ジニス

「私の、私だけの秘密を…見てしまったのかァ!?」

【名前】 ジニス
【読み方】 じにす
【声】 井上和彦
【登場作品】 動物戦隊ジュウオウジャー
【初登場話】 第1話「どきどき動物ランド」
【所属】 デスガリアン
【分類】 首領/オーナー
【対応機種】 サジタリアーク
【ジャンル】 イエローダイヤモンド
【器物モチーフ】 不明
【名前の由来】 天頂(英:zenith)

【詳細】

デスガリアンのオーナーとして君臨するブラッドゲームの支配人。

全ての生物を見下ろす巨大なトールボディを持ち、圧倒的なパワーと恐るべきスピードを兼ね備え、無敵の戦闘力を発揮する。
この身体はサジタリアークからのエネルギー供給を受けてこそ維持できるものであり、「船から離れる途端に弱体化する」という弱点を抱えていた。

生きとし生きる物を遊び感覚で甚振る事を好み、チームリーダープレイヤー達を率いて、これまで数々の惑星でブラッドゲームで楽しみながら滅ぼしてきた。
既に99個の惑星を壊滅させ、生命の豊かそうな地球を記念すべき100個目の遊び場として地球に目を向ける。

下半身が台座にしか見えず他の幹部たちを遥かに超える巨体を持つが、凄まじいスピードで移動し、電撃を放って攻撃するなどオーナーとして君臨するにふさわしい力の持ち主。
自らの細胞からエネルギーを抽出し、コインに注入する事で「コンティニューメダル」を作り出す能力を有する。
このエネルギーは直接相手に注ぎ込むことで直に巨大化が可能。
またギフトを開発したり、キューブホエールとの戦闘データを利用した自身の強化策を用意するなど優れた技術者としての面も見せる。

その巨体故か普段はサジタリアーク内部でブラッドゲームを眺めながら酒類を飲んでいる。
作中では徹底してブラッドゲームの傍観者になっていて自分から動くことはほとんどない。
アザルドクバルと言ったチームリーダーとその配下のプレイヤー達にゲームの内容を任せっきりにしていて、その内容を見てただ愉しんでいるだけである。
コンティニューも、実行を秘書のナリアに任せるほど。

第16話でザワールドを作り出した時、第41話でクバルの策略によりサジタリアークから地球に降り立った時以外に自分から動く事はない。
しかし、定位置に四六時中ずっといる訳ではなく、サジタリアークの中から動かないだけで船内に休憩するスペースは存在するらしい。

アザルド以外の幹部からは「ジニス様」、アザルドからは「オーナー」と呼ばれている。

自分以外の存在は徹底的に駒と見做しているが、プレイヤーには比較的温厚な態度を取り、「作戦(ゲーム内容)が失敗した部下を制裁する」という非道な真似はしない。
但し、それは元々期待もしていない為、プレイヤーが何人戦死しようとも「楽しかった」で済ませ、比較的立場の高いチームリーダーが散る時も特に反応は示さなかった。

第46話でチームリーダーが全滅してもナリアが「ドロー」にするか訪ねていた為、これまでもチームリーダーが死亡したところで別の惑星に渡り、その度にチームリーダーとなる者を集めていた事が伺える。

ジュウオウジャーのことも敵という認識ではなく、よりゲームを盛り上げる演出担当程度の認識であり脅威とは思っていない。
そのため最初は特に興味を示していなかったのだが、第10話にて何体ものプレイヤーを撃退してきたジュウオウジャーに(ようやく)興味を抱き、彼らを対象とした「特別ゲーム」を自ら企画する。

地球に赴いたナリアの進行で巨大なホログラムで出現し、ジュウオウジャーと初めて対峙。
生物を消滅させる特殊なドームで街全体を包み込み、「ドームが縮小して中の人間が完全に消える前に解除スイッチを探し当ててストップさせる」という残虐ゲームを彼らに強要した。

