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#br 5月01日 琵琶湖栽培漁業センター見学 5 月 1 日(木)、滋賀県水産振興協会を訪問し、琵琶湖栽培漁業センターの役割と活動について学習した。琵琶湖の水産業についてもっと知りたいというのが動機であったが、参加者 9 名ともセンター側の丁寧な説明、飼育池見学を通じて水産業への理解が増し、琵琶湖がより身近なものになった。 ご説明いただいた粟野常任理事はじめスタッフの方々の親切な対応に感謝いたします。 ***その1 学習したこと 栽培漁業とは「海(湖)の幸は無尽蔵」という考えの対極に立ち、魚介類が琵琶湖という天然環境で最も損耗が大きい時期を人間がある程度の大きさまで飼育した後に放流し、自然の中で本来の大きさに育ってから漁獲するといった新しい考え方である。 昭和 47 年に国の施策として琵琶湖水位の管理レベルの向上を目的に総合開発事業が始まり、約 25 年かけて完成した。当時、この開発の影響で漁獲量が減少すると予測されたため、その対策の一つとして水産振興協会が設立された。 栽培漁業センターでは植物性プランクトン、動物性プランクトンの生産、放流対象魚の産卵、孵化、稚魚の一定サイズまでの育成及び放流を行っている。 放流対象は、ニゴロブナ、ホンモロコ、アユ、セタシジミである。 -ニゴロブナ、ホンモロコの漁獲量はピークの 10 分の 1 となっており、外来魚による影響も大きい -アユが減っていないのは湖中央の深みに棲み外来魚の影響を受けないから。アユは移植用のあゆ苗として姉川と安曇川の 2 箇所の人工河川で生産されている -セタシジミは昭和 30 年代後半から減り始め、種々の原因で今も大幅減 ニゴロブナの放流は 2 つの方法がある。 +センターで 12 センチ(約 20 グラム)まで育てて放流 ( 130 万尾) +水田中間育成事業としてセンターで体長 4 ~ 5 ミリまで育て、一月ほど田んぼに放流し、 2 センチになったところで琵琶湖に放流 ( 1000 万尾) ニゴロブナの漁獲のうち天然ものは 35 %、放流ものは 65 %で、放流魚のうち約 60 %は 12 センチになって放流した魚(上記 1 .の 130 万尾から成長した)、約 40 %は 2 センチで放流したもの(上記2.の 1000 万尾から成長した)である。やはり 2 センチものは外敵に食べられるリスクが大きい。 放流の効果を把握する為には放流した魚であるとの識別が必要であるが、このために ALC という色素を稚魚の耳石に吸収させておき、捕獲した成長魚の耳石の日輪を蛍光顕微鏡を使って識別している。この方法は日本で開発したものであり、わが国の栽培漁業技術は世界のトップレベルにある。 ニゴロブナ、ホンモロコの放流は夏場の各地域の水産イベントや彦根水産試験場の一般公開時などに併せて行われている。 &italic(){&bold(){( 2008 年 5 月  誠司) }} ***その2 楽しい話 硬い話の次はチョッと匂うふなずしの話。 皆さんはふなずしは好きですか? 食べられますか? 値段を知っていますか? 調理の方法を知っていますか? 鮒は ♀ の方が ♂ より美味しく数倍高いと言う事を知っていますか? 今年はふなずしに挑戦です。近日中に希望者を募集します。水産振興協会の協力によりふなずしの漬け方を講習をしてもらう予定です。 ふなずしは母なる湖、琵琶湖で育ったニゴロブナを近江米コシヒカリで漬け込んだ滋賀県名物で 全長 29 cm、重さ 400 gで 10,000 円位します。またその匂いが苦手という方が多く、初めて食べた時の強烈な匂い、鼻をつまんでも食べられない、人間の食べ物とは思われない、等の体験をされた方がほとんどだと思います。黄ばんだごはんをなめて見るとまずく、吐き出しそうな味を体験された方も大勢いると思います。 しかし最近のふなずしは昔に比べていやな匂いが減っているとのこと。