薄皮太夫

「死んでも結ばせるものか、たとえ、たとえ外道に堕ちようとも!」

【名前】 薄皮太夫
【読み方】 うすかわだゆう
【声/俳優】 朴璐美
【スーツアクター】 蜂須賀祐一
【登場作品】 侍戦隊シンケンジャー
【分類】 はぐれ外道/幹部/アヤカシ
【得意武具】 三味線、散華斑痕刀(さんげはんこんとう)
【モチーフ】 ウミウシ
【元ネタ】 弁財天(サラスヴァティー)

【詳細】

外道衆の幹部で、女性のアヤカシ。

姉御口調(ただし一人称は「わちき」)で、常に不気味な音色を奏でる三味線を携える。
この三味線には刀が仕込まれ、単純な戦闘力であってもシンケンジャーに引けを取る事はない。

酒以外で血祭ドウコクを抑える事ができる唯一の存在で、彼女の前でのみドウコクは甘い一面を見せる。
ただ、他のアヤカシ達とは出自のために全く反りが合わず、顔を合わすと険悪な空気になってしまうので、ドウコクが制止に入る事も多い。

元々は人間で薄雪(うすゆき)という名の花魁。
自分を身請けすると約束した武士の新左を待ち続けていたが彼が迎えに来る事はなく、満たされぬ思いを抱えたままよく廓内で三味線を奏でており、その音が後にドウコクとの縁のきっかけとなる。
やがて新左が他の女と祝言を上げると知り、婚儀の宴席に乗り込んで火を放って大勢の人を焼き殺した上、彼女が殺した新婦に手を伸ばした新左に怒り、彼を三味線へと変え、外道に堕ちる。
なお、この三味線は破損した場合でも男性の皮を用いる事で修復が可能で、放っておくと新左のうめき声が聞こえてくる。

三途の川でドウコクに拾われ、数百年間を六門船で過ごす。
これはほとんどが数年で自らを維持できず死んでしまうはぐれ外道には極めて稀な事で、それも未練の強さ故の事。
先代シンケンジャーにドウコクが封印された事で六門船と共に三途の川へ沈み、彼の復活と共に再び表に現れる。

シンケンジャーと初めて接触した際、「兜五輪弾」に狙われたところを腑破十臓に救われる。
以後、十臓とは似た境遇であることも手伝って、距離を置きつつ密かに援助、支援した。
ドウコクから十臓の暗殺を指示されるも、実行に移さなかった事で三味線を破壊されてしまう。
修復のためにこの世に現れるが、シンケンジャーとの交戦、ユメバクラの妨害もあり失敗。このとき茉子に過去を知られ、敵同士ながら意識し合う事になる。

その後、六門船には戻らずこの世を彷徨っているところを三味線の修復を条件として筋殻アクマロに雇われ、十臓と共に度々シンケンジャーと戦う。
アクマロに裏切られていた事を知り、返り討ちに遭うが、水切れを無視してこの世に現れたドウコクに助けられると同時に、ドウコク自らの体の一部で三味線を修復し返還された。
自分を助けるために無理を押してまでこの世に進出し、水切れとなって三途の川の底に沈んだドウコクに投げられた言葉の意味を考える内に、太夫の未練は失われていく。

己の最期を悟り、この世に侵攻。
茉子に故意に斬られることで己の命と残った未練を断ち、三味線に宿る数百年もの間苦しみ続けた新左の嘆きの力を解放した。
その膨大な嘆きの力は三途の川を爆発的に増水させてドウコクを復活させ、息絶える寸前、自らの意思でドウコクに取り込まれた。

ドウコクの腕には一枚の打掛が残り、ドウコクの手で三途の川に流された。

増水した三途の川は外道衆念願のこの世への氾濫を招き、六門船も侵攻してきた。
また、半分人間の彼女を取り込んだ事でドウコクは封印の文字を無効化する事が可能となった。

【余談】

人であったときの未練を断ち切って消滅した太夫のエピソードは妻との絆(未練)を断ち切れず外道を失って消滅した十臓と対象的に描かれている。

外道衆の幹部の例に漏れず、七福神が元ネタである。
彼女の場合は弁財天。
また、メイン脚本を担当した小林靖子の雑誌インタビューでは人間時の名前の元ネタは「くノ一捕物帖」という漫画作品の花魁とされていて、新左と薄雪のエピソードも「くノ一捕物帖」が元ネタとなっている。

東日本大震災の直後、日本中を励ますためにツイッター上にヒーローたちが集まった。
その際、悪役であるにも関わらず彼女も登場し、子供達を鼓舞した。

演じる朴氏は特撮作品での出演は今作が初となる。
後に暴太郎戦隊ドンブラザーズにて桃谷ジロウが扱う変身アイテムを始めとする各種ボイスを担当した。

最終更新:2022年09月13日 21:54