更新日 : 2016/10/02 Sun 03:46:41


シン・ゴジラは定向進化をしていた?




シン・ゴジラの不明瞭すぎる行動目的


『シン・ゴジラ』において、ゴジラの上陸した目的。これらは今なお明らかにされていない。
作中、行動生態学的なアプローチも取られていないわけではなかったが、 結局「ただ歩いているだけなので何もわかりません」であった。

牧教授怨念説やレーダーのような器官に反応して東京に接近したなどいろいろな意見がネット上に上がっている。
そんな中で、白銀が立てた一つの仮説が「定向進化説」である。

定向進化とは何か


「定向進化」とは、進化に関する一つの考え方である。
マンモスの牙やサーベルタイガーの牙など、ある器官が巨大化する進化をする生物は多いのだが、 大きくなりすぎて邪魔でしかなく生存や繁栄に不利としか思えないレベルまで巨大化してしまう例 がある。
このことから、 ある動物の進化が勢い余ってしまうことがある のではないか、という進化に関する説が定向進化である。
現在定向進化という考え方は実際の地球上の進化論としては必ずしも受け入れられているわけではなく、「本当に不利だったのか」「生存には不利でも、配偶者を見つけるのには有利だったのではないか」という意見もある。
定向進化論の是非を論じることは、白銀にはできない。

ただ、仮に定向進化という現象が実際にはありえないとしても、それはあくまで通常生物の範疇で見出された考え方に過ぎない。
個体レベルで起きた突然変異も、それだけならば代替わりの中で環境に対して不利になることのない辺りに落ち着くと考えられる。
だが、一個体のまま進化するゴジラの場合、代替わりを経ないからこそ、一旦始めた進化に歯止めがかからず、勢い余ってしまうことはあり得るとも思えるのだ。


ゴジラの不合理な進化


ゴジラ定向進化理論は仮説に過ぎないが、ゴジラ第3形態と第4形態の差、さらに再上陸を説明出来る説だと考えている。
さらに巨大化してどっしりし、陸に適応している。

だが、 一旦海に逃げたあと、さらに陸上向けに進化する理由は全くないではないか?
いくらなんでも鎌倉上陸までにどこかに上陸していたら自衛隊が気づくだろうし、沿岸部にいたとも思われない。(相模トラフの可能性が示唆されていた)
海に潜ったら再び海中向けに進化し直せば良かったし、そうなるのがむしろ普通ではないか?
少なくとも、更に陸上に適応するのはどう考えても変だ。
一旦陸上に上がっても再度海に戻って海に対応して進化する、というのはクジラなどの例を見ればありえることのはずである。(クジラの先祖は陸棲哺乳類である)

さらに、あのサイズになった段階でゴジラには身体防衛はゴジラには不要である。
ゴジラには餌もいらないから餌を取りに来たわけでもない。
繁殖のための異性がいるわけでもない。
どう考えても、鎌倉に上陸した時点では海に戻ろうと思えば簡単に戻れたはず。
なぜわざわざ陸地に上がってきたのだろうか。


シン・ゴジラ定向進化仮説



さて、白銀の考察したゴジラ進化に関する仮説に基づいたストーリーは、以下のようになる。


呑川遡上

 ゴジラが 呑川を遡上したのは、単なる事故 だった。
 クジラやイルカが上陸して死亡する事故は現実にも報告されているし、あの巨体で餌もとらないゴジラに淡水を遡る理由はない。
 オオメジロザメのように淡水・海水双方への耐性をゴジラが持っていれば、事故的にさかのぼってしまうという解釈はあり得る。

上陸

 呑川は狭く、進めなくなった上になまじ大きすぎて戻ることもできなくなったゴジラは、上陸への適応を決断(自らの意思で進化できるのかは不明だが、対応力を持つのは明らかだろう)

第三形態進化

  上陸した上であてもなく歩く中で、 さらに陸上に適応した二足歩行形態になった。
 蒲田くん形態は移動するに際して邪魔が多く、エネルギー消費も激しいと思われる。

海中への逃亡

 一旦体が熱を持ちすぎて第二形態に近い形に一時的に戻すことはできたが、 この時点で陸上に対応する進化の流れが止まらなくなっていた。

海中での進化

 海中に戻っても陸上対応進化は止まることはなかった。
 そのため、 逆に海中にいられなくなってしまった。

再上陸

 海中での適応性がなくなったゴジラは、再び自身が適応してしまった陸上に上がるために鎌倉に上陸した。
 海中進化という視点からすれば敗者なゴジラもその分陸上での強さを得たと考えられる。


余談


 生態系において生き残れなくなる生物というのは、個体の強靭さとは必ずしも関係ない。繁殖力の強さや環境適応能力が重要である。
 人間という例外を除けば、食物連鎖の頂点に立つ生物や巨大な生物ほど環境の変化に弱く、狩猟圧や環境の変化で子孫を残せなくなり簡単に滅んでしまう。
 ライオンもトラもクマも、多くの種が絶滅に瀕しているし、新生代のインドリコテリウムやティタノティロプスといった大型哺乳類も小型哺乳類に敗れて衰退した。
 クジラ類で最も強い種族の一つであるマッコウクジラも、海底までわざわざ餌を取りに行くように進化したのは浅海での生存競争に敗れたからという説がある。
 体長10mを越すような個体がたくさんいた恐竜ですら、末期には哺乳類との生存競争に敗れるようになったと理解されるようになっている。

 自然界において、弱肉強食という言葉は「強弱」という言葉が「戦って生存できるかどうか」のみを意味する限り、インチキと断言できるだろう。
 戦って生存できるという意味なら、間違いなくゴジラが最強に違いない。
 しかし、自然界はそんなに甘くなかった・・・というのが白銀の仮説である。



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