クロイティス大戦版ヤシオリ作戦(仮)


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更新日:2016/09/18 Sun 23:17:02


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概要


発生年代 クロイティス銀河大戦中期
主要舞台 プレアディス・リングワールド(PRW)
主要関与組織 アトラス銀河連合PRW当局ヴァーツオビリック会
主要関与者
事件の性質

メルペオネ敗北~風前の灯となったPRW


メルペオネ希宙域会戦でのアトラス連合軍の敗戦により、PRWの防衛艦隊の防衛力でPRWを守り切れる情勢ではなくなってしまった。
(ヴァーツの蒙った損害は決して小さくはなかったが)

アトラス連合主力艦隊はユコローズ・メルペオネで敗れて半壊状態。
今から数をかき集めたところで、メルペオネよりも練度が低くなるため、メルペオネよりも悲惨な敗戦になることは目に見えている。
タイランタ連邦もオーガリーズ会戦に敗れて再編中。
セイヴァネスロード艦隊先遣部隊がつぶされてしまったため、主力の到着にはあと数年かかる。
アトラス銀河系の他の銀河列強艦隊ではヴァーツに挑むことは難しいし、現状は自陣営の防衛で手一杯である。

結果としてPRWは取り残された形になった。
PRW防衛艦隊は決して弱くはないが、正面切っての戦いではヘルドレイガー級2~3隻を道連れにできれば上出来と試算された。
PRWを包囲していたのはストローヴィラ級1隻にヘルドレイガー級8隻、補助艦艇は更に多い。(実際には、これでもメルペオネでそれなりに消耗していて数は減っていた)
ヘルドレイガー級2、3隻を沈めたところでそれではPRWは守れない。
個別惑星程度なら、ヤケクソで突撃して戦果をだし、後は他所に任せると言う手も考えられたかもしれない(惑星ロイガードはこれをやった)。
だが、PRWはその程度の戦果のために払う犠牲としてはあまりにも大きすぎるものだった。

膠着~ヴァーツの思惑


ヴァーツがその気を起こせば、PRWを破壊するという手法も取りえた。だが、ヴァーツはPRWを破壊すると言う手を取らなかった。
PRWにはアトラス銀河系最古の図書館、オネルエス・ザイナコードがある。ヴァーツはそこに入っている情報を欲しがったのである。
PRW側も半分は覚悟を決めていたが、「PRW破壊に打って出ない」ヴァーツを見たPRW当局は、PRWにある「ヴァーツが欲しがりそうなもの」をいくつかリストアップ。
もちろんその中にオネルエス・ザイナコードも入っていた。
PRWはなけなしの防衛艦隊をこうしてリストアップした設備の周辺に集中させ、住民もその近辺に逃亡させ、他地区への侵入は半黙認するという方法で時間を稼いだ。
他方、ヴァーツは近辺宙域を封鎖。住民たちの逃亡を封じた。
ヴァーツは個別の住民などには興味もなかったが、それよりも住民に紛れた重要な品物などの持ち逃げを恐れたのである。

PRWサイドは、PRWでヴァーツが欲しがるものを探したい。だが、当局や司書に既にスパイが入っているリスクは極めて大きかった。
オネルエスの司書にすら、既にヴァーツの手が及んでいた。(人によるが、一匹狼的な司書は少なくないのである。)
それでもヴァーツが欲しがりそうなもの・・・それを発見したのが、オビリック会である。(詳細はこれから要検討)

どの道事態がよくなることはない。
膠着状態に陥るならば、ヴァーツがオネルエスをぶっ壊すことも覚悟で強攻してくるのは時間の問題である(現にヴァーツもそう考えていた)。

PRW当局は手を打った。

オビリック会脱出作戦~逆転への布石


まず、オビリック会に「もの」と高速避難船を与えて逃がすことを決めた。
ヴァーツが欲しがる「もの」を渡してはおけないためである。PRWが陥落する可能性が高い以上、(ヴァーツが何故ほしいのか分からないにしても)持ち出さなければいけない。
最悪オビリック会の宇宙船が撃破されても、ヴァーツに渡すよりはマシな可能性が高い、という非情な判断もあった。(オビリック会組も分かってはいたが)

