更新日:2020/06/28 Sun 20:41:32


艦これにおける憎悪表現について


艦隊これくしょんで行われた2016年5月のイベント海域。
白銀は全海域甲作戦にてクリアさせていただいた。
新規実装艦娘が全員着任してくれるという幸運にも恵まれた。


ここの最終海域クリア報酬でアメリカ戦艦・Iowaが実装された。
艦これ初の連合国出身艦娘である。(ただし、2月の艦これ改には先行実装されていたので多くの提督が予想はしていただろうが)

賠償艦としての引き渡しによる連合国艦としては雪風や響の例が、イタリア降伏後、イタリアの連合国としての宣戦布告による連合国艦としてItaliaの例があったが、
最初から最後まで連合国出身、しかも日本と実際に交戦した艦の実装は初めてであった。
こちらで真偽は確認していないものの、運営サイドからもやりたいという希望があったというという噂はIowa実装以前から聞いている。

とはいえ、提督諸氏にとって、連合国艦の実装については賛否両論であったところである。
白銀的には賛ではあったが、否定的な意見も個人的には理解できたところであり、運営サイドも賛否両論を承知でやってみたのだと推察する。


白銀鎮守府においては、もちろんIowaも育てている。
今日現在既に改装・改修完了、レベル77に届いており、実戦投入はいつでも可能である。
大和型やヴィットリオ・ヴェネト級戦艦などのレベルが98とか99になっているため、そちらに出番が回ってくることが多いものの、それでも難関海域5-5投入は既にしている。
また、高速戦艦であるため、イベントで組まれる連合艦隊の第2艦隊に入れられる(大和型や長門型のような低速戦艦は第2艦隊に入れられない)。
夜戦要員であるが攻撃を激しく受けてしまうことも多く、それでいて小粒な艦を増やさざるを得ず命中すると大損害を受けやすい第2艦隊に、安定性に勝る戦艦を投入できる(と言っても最大二隻だが)ことは価値がある。
夜戦火力が最大となるBismarckと二隻並べて投入できれば、安定性&攻略力は段違いになるだろう。
もちろん凄まじい燃費は弱点だが、そこまで潤沢に投入するのはイベント甲作戦最終海域くらいのものなので、大型卒業済で常に備蓄を怠らない白銀鎮守府ならば別にどうということはないのである。



さて、少し前のチャットにおいて、こんなことが話題になった。

一部において、Iowaを故意に轟沈させたり、意図的に解体し、あまつさえそれをweb上で放送する者がいると言うのである。

もっとも、白銀も、そのような行為の存在を小耳にはさまなかったわけではない。
艦これをすることで史実における艦がどのように沈んでいったのかを知った提督諸氏は多いのであろうし、白銀も間違いなくその一人である。
Iowaの場合、舞風・香取轟沈という太平洋戦争の中でもかなり鬱度の高い話に関わっていた為という要素もあったのだろうと推察する。
室蘭では市民に対する艦砲射撃も行っている。


今、ヘイトスピーチが問題になっており、今年、ヘイトスピーチ対策法は国会を全会一致で通過、可決している。

実は、艦これを巡って、日本艦艇への愛着をこじらせ、ヘイトスピーチに走っているのでは?という例は以前から見かけている。
ヘイトスピーチと言っても、ヘイトスピーチは「人種、宗教、性的指向、性別、思想、職業、障害などの要素に起因する嫌悪や憎しみを込めた発言や主張」である。
Iowaの場合、舞風などの轟沈に関わった側面があることが根拠になっている意味があるため、ヘイトスピーチの定義にはあてはまらないかもしれない。
だが、もちろん連合国艦というだけで上記のような行為を行っているならば、それはヘイトスピーチに属すると言える。
それに、例えヘイトスピーチに当てはまらなくとも、品格を損なう嫌がらせ行為を行うことは、百害あって一利なしと言える。
意味もなく対日感情を悪化させ、日本人の品位を疑われることだ。
艦これの場合海外にもファンは少なくない。
海外のファンが品格を損なう嫌がらせ行為をyoutubeなどで見て日本人への評価を下げることはあれど、高くすることはあり得まい。



以前もあったが、第三次ソロモン海戦・第二次夜戦における霧島とサウスダコタの壮絶な撃ち合いは艦これ界隈ですぐにネタにされる。
打ち勝った霧島が後からやってきたワシントンにタコ殴りにされて撃沈された…といわれている。
何故かこれを理由に、ワシントンが卑怯だと言うような言い分が出たことがある。

