ワイズルー

「最高オブ最高!」

【名前】 ワイズルー
【読み方】 わいずるー
【声】 緑川光
【登場作品】 騎士竜戦隊リュウソウジャー
【登場話】 第7話「ケペウス星の王女」~第14話「黄金の騎士」
第17話「囚われの猛者」~第20話「志向の芸術家」
第22話「死者の生命!?」~第27話「天下無双の拳」
第30話「打倒!高スペック」
第31話「空からのメロディ」
第33話「新たなる刺客」~第37話「誕生!最恐タッグ」
第39話「奪われた聖夜」~第42話「決戦のステージ」
第46話「気高き騎士竜達」~最終話「地球の意志」
【所属】 ドルイドン
【分類】 ビショップ級幹部
【属性】 ドルイドン族
【武装】 ステッキラー
【分布】 孤高のステージ
【経験値】 142
【チェスピースモチーフ】 ビショップ
【その他モチーフ】 マジシャン
【名前の由来】 ワイズ(英:Wise)+ズルい、ずる賢い?
【経験値の由来】 ビショップ

【詳細】

タンクジョウが戦死した直後に現れたビショップ級ドルイドン幹部。

孤高、至高、怒涛のグレイテストエンターティナー」を自称する、頭部にシルクハットを象った兜を装着したマジシャンを思わせる風貌をしている。
持ち手を変えることで銃になる杖で武装しており、ツヨソウルを竜装したリュウソウレッドを一方的に叩きのめす強さを持つ。

力押しを好んだタンクジョウとは対象的に搦め手、計略、策略を常に巡らせる頭脳派。
「最高オブ最高!」が口癖の自身家でもあり、自分が目立つための派手な作戦を考案しては実行している。
逆に作戦途中でも自分が目立たなくなったりするとお冠になり、口を滑らせやすくなる等、あまり前線に立たないほうが良いタイプではあるが、彼の趣向が趣向なのでそれはありえないだろう。

地球人を見下しているのはドルイドンの共通認識のようで、命をなんとも思っていなかったタンクジョウに対し、
ワイズルーは一応の価値を見出しているようだが、それはあくまで自分のために動いてなんぼのコマとしての価値であり、やはり一般市民の命を軽んじている。
むしろ作戦に多くの子供を巻き込んだり、人質をとった上で作戦に組み込むなど、他の人間を利用するのをなんとも思っていない分、タンクジョウなどよりもたちが悪い。
隕石から逃れている間は様々な宇宙人を捉えて奴隷にしていた模様。
しかし駒として動かして得る利益を優先しているため、気軽に命を奪うような真似はしない(命の危険に晒すような作戦は度々考えているが)。

理詰めで考える性格ゆえか、何事も頭ごなしに否定するガチレウスとは相性が悪く、彼が参戦してきたため自身は一時地球侵略から外れることになった。

ガイソーグとは協力関係にあるらしく、ディメボルケーノの封印をガイソーグに解除してもらい手駒に加えようと考えたが失敗している。
それでも諦めきれていないようで、モサレックスを5円玉を用いた古典的な催眠で支配下に置こうとしたり、カナロの妹のオトと共にいたピーたんことプテラードンを見つけた際には捕獲しようと動いていた。
だがモサレックスは催眠にかかったふりをしていただけで結局支配下におけておらず、プテラードンは封印がかけられた状態で騎士竜としての力を発揮できない状態だったが、悔し紛れにワイズルーが発砲しオトが危機に陥ったためその封印が解け本来の姿を取り戻すことに成功するなど、
騎士竜関連では彼の行動がことごとく裏目に出ているので、もう諦めたほうが良いんじゃないかな。

EP33では同じビショップ級幹部であるウデンが登場。
寡黙で必要以上に喋らないためかガチレウス同様にあまり仲はよろしくないようだ。
ただ直接相対はせず、ウデンがリュウソウジャー達を始末していく様子を遠くから眺めるにとどまっており、彼が地球にやってきたことで「プリシャス」の到来を予見する。