それでも、デコイとして強行突破を狙う避難船に見せかけた無人避難船を大量に出している。
ヴァーツ封鎖艦隊は、当然艦隊を集中させ殲滅にかかる。オビリック会は逃げ切ったが、損害を受けてしまい、結果として中破状態のポンコツ船でサジタロスゲイトまでヴァーツ艦隊がうろちょろするアトラス銀河系を横断するハメになった。

だが、オビリック会を逃がすためだけならばPRW当局はそこまでやらない。PRW当局はもう一つの更なる策を練っていた。
「住民たちを逃がそうとした」と見せかけて「オビリック会を逃がそうとした」・・・・・・と見せかけ、実はヴァーツ魔艦の機能不全を狙っていたのである。
オビリック会と共に発進したデコイの無人避難船のもう一つの顔が「無人酒爆弾(爆)」。つまり、内部には「神をも酔わせる」酒をこれでもかと満載投入したのである。

ヴァーツの魔艦に有機的なユニットが存在することは以前から指摘されていた。
従って、物理的な破壊ではなく毒物が効くのではないか?という説も実は以前からあったのである。
しかし、それが過去に効いたことはなかった。ヴァーツは毒物が効かない程度には有機ユニットの耐性を高めていたのである。
だが、「酒」ならばどうだろうか?有機ユニットを破壊するのではなくむしろ誤作動を起こさせることができれば、魔艦の戦闘能力を大幅に削ぐことができるかもしれない。
もちろん、そんな作戦が効くかどうかは、PRW当局の誰一人として確証を持っておらず、ある種の賭けであった。

当然これらの無人無人酒爆弾はヴァーツによって破壊され、時にはヤケクソ特攻のようにヴァーツに体当たりを仕掛けるが、各艦艇の周囲には酒気が蔓延した(宇宙空間でも凍結せず、ヘルドレイガー級にまとわりつく工夫がされていたのである)
だが、これらは即効を狙った作戦ではない。全長60㎞を超えるヘルドレイガー級や200km近いストローヴィラ級に酒が効いたとしても、「酒が回って誤作動を起こす」のには相当な時間がかかる。
あくまでも、一時的な住民脱出強行に見せかけ、効果が出るのをまたなければいけなかった。

それに、ただ酔わせても意味がない。効いたタイミングで決戦兵器を投入しなければ、空間シールドで全ては水の泡である。

しかし、この半ばヤケクソの読みは的中(!)。ヴァーツ魔艦は誤作動を起こしていた。
と言っても、誤作動即沈没などと言う事態になるほど有効な作戦ではないことは、PRWサイドも予想していた。
ヴァーツ側としても、一時的に機能不全を起こした程度なら、艦に決戦をさせず、機能を抑えて原因究明をさせれば済む。
それに、長期間放っておけば、「酔いはさめてしまう」。
PRWを包囲するヘルドレイガー級の一隻が突然後陣に回ったことから、PRW防衛艦隊は「ヘルドレイガー級にはどうやら効いているようだ」と踏んだ。

中枢にして最大戦力のストローヴィラ級に効いているかどうか、そのタイミングはいつか。
ヘルドレイガーに効力を発揮した時間から計算は最大限行った。

だが、それでも最後に頼ったのはヤマカンであった。

大逆転~ストローヴィラ級撃沈・戦況優位膠着


ヤマカンのタイミングでPRW防衛艦隊を打って出させたが、ヤマカンが的中したのは、奇跡というしかなかったであろう。
ストローヴィラ級も誤作動を起こした状態では防衛艦隊にきりきり舞いせざるを得なかったのである。
護衛艦隊のヘルドレイガー級も誤作動によって能力を削がれ。ストローヴィラ級にしたたかに攻撃が刺さりまくったのであった。
まともに動かないヴァーツ主力艦隊が相手ならば、PRW防衛艦隊でもかなりの勝負ができる。

だが、それだけではストローヴィラ級の絶対的な防御力に阻まれるだけである。
イチかバチかの作戦ではあったが、それは効くか効かないかの問題ではない。
なまじ効いていたのに失敗すればオネルエス破壊も厭わず今度こそPRWに総攻撃がかけられかねず、そうなればもう手の打ちようがなくなってしまう。
効いているからには何としてもストローヴィラ級を大破・使用不能にする必要があった。