処理方法が改善されて雑菌の繁殖が抑えられた為だそうです(粟野理事の話)。 したがってきちんとした指導のもと自分で漬けたふなすしは美味しい事請け合いです。( 7 月中旬以降に講習予定です) 作り方: +子持ちフナのウロコを除去する +卵を傷付けないようエラからワタ ( 内臓 ) を抜く +充分塩漬けする( 3 ヶ月~ 6 ヶ月:フナの大きさ等により異なる) +きれいな水でよく洗う +残った塩をさらに洗い流す +一晩陰干しし、完全に水をきる +エラから腹に “ごはん” を詰める +樽に “ごはん” とフナを交互に重ねる +本漬けする(約半年:フナの大きさ等により異なる ) ちょっとインターネットで調べて見ました。 &bold(){鮒寿し} は文化だ!歴史が深い!体にいい発酵食品! -&bold(){鮒寿し}は、発酵によってタンパク質が分解、うま味のもとであるアミノ酸が作られます。アミノ酸は、元気回復の素になります -風邪、下痢便秘や疲労などに&bold(){鮒寿し}を食べると良いとされています。ヨーグルトと同じく乳酸菌が豊富(培養菌は 2000 種以上)で、腸内の酸度を下げて、悪玉菌の生育を抑制、または死滅させる整腸作用があると言われています。 その他にも酢酸、酪酸、プロピオン酸などの有機酸が検出されているそうです -アミノ酸がアミン酸になり、特有のニオイが出ると言われています。納豆やチーズ同様、独特の香りがします(ブルーチーズの香りに似ていると言われますがもっと強い)このニオイが、&bold(){鮒寿し}好きにはたまらなかったりします -酒の肴として知られていますが、 鮒寿し を食べるとあまり悪酔いしないと言われます。 &italic(){&bold(){( 2008 年 5 月  孝)} } #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br ---- ----
#br 5月01日 琵琶湖栽培漁業センター見学 5 月 1 日(木)、滋賀県水産振興協会を訪問し、琵琶湖栽培漁業センターの役割と活動について学習した。琵琶湖の水産業についてもっと知りたいというのが動機であったが、参加者 9 名ともセンター側の丁寧な説明、飼育池見学を通じて水産業への理解が増し、琵琶湖がより身近なものになった。 ご説明いただいた粟野常任理事はじめスタッフの方々の親切な対応に感謝いたします。 ***その1 学習したこと 栽培漁業とは「海(湖)の幸は無尽蔵」という考えの対極に立ち、魚介類が琵琶湖という天然環境で最も損耗が大きい時期を人間がある程度の大きさまで飼育した後に放流し、自然の中で本来の大きさに育ってから漁獲するといった新しい考え方である。 昭和 47 年に国の施策として琵琶湖水位の管理レベルの向上を目的に総合開発事業が始まり、約 25 年かけて完成した。当時、この開発の影響で漁獲量が減少すると予測されたため、その対策の一つとして水産振興協会が設立された。 栽培漁業センターでは植物性プランクトン、動物性プランクトンの生産、放流対象魚の産卵、孵化、稚魚の一定サイズまでの育成及び放流を行っている。 放流対象は、ニゴロブナ、ホンモロコ、アユ、セタシジミである。 -ニゴロブナ、ホンモロコの漁獲量はピークの 10 分の 1 となっており、外来魚による影響も大きい -アユが減っていないのは湖中央の深みに棲み外来魚の影響を受けないから。アユは移植用のあゆ苗として姉川と安曇川の 2 箇所の人工河川で生産されている -セタシジミは昭和 30 年代後半から減り始め、種々の原因で今も大幅減 ニゴロブナの放流は 2 つの方法がある。 +センターで 12 センチ(約 20 グラム)まで育てて放流 ( 130 万尾) +水田中間育成事業としてセンターで体長 4 ~ 5 ミリまで育て、一月ほど田んぼに放流し、 2 センチになったところで琵琶湖に放流 ( 1000 万尾) ニゴロブナの漁獲のうち天然ものは 35 %、放流ものは 65 %で、放流魚のうち約 60 %は 12 センチになって放流した魚(上記 1 .