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**これ1台で楽しめる、ENJOYパソコンライフ&br()MSXパソコン全員集合
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#ref(http://www31.atwiki.jp/tagoo?cmd=upload&act=open&pageid=27&file=machines.png)
}
マイコンが登場してから、もう10年近くの年月がすぎました。当時はコンピュータといっても、基板の上に、大小さまざまなICやLSIが、たくさん付いていて、今となっては一見ガラクタのようにも見える、ボード・コンピュータです。そのような時代には、BASICが使えるということは、夢のまた夢の話でした。
そんな中で、各社から現在のパソコンの原点ともいうべき、マイコンが登場してきたのです。それぞれに、固有の機能やBASICを搭載して。
それから、パソコンが広く一般に普及していくまでには、そう時間はかかりませんです。つぎつぎと登場する各社の新製品のラッシュです。
そんな、急速に進歩するパソコンの分野が、ただ一つかかえたのが、互換性の問題でした。「A社のパソコンを買ったけど、友達の持っているB社のパソコンのソフトは使えないよ~!」とか、「あの機種は、今一番機能が多いけど、もうすぐ新しい機種が出てくるからなあ~」など、買うほうも何を買っていいのかわからなくなるほど、機能や仕様がマチマチになってしまったのです。
そんな背景があって、ホーム・パソコンの仕様統一の目的で登場したのが、MSXパソコンなのです。MSXパソコンは、ソフトウェアと、ハードウェアの基本枠が統一されていて、MSX規格適合機ならば、どのメーカーのどの機種でも、基本仕様は共通であり、ソフトの互換性のほうもバッチリというのです。
MSXパソコンも、登場したばかりのころは“ゲーム専用機”的なイメージがわしてくるほど、ゲームの分野がクローズアップされていましたが、最近は「実用性重視」、「拡張機能の付加」を前面に押し出した機種も増えてきています。
MSX用周辺機器のほうもまた、プロッタ・プリンタ、シンセサイザ、フロッピーディスク、ライトベン、クイック・ディスクなど、各社からどのMSXにも使用できる形で発売されているのです。
このように、ホーム・コンピュータとしての仕様統一を目的としてスター卜した、MSXパソコンは、パソコンの一つの流れを築きあげたわけです。
#center(){
#ref(http://www31.atwiki.jp/tagoo?cmd=upload&act=open&pageid=27&file=TK80.png)
&strong(){▲ボード・コンピュータの名機。NECのTK-80}
}
#center(){
#ref(http://www31.atwiki.jp/tagoo?cmd=upload&act=open&pageid=27&file=TLCS-12A.png)
&strong(){▲今では珍しい、12ビット・マイコン(東芝TLCS-12A)}
}
#center(){
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&strong(){▲16ビットのさきがけとなった、パナファコムLKIT-16}
}
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**不思議?ふとあけてみたくなる。これマニヤの心理!&br()MSXパソコンのしくみ
MSXパソコンもマイコンです。昔のマイコンのように、ボードの上にICやLSIがたくさん載っていることには、なんらかわりはありません。しかし、体裁のいいケース、電源を入れると内部を意識せず使える構成など、中に入っているICやLSIを意識させない、いわば"スマート”な形に仕上がっているため、そのようなイメージがわかないだけなのです。
きれいに仕上がったパソコンも、“あけてみれば愛”ならぬ、あけてみれば昔の"ボード・コンビュータ”なのです。
さあ、それではMSXの内部を、探険してみましょう。
#center(){
#ref(http://www31.atwiki.jp/tagoo?cmd=upload&act=open&pageid=27&file=board.png)
}
*MSXの頭脳CPUはZ80A
CPUはどんなパソコンの内部にも必ずあるものです(その種類によってはMPUと呼ぶ場合もあります)。CPUとは、Central Processing Unitの略称で、パソコンの動きのすべてをつかさどる、いわばパソコンの頭脳ともいうべきLSIなのです。このCPUにも、8080、8085、Z80、6800、6809、SC/MPといった、いろいろな種類があり、それぞれ使用法や命令などが違っているのですが、MSXパソコンでは、このうちZ80というCPUを使用しています(実際に使用しているのは、Z80Aという高速仕様のものです)。
Z80は、アメリカのザイログというメーカーが開発したCPUですが、これと同じ性能を持ったCPUが日本ても生産されており、NECのμPD780C、LH0080AなどというCPUは、すべてZ80の仲間です。
#center(){
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&strong(){▲東芝HX-22の基板}
