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ピジャイロ危機


登録日
投稿先 :『GDW』投稿用BBS(消滅)
更新日 : 2014/08/15 Fri 14:17:23




概要


発生年代 基準時の900年前
主要舞台 アトラス銀河系・惑星ピジャイロ
主要関与組織 ヘクトジェネラルアトラス銀河系
主要関与者
事件の性質 局地的戦争

総説

 基準時のおよそ900年前、ヘクトジェネラル艦隊がアトラス銀河系外縁部の惑星ピジャイロを占領し、アトラス連合と交戦した事件。
  一歩間違えば銀河レベルの動乱の引き金になりかねなかった が、アトラス連合の対処が間に合い、比較的小規模な事件で収まっている。
 現在アトラス銀河系で活躍するディガス大使なども、この件に参戦しており、現在にも確実に影響を及ぼしている。

ヘクトジェネラル急襲~ピジャイロ占領


 およそ900年前、タイランタ連邦との緊張関係は続いていたものの、比較的平和だったアトラス連合に激震が走った。
 主にミゼアン銀河系近傍を根城にしている魔族組織・ヘクトジェネラルが突如惑星ラヴァスト近郊の惑星ピジャイロを占領したのである。 ピジャイロは文明種族はいないが、豊かな自然の根付いた楽園で、スペシウムなどの資源もある環境の整った惑星 である。ヘクトジェネラルは、超宙域出身の破壊者組織で破壊衝動を大いに持っている種族には違いないのだが、普段暮らす分には豊かで平穏な宙域に暮らすことを好む者が多かったのだ。

 占領したのは、ヘクトジェネラルのヴァノリル艦隊。総司令官はディルギアン種の高位体アズドルであった。

 実は、総帥バルン・ゲイズはじめヘクトジェネラル上層部は、この作戦には必ずしも乗り気ではなかった。アトラスの現地軍の強力さやアトラスに根付いているディガス軍の強力さを懸念する声は強かったのだ。
 しかし、部下たちの強い要望の前に、 これ以上の抑圧は反乱による組織の弱体化を招くと判断したバルン・ゲイズは結局出撃を認めた のであった。

 無論、アズドルとて実力のある艦隊司令官であり、作戦はあった。
  アズドルはアトラス・ディガス・カリオス連盟の3艦隊が大規模な合同軍事演習に出ている所を狙ったのである 。隙を狙ってピジャイロに根を下ろし、その上で迎撃態勢を整えれば、アトラス連合軍を相手にしてもそうそう引けを取らない自信がアズドルにはあった。
 ピジャイロ近傍にも連合軍はいない訳ではなかったが、申し訳程度の基地や艦隊はあっという間に駆逐され、ピジャイロはあっという間にヘクトジェネラルの手に落ちた。

 当然、危急の報は瞬く間にアトラス銀河系中を駆け巡った。
 ヘクトジェネラルが入ったのはアトラス連合宙域であったが、 アトラス連合と犬猿の仲のタイランタ連邦も、ヘクトジェネラルの侵攻を脅威と感じ、艦隊を出撃させ、緊急事態を理由に、アトラス連合軍に対する協力を申し出てきた。
 しかし、アトラス連合としては、タイランタ連邦を頼る訳にはいかない。ここで恩を売られては連合の面目は丸つぶれであるし、行きがけの駄賃とばかりに連合軍に損害を与えて帰らない保証もないのだ。

 ここで、当時連合軍中将(暫定)の地位にあったエルベ・アーネス現元老院副議長は強引ともいえる作戦を打ち出した。 合同軍事演習に出ていたアトラス・ディガス艦隊を寄港させることなく、直接ピジャイロに急行させて奇襲をさせよう というものである。
 連合が十分な態勢を整えてからでは遅いと判断したエルベの作戦であった。


