ウール

「私達、ってなんだ……!?」

【名前】 ウール
【読み方】 うーる
【演者】 板垣李光人
【登場作品】 仮面ライダージオウ
【初登場話】 EP01「キングダム2068」
【所属】 タイムジャッカー
【分類】 未来人
【生み出したアナザーライダー】 アナザービルド
アナザーウィザード
アナザーゴースト
アナザーシノビ
アナザーリュウガ
アナザーキカイ(本人)
アナザー響鬼
アナザーカブト

【詳細】

オーマジオウに代わる新たな”魔王”擁立のため過去の世界で暗躍するタイムジャッカーの一人。

外見はタイムジャッカー3人の中では一番若く、言動も無邪気な少年そのもの。
だが実際は死ぬ寸前の人間に選択肢のない契約を持ちかけ呑ませるという、極めて悪質な取引を持ちかける悪辣な性格。
彼が生み出したアナザーライダーは「自分の大切なものが奪われる運命に抗う者」である場合が多い。
アナザービルドの変身者は自分の選手生命、アナザーウィザードは自分が好意を寄せる木ノ下香織(が経営するマジックハウス)、アナザーゴーストは鉄柱の落下事故に巻き込まれるはずだった妹となっている。

アナザーライダーの行動を近くで観察している場面が多く、彼が生み出すアナザーライダーは特殊性が強い個体が多い(既に死者であるアナザーゴースト、鏡像の城戸真司が変身したアナザーリュウガ等)。

タイムジャッカーのグループ内ではリーダー格であるスウォルツ、自分より年上であると見えるオーラに対しても同格であるのかのように振る舞っているものの、
やはり立ち位置としては一番下にある様子。
ウール自身も子供扱いされたり干渉を受けるなど自分の邪魔をされるのを嫌うようだが、ソウゴに言い負かされたときはあっさりと引き下がったりと物事にあまり執着しないと見える。

アナザービルドを皮切りとしてアナザーウィザードアナザーゴーストアナザーシノビアナザーリュウガと次々にアナザーライダーを作り出していくが、
EP23では突然現われたアナザーキカイに目をつけたスウォルツの手によって自らがアナザーキカイへと変貌してしまう。
アナザーキカイ本体に寄生されたことで意識を乗っ取られてしまい、そんな様子のウールをオーラは「助けたい」として白ウォズを含めた仮面ライダー達との共同戦線を張るも実際は協力するつもりはさらさらなく、
生み出したアナザーキカイウォッチを埋め込まれたことで「傀儡の王」として改めて仕立て上げられてしまう。
だが本当のパスワードを打ち込まれたことでキカイミライドウォッチの生成が可能になり、仮面ライダーウォズ フューチャーリングキカイの爆裂DEランスを受け撃破される。

さらにEP27にてスウォルツがアナザージオウを作り出したことで思うところがあったようで、アナザージオウの変身者である加古川飛龍に積極的に関わりつつ、黒ウォズと結託し白ウォズから変身能力を奪うことに成功。
それによって一人でいるときに彼から報復を受けるが、今まで信じていた事実が異なったものである可能性に気づいた様子ではあるが、白ウォズから「所詮君はスウォルツ氏の使い走りと言うことか」と言われた上、
自分以外の何者か達による謎の計画の存在を聞き愕然とする。

その後は何を思っているのかは不明ながら、少なくとも以前と同じ立ち位置として振る舞うようにしたらしく、
ジオウらのライドウォッチ集めを邪魔するべく、2019年の現代においてアナザー響鬼を作り出した。

またEP37にて矢車想をアナザーカブトにしたのは冒頭の様子からウールである可能性が高い。
だが矢車がワームの擬態した影山に手を貸したため、彼らが奪ったライドウォッチを奪還している。
だがそれをスウォルツにもぎ取られるように奪われてしまい、特に奪還行為に対して何かを言われるわけではなかった。

EP41ではスウォルツが再び加古川飛流にアナザージオウⅡウォッチを与えアナザージオウⅡを作り出し、
オーラ共々そのサポートに回っていた。
歴史改変の影響でソウゴに向けて本気の殺意を漲らせるゲイツリバイブの攻撃から彼を庇うように時間を止めて助け舟を出し、EP42にてアナザーカブトアナザービルドが追い詰めていたツクヨミのファイズフォンXを奪ってこめかみに突きつけ、
スウォルツの元まで連れて行く。

