ラリー

「いいのか?『王者の資格』を持った者が、この星を嘗められたままで?」

【名前】 ラリー
【読み方】 らりー
【声】 石塚運昇
【登場作品】 動物戦隊ジュウオウジャー
【初登場話】 第4話「リングに吠えろ」
【所属】 味方怪人
【分類】 ジューマン
【モチーフ】 ゴリラ
【特技】 怪力
【名前の由来】 リラ

【詳細】

人間界で密かに暮らしていた自称「人間学者」のゴリラジューマン。
嘗て研究対象の人間のことをもっと知ろうと、フィールドワークがてらリンクキューブを通じてジューランドから人間界へと赴いたが、帰還しようとした矢先にリンクキューブを起動する「王者の資格(恐らく、幼少期の大和を助けた鳥男の仕業と思われる)」が無くなっていることに気付き、そのまま故郷へ帰ることができずに山小屋で自給自足の生活を送りながら隠居していた。

「ミー」、「ユー」など英語を会話に織り交ぜ、心を許した者には「アミーゴ」とラテン系のノリで接する陽気な性格(ただしシリアスにバドと再会した際には「君(きみ)」という二人称を使っていた)。

初登場したのは第4話ラストで、小屋でティーを嗜む彼の姿でエピソードは終了した。

翌話。
大和たちがトライアングラーから森林地帯へと落下したデスガリアンのプレイヤーガブリオの行方を捜索しているときに、偶々近くを歩いていた自身の気配をガブリオと勘違いされて彼らと遭遇(実は当のガブリオ本人はその場から目と鼻の先で上半身が埋まっていたが、誰も気付かなかった)。
タスクらメンバーの内4人がジューマンだと知ると、久しく同族に再会できたと喜び合い、自身の隠れ小屋へ歓迎する。

「王者の資格」の力(人間態への擬態)が自身には使えないことを試したのちに、タスクに問われて上記のジューランドに帰れずに人間界で暮らしていた経緯を話していたが、団欒中に大和だけが人間だと知ると突然錯乱状態に陥って暴走する。

実は嘗て学者として人間と交流を深めようと接触を図ったが、その化け物のような外見から一方的に老若男女に怯えられ、さらに自分のことを怪物と誤解した警官に発砲されて腕を負傷する事態にまで陥っており、そのトラウマから以降人間に対して激しい恐怖を抱いていた。

翌日、やって来たレオたちの手を借りながら薬草採りや水汲みをしていたが、アムの発案でラリーと距離を縮めようとしていた大和がさり気無く作業に紛れており、彼の存在に気付くと反射的に怪力で樹木へ突き飛ばしてしまう。
「やり過ぎだ」とレオに咎められるも、逆に「これ以上人間(大和)と近づけさせようとするならユーたちとも関わらない」と啖呵を切り、激怒しながら去ってしまう。

だが、度が過ぎた自身の暴走に関して罪悪感や後ろめたさがあったのか肩を落として森を歩いてると、自分となかなか親交を深めれないことを野性の小鹿に相談して戯れてた大和と出くわす。
動物が好きな彼の純粋な一面を知り耳を傾けると、「動物好きな自分が動物学者の道を選んだように、人間学者のラリーさんは本当は人間が好きだったはず。大好きなものを嫌いにさせられるのはとても辛いことだ」と同情され、さらに自身は怖がったり危害を加えたりしないという誓いに心が揺らぐ。
直後、ガブリオを救助しに森へやってきたアザルドの強大な気配に尻尾が反応し、既に彼と接触して交戦していたシャークたちの下へ向かう。

そこで戦闘に加わった大和がイーグルに変身したことで「『王者の資格』は人間にもジューマンパワーを譲渡する」という機能を悟りつつ彼らの戦いを見守っていたが、アザルドの圧倒的なパワーにイーグル以外の4人が戦闘不能に陥り、最後の一人になっても挑みつつづけるイーグルもダメージによって変身を解除させられ、さらにその生身の身体でアザルドの大技をまともに喰らって河原へと転落してしまう。
虫の息だった大和の下へ急いで駆けつけると、先刻の大和の純粋な言葉を受け入れて彼を信じ、今さっき知った「王者の資格」のシステムを利用して大和へ自身のジューマンパワーを送り込んで回復させる。

そこに追い打ちをかけようとしたアザルドが襲い掛かってくるが、全快になった大和がラリーから受け取ったジューマンパワーで新たな形態「ジュウオウゴリラ」に変身。
その驚異的な怪力で形勢が逆転し、アザルドを圧倒するゴリラを応援していたが、不意に意気消沈し、彼らの戦闘の陰でこっそりと去っていく。

翌話、アザルドを退けた大和たちも漸くラリーが消えてることに気付くが、彼の小屋も片付けられ、完全に行方を晦ましていた。

その後、街を食い荒らすガブリオによって倒壊したビルの瓦礫の中から人間の少女を庇うように現れるが、以前の面影は消えて毛髪が白く変わり果ていた。

アトリエ・モリまで連れられると変化した自身の外見を「白髪染めが取れた」と誤魔化すが、タスクの洞察で実はジューマンパワーとして自らの生命力を大和に与えたことで急激に老化してしまったことが判明する。
事実を知った大和はショックを受けてすぐさまジューマンパワーを返そうと試みるが「王者の資格」は反応せず、遠慮する自分とは対照的に彼を絶望させてしまう。

その晩、大和がいない内にタスクたちから彼と鳥男の関係や事情(自身と同様に大和が鳥男からも生命力を奪っていた可能性があること)を聞くと、翌日公園のベンチで一人悩んでいた大和に近づく。
やはり大和は知らず知らずのうちに二人のジューマンの命を削ってしまったことに罪悪感を覚えて愕然としていたが、自身が与えたジューマンパワーを「プレゼント」と称し、さらに最初に「プレゼント」を貰ったのは「もう一度人間と向き合う希望や勇気」を大和から貰った自分の方だと諭す。
そして、葛藤が消えた大和を激励するとともにガブリオの出現(実はジューマンのセラたちもデスガリアンの出現に気付いて既に戦闘に入っていたが、心に傷を負った大和に気を遣ったアムの提案で敢えて知らせてなかった)を知らせて彼を戦場へ促し、戦意を取り戻して戦線復帰した大和とその仲間たちの戦いを見守った。

その後、再び人間たちと交流する決心を固めると、大和と再び会った時に人間世界を見てきた感想を聞かせること、ひいては自分の路線で「王者の資格」の手がかりを探ることを約束し、彼らに見送られながら何処かへと旅立った。

なお、セラたちから過去に大和を救ったという鳥男の存在について訊かれた時は「数多のジューマンがいて自分には見当もつかない」と話していたが、実はその鳥男ことバドとは面識があり、26話で何処かの森に埋もれていたキューブヒョウを目覚めさせているバドと再会。「大和の言う鳥男はやはり君だったのか」と最初から確信していた素振りを見せる一方、バドからも「ラリーさん、お久しぶりです」と謙った挨拶を返されてることから、彼からも一目置かれている存在のようである。

【余談】

九作前の戦隊作品にもゴリラをモチーフにした味方怪人が、また五作前の作品で霊長類(猿)をモチーフにし、「〇リー」という名前の怪人が登場する。

最終更新:2016年08月27日 13:02