成功した奇襲~ヘクトジェネラル軍退却


 多くの上層部が兵たちの疲弊を気にし、準備を整えた上での出撃を主張したが、 その難色を押し切った奇襲作戦は功を奏した。 ヴァノリル艦隊は予想外に早く現れた連合軍に対応が追い付かず、応戦態勢に十分に入れないままの迎撃をせざるを得なくなった。強力で知られるヘクトジェネラルの艦隊も態勢が整わなければ役に立たず、ヴァノリル艦隊の艦船は次々と大破。
 何とか出撃した艦もあったが、そのうち数隻は、セラムの猛将シャグラ・コルミエル大佐(当時)の指揮する数隻の戦艦の卓越したコンビネーションの前に撃沈されている。

 だが、ここでアトラス銀河系を震撼させる事態が起こる。 総帥バルン・ゲイズ直属艦隊として有名なスルティオン艦隊がヴァノリル艦隊の救援に駆け付けたのである 。バルン・ゲイズ本人や№2の骨竜将軍ラミエル・リトヴェルグも来ていた。
 応戦部隊を蹴散らし、ピジャイロにやってきたスルティオン艦隊だったが、 目的は連合軍との戦闘ではなくヴァノリル艦隊の回収。 戦力の5分の1をまるまる失えば、ヘクトジェネラルの力はガタ落ちせざるを得ない。スルティオン艦隊とて、数で上回る連合軍を相手にすれば力負けの恐れがあるし、そんな大博打をするほどバルン・ゲイズは大胆ではなかった。 相手が十分な準備も整っていない奇襲部隊であることを見越した回収作戦であった。
 スルティオン艦隊の飛来によって残されたヴァノリル艦隊の船は次々とピジャイロを脱出。

 そんな中で、一部の艦隊が取り残されていることが判明した。連合軍は彼らに砲口を向け、降伏を要求したがそこに数隻の戦艦と一体の魔獣が飛来して連合軍と交戦にかかった。
  総司令官アズドルの船が、艦隊を逃がしにかかったのである。 アズドルはバルン・ゲイズに深く忠誠を誓っており、ヴァノリル艦隊の出撃を主張した手前、おめおめと引き下がることはできなかった。
 さらに、 アズドルの盟友でもあるヘクトジェネラル№2、ラミエル・リトヴェルグも応援にやってきた。 ズィヴァム高位体と大差なく、並のディガス高位大使や戦艦では戦えないほどの能力を持つラミエルに連合軍の包囲網は次々とほころびる。

 そこでラミエルの前に 一体の巨大な竜が立ちはだかり、ラミエルと単騎で五分に渡り合った。当時無名の準大使であったグレアス・ウィシア竜神体 である。ラミエルとウィシアの戦いは、今でも「竜神の戦い」と呼ばれ、伝説の一戦となっている。
 これによってラミエルの救援は事実上断たれたのを見すまし、昇進したばかりのノヴァ・レイシオ高位大使率いる部隊が最後に残された数隻の船と部隊を急襲。レイシオ大使の迎撃に出たのは、バルガロアンの強力な戦士でもある佐官カリム・ゴアであったが、バルガロアンの得意技である波動出力を肉体出力に投影しての猛攻を肉弾技で華麗にレイシオ大使にいなされ、捕えられた。

 他方、ディガスにも損害が出た。一体の女戦士に向かったヴェイガル種の相当有力な ディガス正大使、リゲル・フーガがあれよあれよと言う間にその女戦士に捕えられてしまった のである。その女戦士こそ、他ならぬ総帥バルン・ゲイズの娘にして一切の波動を寄せ付けぬ特性をもったバルン・シェラハザード(通称シェラハ)であった。波動が通じないうえに肉弾戦では彼女の右に出る者はそうそういなかったのである。
 呆然とする他の大使を前に、シェラハは不敵な笑いを浮かべ、悠々とリゲルをひっ抱えて脱出したという。
  ラミエルもウィシアを振り切り、ヘクトジェネラル軍は総退却。既にそれなりに疲弊していた彼らに、さらなる追撃の余力はのこされてはいなかった。