ジュウオウジャーがスイッチを発見してクリアするが、実はその正体は自ら発明した殺戮マシーン「ギフト」であり、
そのロボットの力でジュウオウジャーを追い詰めるも、第11話で復活したジュウオウジャーが新たに得たワイルドジュウオウキングにギフトが敗北する。
だがそのことに動揺するどころか、ジュウオウジャーの潜在能力に更に興味を持いた。

第5話で人間である大和がジュウオウゴリラへの変身能力を得て、彼のイーグルからゴリラへの変化に興味を抱いていた。
第16話でマントールに拉致された3体のジューマンとそのパワーに適合する門藤操を謎のキューブを媒介に融合させ、最強のエクストラプレイヤー「ザワールド」を自身の操り人形として生み出した。

しかし、第19話で大和の説得によりザワールドの洗脳が解かれ、第20話で操がジューマンザワールドとしてジュウオウジャーの味方になってしまった。
そのことにも対して苛立たず、逆に興味を亡くした模様。

第41話でクバルの反逆を見抜き、彼の用意した策を前に、キューブホエールのデータを取り込んだ事でシン・ジニスへの進化を遂げた。
そして圧倒的な力でクバルが複製したプレイヤー達と、ジュウオウジャーを圧倒。
その恐怖に復讐を投げ出し、逃げ出したクバルを彼が複製したプレイヤーに直接エネルギーを送り込むことで巨大化させさらなる恐怖を刻み込んだ。

第42話で自暴自棄になったクバルが地球を滅ぼすブラッドゲームに強引にエントリーし、命乞いしながらも破壊活動を続ける様子を楽しげに眺める。
彼がジュウオウジャーに敗れるとナリアにチェーンコンティニューを要請し、結局はワイルドトウサイドデカキングにクバルは敗れるもその散り様にただ「楽しかった」と言葉を投げ掛けた。

ジャグド、クバルが死亡しチームリーダーは残す所アザルドただ一人となるも、彼の勝利を認めずクバル以上の面白いブラッドゲームの実行を指示。
彼が自分の正体に気が付き始めるとそれに興味を持ち発見した経緯を語って聞かせる。
だがアザルドはアザルド・レガシーという真の姿に覚醒すると、傲岸不遜な性格となりジニスと対等な立場であり自分を楽しませろと言い放つ。

アザルドと自分が対等、という認識に不快感を示したジニスはナリアに指示をしてジュウオウファイナル・ディープロックを受けようとしたアザルドにメダルを投入。
チェーンコンティニューにより記憶、意志を奪った怪物に変貌させ、それがジュウオウジャーに敗れると記憶を取り戻したことで余計な意志が芽生えたことを惜しみつつ、
地球を去る前に「とっておきのゲーム」を仕掛けることを宣言する。

それはサジタリアークの矢を放ち、地球に自らの細胞を直接注ぎ込み、星が爆散するか耐えきれるかを楽しむというもので、
ナリアや量産したギフトを向かわせ自身はサジタリアーク内部で悠然とゲームの進行を眺めていた。
しかしその余裕ぶった態度にも遂に変化が訪れる。

野性解放しこれまで以上のジュウマンパワーを発揮したジュウオウジャーは、ワイルドトウサイドデカキングで矢とサジタリアークをつなぐケーブルを力任せに引張、
宇宙空間にあったサジタリアークを地上に引きずり下ろすことに成功。
これにはさしものジニスも驚愕することしか出来ず、地上に叩きつけられたサジタリアークは爆散。
その爆炎の中現れたシン・ジニスはジュウオウジャーとの最後の戦いに望む。

地球のパワーを受け、ジュウオウジャー達と同じ力を得ているシン・ジニスは「この星を舐めるなよ」とジュウオウジャーの決め台詞を逆手に取って挑発。
その凄まじい力で彼らを圧倒し、特殊な空間を作り出してジュウオウジャー達を隔離した。

