アナザービルド

「ベストマァ~ッチ…」

【名前】 アナザービルド
【読み方】 あなざーびるど
【声/俳優】 森大成
【登場作品】 仮面ライダージオウ
【登場話】 EP01「キングダム2068」
EP02「ベストマッチ2017」
EP25「アナザージオウ2019」
EP28「オレたちのゴール2019」
EP42「2019:ミッシング・ワールド」
EP43「2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル」
【分類】 アナザーライダー
【特色/力】 能力吸収と、その能力に応じた特殊攻撃
【モチーフ】 仮面ライダービルド、バスケット選手?、鬼?

【詳細】

タイムジャッカーの一人、ウールが「アナザービルドウォッチ」をバスケット選手に埋め込むことで誕生した「仮面ライダービルド」の力を持つアナザーライダー

アナザーライダーとはその時代に活躍した仮面ライダーに変わり、タイムジャッカーが勝手に作り出した仮面ライダー。
このアナザービルドは仮面ライダービルドを生物的に歪めたような造形をしており、ベースはビルドの基本形態であるラビットタンクフォームを模しているが、
洗練されたラビットタンクフォームに薬品をぶっかけて外皮を溶かしたかのような有機的な姿をしている。

大まかな見た目はラビットタンクフォームのように赤と青のラインが交互に巻き付いたデザインをしているが、指先には鋭い爪、
兎と戦車を象ったツインアイは、透けて見える歯車型の瞳を防護するためのシャッターのような機能を持つらしく、
威嚇するとき等には瞬きをするかのように開閉する。

さらに瞳に加えその顔にはクラッシャー…どころか悪魔のような人外じみた鋭い歯を持つ口、削ぎ落とされているが鼻さえ確認できる。
パーツそのものはほぼビルドであるため、遠くから見ればシルエットはオリジナルとさほど変わっていない。
がいざ近くまで寄ればその違いは一目瞭然であろう。
弾痕さえ認められるその肉体が生み出すものは、決して「愛と平和」なんてものではなく「破壊と暴力」のそれである。

ファウストが使っていたような歪んだ形状のフルボトルらしき物体を持ち歩いており、スポーツ選手を分解してボトルの成分として取り込み、
その成分同士を組み合わせた「ベストマッチ」を見つけ出すことで戦闘力を強化するというビルドと同様の力を持つ。
作中では「空手選手」と「テニス選手」をボトルに吸収したが、「ベストマッチじゃない」と呟いており、本家ではビルドドライバーが判別していたベストマッチを、自分で判別出来るようだ。
また素体がバスケット選手であるためか、バスケットボール型の火球を生み出し、投げつけて攻撃できる。

また右脚に内蔵された無限軌道を高速回転させることで相手の装甲を削り取るキックや、
左脚に仕込まれたスプリングの力で機動力を強化し一瞬で相手との距離を詰めるなど、ラビットタンクフォームが持つ能力は一通り所持している。

次々にフルボトルに吸収するためスポーツ選手を襲っていた最中、常磐ソウゴと遭遇。
ツクヨミがファイズフォンXと体術で応戦する中、ウォズからジクウドライバーを与えられたソウゴがジオウに変身すると、
その力に押されていき、ジカンギレードで発動したギリギリスラッシュに生み出した火球ごと切り裂かれ撃破される。

そして元のバスケット選手の姿に戻ったが、ウールが再びアナザーウォッチを埋め込んだことで再出現。
スポーツ選手を次々にボトルに取り込み成分を確保しつつ、2018年にてさらなる被害者を増やそうとしていたところを仮面ライダーゲイツと交戦する。

一年間ずっとアナザービルドとして活動していたためか戦闘力が初めて出現した時に比べ上がっており、
ゲイツと五角以上の戦いを繰り広げる。
バスケットボール型の火球でゲイツにとどめを刺そうとしたが乱入してきたジオウがそれを防御。
さらにジオウのタイムブレークで撃破されるが、直後に再び出現する。

何度倒しても蘇る、再び現れるという特異性とウォズから聞いた話である合点がいったソウゴはタイムマジーンで2017年に移動。
そこでは人々を襲っていたアナザービルドに対し、スマッシュと勘違いして駆けつけたビルド、クローズが戦っており、
「弓道」×「水泳選手」の成分がベストマッチしたことで平面を自在に泳ぎ回りエネルギーアローを連射するアナザービルドに両ライダーが苦戦していた。

そして過去改変が進み本来のビルド達の力が薄れてしまう中、タイムマジーンで移動してきたソウゴとゲイツが参戦。
ジオウがビルドの力を受け継いだことで手に入れたビルドアーマーの力により形勢が逆転し、ジオウのボルテックタイムブレークとゲイツのギワギワシューティングを同時に受け撃破される。
アナザーウォッチも砕け散り、素体にされていたバスケット選手は本来選手生命を失うはずだった事故に合わず無傷、という形で少しだけ良い方向に歴史が改変された。

だが、仮面ライダービルドの力がソウゴに受け継がれたことでビルドとクローズの二人は力と記憶を失い、
桐生戦兎は佐藤太郎の顔で本来の葛城巧の人格を有した状態になり、万丈龍我もまた彼を「巧」と呼ぶという、よくわからない歴史に書き換えられてしまった。

