにして正影からの命令を放棄し、自ら2枚の契約者を破ってキンジとロデオマルを正気に戻してしまう。
我に返るも時既に遅く、変身したモモのひと突きで現実世界へ強制的に戻され、操られて見せ場の無かった名誉挽回としてバイソンキングに搭乗するスターがガシャドクロの相手を引き受けてる間、自身を騙したモモに憤慨し、5人揃ったニンニンジャーと対峙する。

しかし、いざ戦闘になるとたった1人で特攻してきたモモの「めらめらじゃー」による「火炎暴れ斬り」で一方的に滅多斬りにされ、最期は「霞姉に逆らって敵に回したくない」と畏怖するアオを初めとする5人全員のガマガマ銃の「忍者一撃」の一斉放火を受け爆散した(その際に「ワタシ、失敗しましたので」と言い残している)。

なお、上記のように戦闘力が皆無なことや、巨大化担当の九衛門が別の暗躍を始めたことから、巨大化することは無かった。

【余談】

明確な誕生描写はないが、妖怪ヤマワラワ妖怪ヤマビコと同様に晦が直接生み出したと思われる。

サブタイトルにも使われている彼女の決め台詞「ワタシ失敗しないので」は、テレ朝系列のとある医療ドラマに登場する女性主人公が使用していたもののパロディ。

なお、本来の任務は「オトモ忍(のみ)を軍団に寝返らせる事」であり、誕生直後に正影から指示を受けた際に、「どうせなら、忍びの者の方を操った方が効率がいい」と意見した途端に一蹴され、その進言も却下された(皮肉にも、この時に生まれた幹部への恐怖心が敗因へと繋がってしまっている)。
つまり、後半のキンジを洗脳したり、さらに八雲たちも毒牙に掛けようとしたのは明らかな命令違反であるが、そのような行動を取ったのも、敢えてそれを達成させる実績を見せることで幹部に自身の存在を認めてもらおうとする、彼女なりの忠誠心だったのかもしれない(また、そのような独断行動に対して正影当人は放置していたが、これもまた彼の『遊び』だったのだろうか?)。

声を演じる沢城氏はスーパー戦隊シリーズでの出演は今作が初となる。
後に8年後、王様戦隊キングオージャーにてヒルビル・リッチ役としてレギュラー出演することとなった。

最終更新:2023年09月10日 21:33