しかし、諦めずに逆転の一手を見つけようとしたイーグルは超視力で「その空間内にあるものを構成する無数のメーバ」を見る。
その事に動揺するイーグルに気が付き、自分の正体を知られた事に激昂し、普段の余裕な態度を崩し、彼らに激しい攻撃を加える。

数々の星を滅ぼし、ブラッドゲームという残忍なゲームを楽しみ、多くの命を奪ってきた彼の正体は実は無数のメーバの集合体だった。
その醜い姿と矮小な下等生物である事へのコンプレックスから最強最上の生物を求め、自ら遺伝子改造手術を繰り返した結果、今の姿になった。

自身以外の誰にも決して知られたくない秘密を知られる事を嫌い、正体を知られると冷静さを失って怒りに燃えるが、
満身創痍ながらも行きていたナリアは、その真実を知ってもなお変わらない忠誠を誓いジュウオウジャーと戦おうと彼に背中を向ける。
だがその行為が「1番の侮辱」である同情であると怒りを見せ、彼女もろともジュウオウジャーを攻撃(自分を庇おうとしたナリアまでも抹殺した光景に大和達は今までのそのように自分を想ってきた相手を踏み躙ってきた事をして激怒していた)。
ジュウオウチェンジャーを破壊し、ジュウオウジャーに最後の戦いを挑む。

しかし、地球のパワーを与えられチェンジャーは復活し、逆に自身は地球のパワーに拒まれた事でパワーアップが解除されてしまう。
地球からのパワーを失っても残された力でジュウオウジャーを一蹴するが、ゴリラとホエールの力を同時に野生大解放したイーグルとの激戦の末、野生(大)開放したジュウオウジャー6人のジュウオウファイナルを受け、体内のメモリーデバイスを破壊された事で元の姿に戻る。

その直後、「ブーストコンティニュー」として自力で巨大化する。
しかし、シン・ジニスとしての姿は保てず、「サジタリアークの船外では弱体化する」という弱点が今になって有効になり、数多くの力を繋げてきたジュウオウジャーとワイルドトウサイドデカキングを相手に全てを踏み躙ってきた自分はまさに無力な存在と化し、最期はジュウオウドデカグランドファイナルフィニッシュを受け滅び去った。

【余談】

名前の由来は「オーナー」→「店長(てんちょう)」→「天頂(てんちょう)」と思われる。

『野性解放』によれば当初から裏設定として「メーバと同一の存在」というデザインオーダーがあり、デザインコンセプトとしては「1匹のメーバが鎧を纏っているイメージを付けつつ、それでいてメーバとかけ離れたようにデザインした」とのこと。

「戦闘員であるメーバの集合体」という衝撃的な正体を持ち、「戦闘員がラスボスの一部」というのは珍しく、メーバメダルがジニスの近くに積まれていた事やメダルに描かれたものがジニスを象ったマークである事などから「判明したのが最終回」とは言え、伏線らしきものは割りと存在していた。

モチーフであるイエローダイヤモンドは有すれば周りが所有者を盛り立てて「王」にしてくれると言われるが、周りから物を得てもそれに頼らず自分へ自信を持つ者でなければ、その力を発揮しない石とも言われる。

デスガリアンの王として君臨した彼は自分に絶対の自信を持ち、クバルのような叛逆の意志を持つ者も力でねじ伏せてきた自分を盛り立てて来たチームリーダー、そして秘書であるナリアを次々に切り捨て、最期にたった一人になりジュウオウジャーに敗れた彼自身はパワーストーンの効力が発揮できる条件を自ら捨てた上の哀れな結末と言える。

「メーバの集合体=メーバの群れ」という解釈から唯我独尊だった彼自身も結局は群れた存在だったという皮肉なものだった。

声を演じる井上氏はスーパー戦隊シリーズでの出演は今作が初となる。

最終更新:2020年05月16日 14:41