そしてEP34にて地球に現れたナイト級幹部、プリシャスが侵略自体を仕切り始めるのに反発するも彼に心臓を握られてしまったため大人しく引き下がる。
同じく心臓を握られたガチレウスは取り返すチャンスを狙ってプリシャスの部下のように振る舞うも、ワイズルーはそれを良しとせず、逆のそのスリルを楽しむためあえてプリシャスの側に寄らずに過ごすことに。
なおその趣向はクレオンにも見抜かれており、彼らの間の理解度が深まっていたことを思わせる。

が、すぐに心臓がないことで物理的に鼓動を感じられなくなったワイズルーはやはり心臓の奪還作戦を考案。
超スピードで移動できるシルフマイナソーを利用してカードをプリシャスから奪い取るも、予め手元のカードは偽物にすり替えられていたため作戦は失敗してしまう。
心臓を返してほしければリュウソウジャーを倒せ、とプリシャスから命令されるも…

第37話ではあとがなくなってきたガチレウスからまさかの共同作戦を提案される。
「プリシャスの高飛車な鼻をへし折ってやりたい!」というガチレウスに対し、「何処にあるんだ…?やっぱあの辺りだよね…?」とずれたことを考えつつも了承。
ノームマイナソーを使ったリュウソウル封じ、そしてティラミーゴに対し仲良くしていた谷口一郎とその母親を人質に取るも、うっかりマイナソーの存在をバラしてしまったことで作戦が失敗してしまう。

その後ガチレウスが戦死するとプリシャスからも用済みの認定を受けてしまい、クレオン共々命を狙われることになってしまう。
しかしリュウソウカリバーの強奪に際してリュウソウジャーに助けたれたクレオンから、彼らに協力を求めることを提案された。

だがワイズルーはクレオンの提案をそのままのむことはせず、あくまで自力でのリュウソウジャー撃破と心臓奪還を考える。
ファントムマイナソーの能力を利用し、彼らを劇台本どおりの筋書きで動かして倒さんとするも、ファントムマイナソーの能力が適用されていない舞台袖の人間は自由に動けることが災いし、マイナソーの位置を知られてしまったため、強制的に終幕をひこうとクレオンに指示を出して台本を一気に進めさせたのだが、勢い余ってクレオンが重要な部分(オペラ座の怪人における毒殺シーン)の一部まで破ってしまったため、事前に毒を無害…ではないが死なない激辛ドリンクにすり替えられていたこともあって作戦は失敗。

ファントムマイナソーが巨大化し、リュウソウジャー達が対処しようとする中、作戦失敗のワイズルーはコウとの一騎打ちを望み、彼と決戦のステージで相対する。
頭脳派として作戦立案が基本とは言え、素の実力も侮れないワイズルーはリュウソウレッドであるコウと互角以上の勝負を展開。
クレオンやドルン兵のサポートを利用したワイヤーアクションからの銃撃などで優位に立つも、マックスリュウソウチェンジャーを起動したことで形勢は逆転。
マックスリュウソウレッドに追い込まれ、息も絶え絶えとなったワイズルーは、「これで終わりだ」と告げるコウの必殺技と自身のスティッキラーで激突した。

気がつくとワイズルーは観客達の割れんばかりの拍手に迎えられていた。
足元には倒れるマックスリュウソウレッドの姿があり、自分は勝ったのだと喜んだのもつかの間、それはワイズルーが見た幻影で、実際は攻撃の打ち合いに競り負け自分が倒れ伏していたのだった。

雨が降り注ぐステージの中で立ち尽くすコウ。
倒れたワイズルーに駆け寄ったクレオンの懇願に応じたコウは、勝負はついたとして彼らを見逃すことにし、その場から立ち去る。

そして夕闇が覆い始める時間、ワイズルーは目を覚ました。
「一番のエンターティナーはあいつだったみたいだな」と呟くワイズルーに対し、クレオンは一生懸命彼を励ます。
「一番のエンターティナーはワイズルー様です!」と。