の 130 万尾から成長した)、約 40 %は 2 センチで放流したもの(上記2.の 1000 万尾から成長した)である。やはり 2 センチものは外敵に食べられるリスクが大きい。 放流の効果を把握する為には放流した魚であるとの識別が必要であるが、このために ALC という色素を稚魚の耳石に吸収させておき、捕獲した成長魚の耳石の日輪を蛍光顕微鏡を使って識別している。この方法は日本で開発したものであり、わが国の栽培漁業技術は世界のトップレベルにある。 ニゴロブナ、ホンモロコの放流は夏場の各地域の水産イベントや彦根水産試験場の一般公開時などに併せて行われている。 &italic(){&bold(){( 2008 年 5 月  誠司) }} #ref(P5010100.png) #ref(P5010103.png) #ref(P5010105.png) ***その2 楽しい話 硬い話の次はチョッと匂うふなずしの話。 皆さんはふなずしは好きですか? 食べられますか? 値段を知っていますか? 調理の方法を知っていますか? 鮒は ♀ の方が ♂ より美味しく数倍高いと言う事を知っていますか? 今年はふなずしに挑戦です。近日中に希望者を募集します。水産振興協会の協力によりふなずしの漬け方を講習をしてもらう予定です。 ふなずしは母なる湖、琵琶湖で育ったニゴロブナを近江米コシヒカリで漬け込んだ滋賀県名物で 全長 29 cm、重さ 400 gで 10,000 円位します。またその匂いが苦手という方が多く、初めて食べた時の強烈な匂い、鼻をつまんでも食べられない、人間の食べ物とは思われない、等の体験をされた方がほとんどだと思います。黄ばんだごはんをなめて見るとまずく、吐き出しそうな味を体験された方も大勢いると思います。 しかし最近のふなずしは昔に比べていやな匂いが減っているとのこと。処理方法が改善されて雑菌の繁殖が抑えられた為だそうです(粟野理事の話)。 したがってきちんとした指導のもと自分で漬けたふなすしは美味しい事請け合いです。( 7 月中旬以降に講習予定です) 作り方: +子持ちフナのウロコを除去する +卵を傷付けないようエラからワタ ( 内臓 ) を抜く +充分塩漬けする( 3 ヶ月~ 6 ヶ月:フナの大きさ等により異なる) +きれいな水でよく洗う +残った塩をさらに洗い流す +一晩陰干しし、完全に水をきる +エラから腹に “ごはん” を詰める +樽に “ごはん” とフナを交互に重ねる +本漬けする(約半年:フナの大きさ等により異なる ) ちょっとインターネットで調べて見ました。 &bold(){鮒寿し} は文化だ!歴史が深い!体にいい発酵食品! -&bold(){鮒寿し}は、発酵によってタンパク質が分解、うま味のもとであるアミノ酸が作られます。アミノ酸は、元気回復の素になります -風邪、下痢便秘や疲労などに&bold(){鮒寿し}を食べると良いとされています。ヨーグルトと同じく乳酸菌が豊富(培養菌は 2000 種以上)で、腸内の酸度を下げて、悪玉菌の生育を抑制、または死滅させる整腸作用があると言われています。 その他にも酢酸、酪酸、プロピオン酸などの有機酸が検出されているそうです -アミノ酸がアミン酸になり、特有のニオイが出ると言われています。納豆やチーズ同様、独特の香りがします(ブルーチーズの香りに似ていると言われますがもっと強い)このニオイが、&bold(){鮒寿し}好きにはたまらなかったりします -酒の肴として知られていますが、 鮒寿し を食べるとあまり悪酔いしないと言われます。 &italic(){&bold(){( 2008 年 5 月  孝)} } #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br #br ---- ----

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