しかし、最後の切り札が残っていた。PRWはなんと全長6000キロにも及ぶコロニーをPRWから切り離し、突撃させるという荒業に及んだのだ。
空間シールドを配備していれば、どんな質量攻撃であれ、ストローヴィラ級やヘルドレイガー級に通じることはない。
だが、ストローヴィラ級は空間シールドに誤作動が起きていた。誤作動を起こしてしまった状態では、その超重量を正面から受けることになってしまった。
切り離したコロニーとは重量が5桁ほども違うストローヴィラ級。キリンがネズミを踏み潰すほどの重量差をシールドなしで耐えきるのは、いくらストローヴィラ級でも不可能だった。
まさかのストローヴィラ級撃沈(艦隊決戦での戦果としては前例があるものの、個別テクトラクタや惑星などの防衛軍の出した戦果としては史上最大の戦果である)となったのである。

とはいえ、PRWもこの作戦に払った犠牲は大きい。
また、沈没寸前のストローヴィラ級から脱出した兵達の多くは、PRW本地に殴り込みをかけてきた(ザイオノイドなら生存して近くの惑星に不時着するくらいはできる)。
これ自体は想定内とはいえ、ザイオノイド兵の本格的な殴り込みに耐える十分な兵力があると言えるかは微妙。
ストローヴィラ級撃沈に伴う戦死・負傷などによってどれだけ削れているかが勝負ではあったが、やはり完全に削り切ることまではできなかった。
防衛艦隊は一発逆転をかけた艦隊戦に手いっぱいであり、殴り込みには対応できない。
当然、PRWのディガス支部やレホルリン神獣騎団アトラス支部(実はATになくPRWにある)、PRW捜査局機動特務部による大激戦が繰り広げられた。
しかし、地の利と組織力に勝るアトラス連合部隊、犠牲を払いつつも的確に誘導して強行上陸部隊を撃退。
残党は終戦まで残ってしまった(一部では残党が戦後に至るまでひっそり暮らしていたと言う)が、PRWの要地を占領させることはついになかったのである。

そして、ヴァーツは作戦終了後もこの誤作動の原因を把握できないままであった。
疑心暗鬼に陥ったヴァーツ。ストローヴィラ級を失ったとしても余力は十分にあったのだが、そうするとやはりオネルエスの破壊という事態になってしまう。
タイミングよくアトラス連合が出てきた以上、誤作動はアトラス連合の何らかの策があったに違いないとは読んだが、原因がどうしてもわからなかったのだ。(酒の成分自体は検出されたが、量が多くなかった上避難船が積んでいたものと誤認したようだ)
残っていた艦船だけでは再び誤作動を起こし、PRW防衛艦隊相手の苦戦も想定に入れざるを得ない情勢になった。
ガルエストル人民連邦軍の決死の抵抗に手を焼いた主力軍がそちらに兵力を集中させようとし、ヴァーツ艦隊間での連携がメチャメチャになったのも痛かった。
(ストローヴィラ級は通信を重視しないヴァーツにとっては数少ない超重要通信拠点でもあり、喪失によって連携がガタガタになったのだ)

結果としてPRW包囲戦の戦況は完全に膠着してしまい、アトラス連合軍の逆襲にともなってPRWの封鎖を解除することになったのである。


デザイン・プロフィール:イメージソースは、『シン・ゴジラ』に登場した「史上最も綿密なヤケクソ作戦(白銀評価)」ヤシオリ作戦。
ヤシオリとは、ヤマタノオロチを酔わせるのにスサノオノミコトが使った酒の意味だったところ、そこで閃いたのが「有機的なディテールを持つストローヴィラ級&ヘルドレイガー級。生き物という訳ではなくとも、生物的な機能を持っている可能性が高い。もちろん、そうだとしても、毒物などヴァーツも想定済であり、それには十分な防備をしていると思われる。だが、「酒」なら毒物と言うほど警戒していない可能性が高い。酒なら、全艦凍結とまではいかなくともちょっとした誤作動くらいなら起こせるんじゃないか?」
PRW攻防戦自体はもともとある程度の形があったものの、メルペオネで敗れたあとのアトラス連合軍が「ある物を工夫して使って最大限抵抗」した作戦としてまとめたもの。もちろん無人酒爆弾のイメージも無人新幹線爆弾&在来線爆弾である(爆)。コロニーをぶつけるのは実はもともとあった案である。
PRW強行上陸も想定しているため、個人戦の勇者やヴァーツからの寝返りフラグも可能である。
無論、酒だけですべてがうまくいくというのもややご都合主義であり、もう少し上手く練っていきたいところである。



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最終更新:2016年09月18日 23:17