そしてそこでスウォルツの抱く野望を知り、騙されていたことを確信。
ウールと共にその場から逃げ出して古い建物に潜伏するも、飛流の放ったアナザーファイズアナザーWに海東の余計な行動によって居場所を知られ追い詰められてしまう。
だがそこにジオウとゲイツが駆けつけアナザーライダーを撃破したことで難を逃れることができた。

一時は難を逃れたものの続けて追手としてアナザードライブがEP44にて登場。
時間停止能力を使うも、重加速でそれを打ち消してくるアナザードライブに追い詰められるも、ジオウ達に撃破されたアナザードライブの変身者はオーラの姿をしていた。
そのことからオーラが裏切ったのではないかと恐れるが、逃げた先で現れたオーラがアナザードライブに変身。
重加速で動きが取れない中甚振られるが、そこへ二人目のオーラが現れる。

実はアナザードライブに変身しているのは人間に擬態する機械生命体パラドックスロイミュード
正体を表したパラドックスロイミュードは、アナザードライブの力でウォズギンガファイナリーとゲイツリバイブ疾風と戦闘を繰り広げる。

そして痛めつけられ息も絶え絶えのウールに近づいたオーラは、「大丈夫?」と心配するような姿勢を見せたが、次の瞬間…

「じゃあ、楽にしてあげる」


スウォルツに力を奪われてしまっていたオーラは生き残るための方法を冷徹に選択していた。
すなわち…「ウール」の排除。
彼女の光剣に腹部を貫かれたウールは、「生きたい…」と小さくつぶやくとソウゴの腕の中で息を引き取った。

確かにウールはタイムジャッカーとして、ゲイツの言う通り多くの罪なき人間をアナザーライダーに仕立て上げてきた。
その所業は決して許されることではないだろう。
だからといって、自分を一度は裏切ったオーラを助け共に逃げ出し、心配するような様子さえ見せていたウールは、その仲間に殺されるほど罪深かったのだろうか。

――――アナザーディケイド、スウォルツが倒されオーマジオウとなったソウゴが作り直した、やり直すための新しい世界。
そこにはソウゴ、ゲイツ、ツクヨミらと同じ学園に通う高校生として生まれ変わったウールの姿があった。
その隣には、彼と同じく作り直された世界で生まれ変わったオーラもいる。

ウールだった少年は、王様になると言うソウゴを見て呟く。
「いつも王様になるなる言ってて馬鹿みたいだけど、いつか本当になれる気がする」、と。

【余談】

名前の由来はフランス語で「時間」を意味する「Heure」から。

タイムジャッカーの中では二度も同じ人間に裏切られた挙げ句殺されてしまったウール。
基本的に退場した役者は公式サイトでオールアップ宣言と共になにか情報が掲載されるのだが、ウールはまだオールアップ宣言は行われていない。

始まりは騙されていたかもしれないが、アナザービルドを始め多くのアナザーライダーを生み出す時彼は楽しげに笑っていた。
人の人生を歪め、強制的に王へと仕立て上げるその行いを、たしかにオーマジオウに代わる存在を作るというお題目の元使命感を持っていたのかもしれないが、アナザーゴーストやアナザービルドに関して言えば死ぬか怪物になるかのどうしようもない二択を突きつけ半ば無理矢理アナザーライダーに変えてしまったことを特に何とも思っていないようにも見える。
そんなオーラが、仲間に裏切られた挙げ句、本来は倒すべき敵であったジオウに看取られて逝くというのは因果応報であろうが、
それでも看取ったソウゴがその死を悲しみ、初めて敵に向けて明確な怒りを見せたことで少しでも浮かばれると思いたい。

なお演じている板垣李光人氏は雑誌インタビューにて、「いつかタイムジャッカー3人で力を合わせてみたい」と発言していたが、その思いとは裏腹に仲間全てから裏切られるという哀れな結末になってしまった。

最終更新:2020年01月11日 03:58