しかし自分という存在の幕引きが近いことを悟ったワイズルーは立ち上がり、「終幕!」の声とともにその姿を消す。
そしてその場にはワイズルーの名を叫ぶ、クレオンの悲痛な声が木霊するのだった…

しかしクレオンは見つけた。
死んだはずのワイズルーの心臓が封印されたカードを。
ワイズルーが本当に死んだのならば、ガチレウスのようにカードは溶けて消滅するはず。
それがそのまま残っているということは……

【余談】

「ビショップ」のコマがモチーフのドルイドン幹部。
直線的にしか移動できないルークピースとは対象的に、ビショップピースは斜めにしか移動できない。

名前の由来は賢いを意味するWiseと、ズルいをあわせたものか。合わせて考えるとずる賢いをもじったのかもしれない。

声を担当する緑川氏は『救急戦隊ゴーゴーファイブ』にて龍皇子サラマンデスを演じて以来、20年ぶりに幹部怪人の声を担当している。
また前作の『ルパパト』では最終話に登場したカーゼミーの声を担当したのも記憶に新しい。
タンクジョウを担当した中田譲治氏も比較的短いスパンで幹部格怪人を担当したが、前作では一般怪人担当だった声優が次回作の幹部怪人を演じるのは例が無い。
なおガチレウスを担当した稲田徹氏もまた前作でケルベーロ・ガンガンの声を担当し、今作では幹部格を演じることになった共通点がある。

また『爆竜戦隊アバレンジャー』では、あらゆる爆竜との合体能力を持ち、アバレンジャーとかなりの期間敵対していたアバレキラーの相棒、爆竜トップゲイラーの声を担当していた。
ちなみに42話で退場したかと思いきや生き延びていた上、生存したまま最終回を迎えたため、緑川氏が演じた幹部怪人としては初となる最後まで生存したキャラクターとなった。

頭脳派として様々な作戦を立案し、マイナソーの性質や特性を把握した上での事態の展開はお手の物だが、実のところその成功率は然程高くない。
そもそも物語の不文律、いわゆるお約束としては身も蓋もないが「悪は栄えない」、悪の組織の作戦は基本的に失敗する確率が高い。
そしてこのワイズルーは「エンターテイナー」と自称するほど目立ちたがり屋で、自己顕示欲が強いキャラクターである。
それがほとんどの場合マイナスに働く故に、とっさの思いつきをよくアドリブとして作戦に組み込むため、「ワイズルーならやりかねない」という想定がハマりやすい(ゴーレムマイナソーの増殖を狙った作戦の件が顕著)。
さらに口が軽いため、自分でマイナソーの能力をバラしたり(ノームマイナソー等)、うっかり喋ってしまったことで作戦が看破されてしまう(コカトリスマイナソーの件)こともあり、
前線に立たせずに後ろの方で作戦を立案して他の人間(ガチレウスとかクレオン)にやらせればいいものを、わざわざ出しゃばった挙げ句、作戦失敗のトリガーを自分で引いているもんだから世話はない。

彼が立案した作戦を通してみてみると、マイナソーを成長させるために作を弄していることがほとんどだが、脇を見て騎士竜を一網打尽にしようとしたり、リュウソウジャーに対して嫌がらせじみたことをするなど余計なことをしている場面が非常に多い。

ワイズルーが名の通り「ずる賢い」止まりで「悪辣なサイコパス」ではなく、自分が追い詰められても自暴自棄にならずリュウソウジャーの最大戦力であるコウとの一騎打ちを望み(こすいサポートはあれど)戦った末敗北してそれを受け入れている辺りも、ガチレウスとの差異、”倒されるべき悪”になりきれなかったのも最終的に生き残った理由だろう。

視聴者からもクレオン共々人気が出た悪役としてキャラクターソングまで作られている。

最終更新:2020年07月07日 02:56