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7月23日 湖上タクシーと竹生島観察

湖上タクシーによる竹生島観察

7月23日(水)、晴天に恵まれた猛暑の中、有志11名が琵琶湖で問題になっている川鵜の被害を確かめるため湖上タクシーを利用して竹生島を観察して来ました。
午前10時20分、普段は漁船として使われている200馬力の琵琶知丸に乗船、尾上港を出発、船頭は精悍に日焼けした松岡正富さん。乗船前に琵琶湖から人間社会(陸上)を眺めてほしいと言われ、ただ船に乗って遊覧するだけでは済まされないと多少の緊張感を持ちました。港を出てすぐにエンジン停止。ゆらゆら漂う船と優しい風だけの世界に数分間。言いようの無い心地よさに陶然としていると、遠くの車の音がかすかに聞こえてきました。松岡さんの話では「普段横を通っても気にならなくなっている車の音が、遠くの湖上でははっきりと聞こえ、そのうちにどんな車なのか大きさまで感じ取ることが出来る」とのこと。漁は自然の中での魚との無言の対話、自然の中でゆったりと感性を磨くことが、特に子供たちにとっては非常に大切であるなど、含蓄のある説明にうっとり。なんとファンタスティックな話ではありませんか。信長や秀吉も眺めたその時のままの風景。当時もこの穏やかな中で身の安全が保障されるこの場が命の洗濯の場であったと言われていたそうです。
夢の中にいるようなのんびりした時を楽しんだ後、船は改めて速度を増す。遠くの水上に浮かんでいる鳥たちを発見。「まあ可愛い」といっているうちに数千羽の群れに遭遇。琵琶湖八景に詠われた「緑とロマンの竹生島」が裏に回ると次第に茶褐色に変わり、木々は枯れ果て、その中に無数の鵜が休息しているといった状況を見るとただ事で無い感じ。可愛く見えた鳥たちが一転不気味に見えくる。一羽の川鵜が食べる魚は一日に350~500グラム、全体で4万羽ほどの鵜が食べる魚の量はすでに琵琶湖の漁獲高を超えたとのこと。「予想以上にひどい」というのが全員一致した感想でした。
川鵜が増えた理由は、えさが豊富にあり、子育てに適した気候であり、何といってもこの地が彼らにとって安全であるからだそうです。松岡さんによると、20数年前に3羽の川鵜を見たのが始めで、30年ほどでいまの状況になったそうです。
県としても当然色々と駆除対策を行ってきました。6千万円を使ってヘリコプターで樹上にネットをかぶせるなどかなり大掛かりな対策もありました。しかし今ではそのネットの間に沢山の鵜が休んでいました。また昨年までは猟銃による駆除も行われていたようですがすでに打ち切り、今年はどうも手をこまねいているといった状況です。やはり「住民に直接の被害は出てない」というので、強い対策に繋がっていないのかもしれません。切実な環境問題として真剣に取り組んでいる松岡さんには多くの示唆をいただき非常に多くのことを学んだ半日でした。
その後上陸して竹生神社に参拝、帰りは時速50キロ超のスピ-ドで、わずか10分足らずでしたが快適なクルージングを楽しみました。

竹生島に近づくにつれ褐色部分が目立ってくる

糞の堆積により枯れた木々

島の樹上にも付近の湖上にもかなりの数の川鵜


(2008年7月   篤子)