だが、霧島は当時型落ちの旧型戦艦、片やサウスダコタは最新鋭戦艦。「1:1で戦う」分には本来どう考えてもサウスダコタ有利な戦いだった。
何故霧島がサウスダコタには損害を与えられたかと言えば、それは駆逐艦・綾波の大暴れの命中弾や人的ミスなどが重なり(諸説あるが)サウスダコタの電気系統が落ちてしまったのが大きな原因である。
戦争は1:1で戦うなどと言うルールがある訳ではないが、ワシントンの参加をもって1:2だととらえるなら、日本は綾波も頭数に入れなければいけない。
そもそも、第三次ソロモン海戦第二次夜戦に参加したのは日本戦艦1・重巡2・軽巡2・駆逐9に対しアメリカ戦艦2・駆逐4である。
数の問題を言うならばむしろアメリカが「日本ずるい」と言うのが筋である。
ワシントンとサウスダコタの乗員のごたごた話は知っているが、それはアメリカ国内で解決すべき問題であり、日本側が口を出すべき事柄ではないだろう。


艦これの絵師で有名な某氏。季節ごとの差分絵なども描く人気の絵師である。
ところが、NHKの番組で給糧艦間宮が扱われた際、間宮を沈めた潜水艦シーライオンについて「シーライオン絶許」(絶対に許さないのスラング)と書いて顰蹙を買っている。
これについて批判が殺到。絵師は当該ツイートを削除してしまった。





忘れてはいけないことがある。
米英の艦も、日本艦にたくさん沈められているのである。
個別にはチェックしていないが、多くの乗組員が犠牲になったはずである。

また、戦時中において、戦闘行動でもないのに捕虜虐殺をはじめとする批判されるべき事態は、残念ながら日本にもある。
あえて具体的な艦名は出さないが、民間人や米軍捕虜を虐殺と呼ぶほかない方法で殺害した事件が記録されている艦は艦これ実装艦にもある。
日本艦の武勲を称え哀悼の意を表するからといって、これらの行為の全てが許されるわけではない。


日本人として、日本軍・日本艦・日本人に対する愛着があるのは当然のことである。
その結果として、日本軍や日本艦を苦しめた艦に対して怒りを覚えることも、それ自体は人間の自然な感情であり、白銀としては善悪を論じる気にはならない。
仮に悪だという結論になったとしても、感情をよそから制御することはまずできないのだから論じる意味も感じられない。

だが、それはアメリカ人がアメリカ艦やアメリカ軍に対する愛着があると言うこと、アメリカ人が日本人に対して同じ感覚を抱くこともまた認めなければならない。
日本艦を沈めたからリンチまがいな行為に走ってもよい、というのならば、そういった提督の皆さんは自分が手塩にかけて育てた艦をリンチにかけられてもいいというのだろうか?
自分でそういうことをするということは、他人にやられるのを容認しなければならないということでもある。
また、アメリカは日本と比べれば軍人の立場が強い。共和党選出の大統領候補であるトランプ氏が軍人の立場を無視した発言をしたため、ついには共和党内部からの不協和音が強烈になりだしたというのも有名である。

そこまですべて承知で、よそはよそ、うちはうちと割り切るのは一つの考え方かもしれない。
鎮守府の運営については、各鎮守府においてやり方があることだろう。
母港の拡張枠は課金制だから、こんなに抱えられない、という理由で解体や改修・轟沈に回す提督もいたかもしれない。
白銀個人的に気分のいい話ではないが、そこまで口を出す権利は白銀にはない。(白銀もデイリー解体任務を普通に毎日やっている)
{だが、そうであるならば、その態度をあからさまに表に出す必要はないはずである。
少なくとも、それが日本の国益を害することは想定できても、国益につながることなどはありえない。}

ぶっちゃけ、艦これを起点にヘイトスピーチが蔓延するようなことがもしあれば、艦これはサービス終了に追い込まれかねない。
いつかは終了するサービスであるとは思われるが、余りにも終着点としてみっともなさすぎる。




ただ、白銀個人としては、上記のような考え方をしつつも、割と冷めた見方をしている感もある。

確かにそういった行為はヘイトスピーチと同様、品のない行為である。白銀鎮守府においてはこれらの行為を称賛することは絶対にない。
しかし、人がたくさんいれば、どうしてもそういった歪んだやり方を是としてしまう者が出てしまうのは仕方ない面もある。
一部の特別困った人々を取り上げ、騒ぐことは、かえって彼らの行動を知らしめることになりかねない意味もある。

実際、そういった品位のない嫌がらせ行為自体は必ずしも多数派ではないと認識している。

艦これというゲームの中で見れば大問題だが、世界的に見ればIowaも「ゲームのキャラの一人」にすぎない。
ゲームのキャラの去就ごときで騒げる日本は平和である、という見方は安穏すぎるだろうか?

むろん、ゲームのキャラの去就から今の日本が透けて見えるのだ、とすればそれは由々しき問題である。
だが、現在そのような動きは、どうしても出てきてしまう一部の困った人たちの域を出ていないというのが白銀の所感だ



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最終更新:2020年06月28日 20:41