  連合軍はヘクトジェネラル撃退を宣言し、アトラス連合軍の後詰は、撃退成功の報を聞いて連合軍宙域に入ろうとしていたタイランタ艦隊をけん制。進軍の大義名分を失ったタイランタは一旦撤退せざるを得なかった。

戦後


 この戦争は アトラス連合軍の事実上一人勝ちといってもよい ものであった。
 この戦争の結果、 エルベの地位はますます上がり、現在もなおエルベ議員に多数のシンパがいるのはこの一戦の勝利も根強く影響している。 シャグラ大佐はじめ、この 一戦で功績を挙げた軍人で今なお現役の人物の多くが、将官クラスにまで上り詰めている のだ。

 ディガスはリゲルを失ったが、ゴアは自らを破ったレイシオ大使に敬意を表するようになり、結局デル・ヴォスに加入し、今やケイロアス星間大学の教授となっている。

 ヘクトジェネラル側では、敗戦処分としてアズドルの処刑や追放も主張されたが、ゲイズ自身が出撃を認めたこと、損害をぎりぎりまで収めるべく奮闘したこと、何よりアズドル自身が有能で優れた存在であることなどがヘクトジェネラルの内政官僚、ユスラビオンの「逆法の魔判官」テクシュウム・フェンゴルらにより主張され、 アズドルは司令官の位をはく奪されて500年に及ぶ謹慎が言い渡され、さらに謹慎後は一兵卒とされるにとどめられた。
 それでもかなりの厳罰に違いないのだが、 アズドルはそれでもなおゲイズへの忠誠を失わず、現在は下士官までは地位を回復している ほか、他の上級将官と同様、ゲイズと直接手合わせをすることもしょっちゅう。

 他方、 シェラハに捕えられたリゲルはバルン・ゲイズに投降
 バルン・ゲイズのカリスマ性やヘクトジェネラルの実力をまざまざと見せつけられたリゲルは、魔族洗礼など受けたわけでもないのにバルン・ゲイズに敬意を抱くようになり、(雄性主導文化を持つヴェイガル種の気質も影響しているだろう)遂にはスルティオン艦隊内の一部隊を任されている。もっとも、バルン・ゲイズもディガスなどとリゲルを交戦させることはなかったため リゲルがヘクトジェネラルの将軍になったという話が入ったのは、デル・ヴォス経由でかなりの期間が経ってからだったが(死んだと思われていたようである)。
 また、シェラハも父親であるゲイズ自身ほとんど存在すら忘れていたが、その実力をこの戦いで見せつけた。
「この戦いの戦果は、シェラハとリゲルを得たことだ」 とゲイズは喜び、スルティオン艦隊の主要部隊の一つを惜しげもなくリゲルに与え、アズドルが引っ込んで空席となったヴァノリル艦隊の司令官にはシェラハをつけた。一部で出た「情実人事」「ゲイズ総帥は親バカ」の陰口もなんのその、シェラハによって壊滅的損害を受けたヴァノリル艦隊は想像以上のスピードで態勢を立て直している。
 ラミエルもこの功績で、 別の理由で空席になった艦隊イェラントの司令官を魔獣でありながら拝命している。 (実力は十分ある)

 とはいえ、 ヘクトジェネラル艦隊の損害は手ひどく、更にヘクトジェネラルの動きはアトラス・イグザ・ミゼル連合でも警戒が強められてしまった。このため、第2次オリオン危機でもヘクトジェネラルはついに動くことができなかった。

デザイン・プロフィール :ヘクトジェネラルを考案した時点で、比較的近年にも侵攻事件があることは想定し、作ったのがこのエピソードである。シャルバロン危機ほどではないにせよ、現在のアトラス銀河系の姿に一定の影響を及ぼしていると思っている。
ただし、いきなりただ侵攻した、と考えるのも今一つであるので、惑星ライオーヴ(GDWしし座L77)などとも考え併せ、背景はより練っていきたいところである。


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