その後EP25にて加古川飛流がかつて変身者だったバスケット選手をアナザーオーズに変身して襲撃し力を奪い変身。
アナザーエグゼイドだった飯田を襲って力を奪い、救急車で運ばれる場面に居合わせたソウゴを狙って出現する。
ビルドアーマーを装着したジオウのボルテックタイムブレークで撃破される…と思いきやウォッチを切り替えアナザーエグゼイドとして復活。
その得体のしれ無さから撤退を選んだ黒ウォズと共にジオウが姿を消したため変身を解除し、「またな常磐ソウゴ」と呟いていた。

EP28では他のアナザーライダー同様一般人にウォッチを埋め込んで作り出したと思われる個体が登場。
飛流が生み出した他のアナザーライダー達と共に、ゲイツとの「約束の場所」に向かおうとするソウゴへと襲いかかるが、ジオウⅡの覇王斬りによってアナザーエグゼイドと共に切り裂かれ消滅した。
駐車場まで追いかけてきた際には復活していなかったため、再度生み出す時間は無かった模様。

EP42ではアナザージオウⅡが作り出した個体が登場。
背中の年号が「2019」へと変化したバージョン(これはアナザージオウⅡが作ったすべての個体共通)となっており、アナザーカブトと共にツクヨミ捕縛に動いていた。
EP43でも登場し、他のアナザーライダー達と共に、ジオウ、ゲイツ、ウォズ、ディケイドの4ライダーを迎え撃つ。
ゲイツリバイブ疾風とウォズギンガファイナリーを相手に、アナザーエグゼイドアナザーフォーゼ等と戦うが、
ウォズギンガファイナリーの超ギンガエクスプロージョンでまとめて撃破された。

【余談】

モチーフは前作で活躍した仮面ライダービルド ラビットタンクフォーム。
『セレブレート ジジオウ コンプレーション』によると、記念すべきアナザーライダー第一号であり、とくに方向性が定まっていなかったのでそのままオリジナルのラビットタンクを有機的な生物化し、ベルトもビルドドライバーをそのままドロッと溶解させたようなデザインにされている。一方で、「アーマータイムで顔面にカタカナやひらがなが入るジオウたちとは対極にアルファベットの年号とライダー名」、「気味の悪い瞳孔や口元が露呈している」というコンセプトはほぼ全てのアナザーライダーに共通している。

左足のスプリングや、胸部左上のパーツ等ラビットタンクフォームの造形を意識しているが、
その姿は鬼にも見える生物的なものであり、科学力の結集であったビルドとは真逆のデザインとなっている。
なお設定体重はラビットタンクフォームと全く同一。
また「ラブ&ピース」を掲げ、愛と平和のために戦い続けたビルドであるが、このアナザービルドには無数の弾痕にも見える穴がデザインされ「兵器として戦う仮面ライダー」を意識させる。
のちに登場したアナザーエグゼイドも原典とは真逆の人間を未知のウイルスに感染させるバグスターのような能力を持っており、それぞれの作品で掲げたメインテーマを否定するデザインが組み込まれているのではないか?と考察する声もある。

フルボトルに成分を吸収、それによって変身したり能力を発動するのは本家と同様だが、このアナザービルドが持つフルボトルは人間を吸収することで成分として精製するのが大きな違い。
ビルド本編ではスマッシュにされた人間を助けるために使われたが、ネビュラガスの成分を抜くだけで人間まで吸収したりはしなかった。
これは敵組織であるファウストの者たちも同様。

ただエボルトが自分と一体化した人間の体からエボルボトルを作り出した事があり、その要素も入っているのかもしれない。

ちなみに第1話で吸収した「バスケットボール」と「テニスボール」のフルボトルは60本のフルボトルのエレメントには存在しないボトルである。
EP02で披露した「弓道」×「水泳選手」のベストマッチは、水に関係し武器が弓矢ということもあり、海賊レッシャーフォームを意識したものではないかと言われている。

なお、現時点で唯一変身者の自我があまり表に出ていないアナザーライダーとなっている。
幽鬼のようにただスポーツ選手を襲ってはベストマッチを判別しながら過ごしてきたと考えると、アナザーライダーの異質さがよく分かる。
ただ他のアナザーライダー達は、仮面ライダーの力を使って何かを成し遂げたいという欲望を持っており、
元となった男性はウールが事故から助けた時点で既に仮面ライダーになってまでやりたいことが無くなっていたため、
劇中のようなただひたすらに成分を集める装置のような状態に成り果てたのだと考えることも出来るだろう。

また変身者であったバスケット選手はEP25で再登場しているものの、そこでもバスケット選手としてクレジットされており変身者が明らかになっていないアナザーアギト(ジオウ)アナザーWを除くと、
その本名が唯一明らかになっていない人物となっている。
これに関しては、ビルド本編にて葛城巧の死を偽装するために必要な他人をアルバイトとして適当に集めており、
葛城巧として死ぬのは誰でも良かったことが反映されているのではないかとされている。
まさに名もなき一般市民、といったところか

最終更新:2023年03月17日 11:26