グリード

【名前】 グリード
【読み方】 ぐりーど
【登場作品】 仮面ライダーオーズ/OOO
【名前の由来】 強欲(英:greed)

【詳細】

800年の眠りから復活を果たした、欲望から生まれたメダルで構成される怪人達の総称。

いわゆる幹部怪人だが、「悪の組織」というべき一枚岩な存在ではなく、各自がそれぞれの思惑に従って行動しヤミーを生み出す。
彼らの結託や離反、裏切りといった行動が、オーズの物語の核となっている。

グリードは「コアメダル」と呼ばれる色のついたメダル数枚を中心に、大量の銀のメダル「セルメダル」で肉体を構成している。
各グリードを構成するコアメダルはオーズの各コンボを構成するものと同じくそれぞれ3種類。
また、腰にはライダーベルトらしきものを付け、白ヤミーと同じように不完全な部分には黒い包帯のようなものが巻かれたデザインとなっている(グリードの場合、不完全部位は筋繊維が露出したような状態になっており、そこに包帯が巻かれているという意匠になっている)。

グリードの能力は体内に内蔵しているコアメダルの数に比例して上昇し、1枚だけでは生命の維持もままならない。
メダルを取り入れれば取り入れるだけ強化されるが、体内からコアメダルを抜かれると大きなダメージを受ける。
また、メダルの数が不完全なセルメン状態では体内のセルメダルが急速に減っていく(特に燃費の悪いガメルはそれが顕著)。
誕生当初に所有していた9枚のコアメダルをすべて体内に取り入れ、「完全体」として復活することが彼らの行動目的で欲望でもある。

それぞれ「虫系」、「猫系」などのモチーフを持っており、それぞれの種族の「王」というべき性質を持つ。
番組名「オーズ」には各種族の「王たち」=「王s」の意味も含まれているとのこと。
不完全体でも戦闘力はヤミーよりも高い(映司は「質が違う」と称した)。
それぞれが風や電撃を操る固有能力を持つ他、共通能力として任意にメダルの状態に戻ることができ、これで物理攻撃を無効化したり離れた場所へ高速移動したりできる。

大きなダメージを受けると爆散してその体はコアメダルとセルメダルに分解されてしまうが、そんな状態でも人格を司るコアメダル1枚さえ無事ならば、強い欲望を抱いた人間の心に働きかけることで自らのもとへ誘き寄せて、接触することでその人間を操って行動することができる。
劇中でもコアメダルは「決して滅びない」とされており、実質的に不死身とも言える存在である。

グリードは800年前の科学者が人工的な生命体を作る上で様々な生物の力を凝縮させたメダルを作り出した事で誕生した(アンクも「俺達は800年前に作られたコアメダルから生まれた…」と発言しており、誕生経緯がどのようなものだったのかを理解している模様)。
だが、当時作られたコアメダルは10枚だったのだがこれでは生命が誕生せず、あえて1枚外して9枚とすると「足りない部分を補おうとする欲望」により生命体が誕生する。

あくまでメダルの塊で生物ではないため、欲望を満たすためのルーツである五感が弱く、どれだけ求めても決して欲望が満たされることはない(たとえばガメルは菓子をおいしそうに食べているが実は味覚がなく、人間のまねをすることで食欲を満たそうとしているだけにすぎない)。
欲望の塊だが欲望が満たされる喜びを知らないので永久に欲し続ける事しかできない宿命を負っており、完全体になるとこれらを持っている人間を喰らい始め、やがて世界そのものを飲み込んでしまう。

【仮面ライダーオーズ】


800年前に複数のコアメダルを取り込もうとして失敗したある王の暴走に巻き込まれ、石棺と化した王に取り込まれた状態で封印され鴻上ファウンデーションが所有する美術館の倉庫に置かれていたが、その倉庫に侵入した泥棒の欲望に反応してアンクが覚醒。
復活を果たすために棺を開放したことで他のメンバーも同時に現代に蘇った。

だが、彼らは身体を構成するコアメダルが足りず、一部不完全なままの「セルメン」と呼ばれる状態で復活。
この足りないメダルの一部は、結局右腕しか復活できなかったアンクが腹いせに奪って逃走。
ただし、他にも行方知れずになっているメダルが多い(このうちライオンとクジャクのコアメダルは鴻上が所持していた)。

復活した当初はそのままの姿で暴れまわっていたが、第4話での一件を通してそのままの姿では現代で活動するに当たって何かと不都合が多いため人間態となり、セルメダルの消費を抑えつつ行動するようになる。
人間態はを除いて怪人体の声を担当する役者本人が演じている。
アンク(ロスト)が行った方法を見る限り、その目で見た人間に擬態するという、ワーム仮面ライダーカブトに登場する地球外生命体)とよく似た方法で人間態を手に入れていた。
なお、擬態を行ったワームの大半はオリジナルの人間を殺害しているが、グリード達には特にその様子はない。

自分ではセルメダルを作り出す事ができないため、それぞれヤミーと呼ばれる怪人を作り出し人間の欲望をエサにセルメダルを増殖させ集めている。
基本的にセルメダルを蓄えたヤミーをセルメダルに分解してメダルを補給している模様。

なお、グリードの中でも鳥系幹部怪人であるアンクは右腕の一部しか復活できなかったため満足に活動することもままならず、やむを得ず火野映司にオーズドライバーを与えてメダルを集めさせている。

モチーフはそれぞれ分類される系統の生物を複数融合させたキメラであり、それぞれの持つコアメダルに刻まれた生物の姿を融合させたようなデザインになっている。
ただしデザインが統合されている上に、ガメルとメズール以外は同種族の集合体でキメラとは感じにくい。
むしろ元になったコアメダルが錬金術師から生み出された事を考えると、グリードの存在はホムンクルスの方が近い。

なお、オーズドライバーに対応したコアメダル、グリードのコアメダルの対応する部分は必ずしも一致するわけではない。
第4話でカザリの上半身に手を突っ込んだオーズがレッグコアとなるチーターのコアメダルを2枚も引き抜いた事から分かるが、コアメダルは身体の中心部の一箇所に集中しているようだ。

実際、胸部に強烈な一撃を受けたウヴァは頭部を形成するクワガタ・コアと胸部を形成するカマキリ・コアを同時に吐き出している。
チーター・コアを失ったカザリは上半身が不完全体となっており(下半身はもとから不完全。後にチーター・コアを吸収した事で再度上半身は元に戻った)、不完全となっている部分がどのようにして決まるのかは不明となっている(劇中でのコアメダルの推移から逆算すると保有コアメダルが4枚以下になると頭部以外の2部位が不完全体になる)。

第8、30話における800年前の回想では完全体が登場。

また、メズールがガメル亜種完全体を吸収することによって、巨大グリード暴走態と呼ばれる存在も誕生した。
これは自分を構成するコアメダルが9枚揃っていない状態で他のコアメダルを大量に吸収したことでその力を制御できなかったものである。ある意味でグリードのなれの果てといえよう。

先述の通り、殲滅は不可能な存在であったが、あらゆる欲望を無に帰する紫のメダルの力はコアメダルを破壊してしまう。
真木清人によって紫のコアメダルの封印が解かれた事により、コアメダルを破壊できるプトティラコンボをオーズが獲得、終盤ではグリード達の最期が描かれる。

【オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー】

ショッカーメダルとセルメダル1枚から成るショッカーグリードが登場している。

【その他】

冬の劇場版『MOVIE大戦CORE』では鎧武者怪人、夏の劇場版『WONDERFUL 将軍と21のコアメダル』では憑依した人間の肉体をコアメダルに代用した錬金術師ガラ怪人態が登場している。

『MOVIE大戦MEGA MAX』では4体グリードダミー怪人が登場。
また、自我を持つコアメダルが本体の仮面ライダーポセイドンも広義でのグリードと言える。

最終更新:2020年10月02日 00:49