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&strong(){▲Z80の仲間}
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*記憶力で勝負!!MSXのメモリ
メモリは、マイコンに実行させるプログラムやデータを記憶しておく場所で、用途によってROMとRAMが使いわけられます。
ROM には電源を切っても消えない、書替えができないという特徴があり、BASICなど消えては困るもの、変えてはいけないものを記憶させます(これは、製品となる段階で書きこまれます)。
RAM は、BASICのプログラムやデータ、マシン語のプログラムなど、つねに書替えががおこるものや、電源を切ったら忘れてしまってもいいものを記憶するメモリです。
MSXパソコンでも、ROMにはMSX-BASICが書きこまれていて、この部分は各社ともほぼ(一部違う場合はありますが)共通で、32Kバイトを使用しています。RAMのほうは、各社製品ごとにマチマチな面があり、8Kバイトからはじまって、64Kバイトまで、いろいろな大きさのRAMが内蔵されています。
しかし、「RAMが多いほどすぐれた機種」という考えかたは誤りで、どのMSXも同じ大きさのRAM容量にまで拡張できることを頭においてください。
MSXのCPUであるZ80は、最大64Kバイト(やりかたによっては、それ以上の使いわけをすることもできます。しかし標準使用では64Kバイトです)のメモリを使いわけることができるので、BASIC使用時には、最大32KバイトまでのRAMを利用できるわけです。
#center(){
#ref(http://www31.atwiki.jp/tagoo?cmd=upload&act=open&pageid=27&file=ROM.png)
&strong(){▲ROM}
}
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#ref(http://www31.atwiki.jp/tagoo?cmd=upload&act=open&pageid=27&file=RAM.png)
&strong(){▲RAM}
}
*画面表示ならまかせとけ!!VDP ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ
MSX の画面表示の仕事をしているのが、このVDPというLSIです。正式名称はTMS9918Aという、アメリカのテキサス・インスツルメンツ社の製品です。
VDPは、16色のカラー表示、最大256×192ドットのグラフィック表示、最大40×24文字の文字表示が可能という性能を持った、画面コントローラLSIです。
また、VDPは本体CPUのメモリを使うことなく、画面表示がスム
ーズにできるよう、専用のRAMを持っており、従来、CPUのメモリ空間の一部分が、ビデオRAM(画面表示用のRAM)として使用されていた場合と異なり、CPUのメモリは、フルに活用することができます。
また、MSXパソコンの特徴の一つであるスプライト(自由に定義したパターンを、重ねあわせ1ドット単位での操作ができる)も、このVDPによって実現されています。
#center(){
#ref(http://www31.atwiki.jp/tagoo?cmd=upload&act=open&pageid=27&file=VDP.png)
&strong(){▲これがVDPだ}
}
*音楽の担当は? PSG プ口グラマブル・サウンド・ジェネレータ
アメリカの、ゼネラル・インスツルメンツ社が開発したLSIで、AY-3-8910というのが正式名称です。簡易シンセサイザともいえるLSIで、3重和音+1ノイズの音を発生できる機能を持っています。バソコン・マニヤならもうおなじみのLSIだと思います。このPSGは、音を出す機能のほかにも、汎用入出力ポート(ジョイスティックのコネクタは、ここにつながっているのです)としての機能も持っている、便利なLSIなのです。
#center(){
#ref(http://www31.atwiki.jp/tagoo?cmd=upload&act=open&pageid=27&file=PSG.png)
&strong(){▲PSGはこれだ}
}
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**パソコンも、周辺がなければただの箱!!&br()MSXと周辺機器の架け橋となるMSXパソコンのインターフェース
どんなに優秀なパソコンも、ディスプレイなどの周辺機器をつながなければ、その力を発揮できません。MSXの力を最大限に引き出すためには、インタフェースを無視できないわけです。それでは、MSXに装備されたインターフェースをながめてみましょう。
#center(){
#ref(http://www31.atwiki.jp/tagoo?cmd=upload&act=open&pageid=27&file=back.png)
}
*プログラムをカセットに!カセット・インターフェース
8 ピンのDINコネクタを使ったカセット・インターフェースは、一般的なFSK方式を使っています。書きこみ速度は、1200ボーと2400ボーの切替え式で、使用するテープレコーダによって自由に選ぶことができます。
#center(){
#ref(http://www31.atwiki.jp/tagoo?cmd=upload&act=open&pageid=27&file=cassette.png)
}
*カートリッジ・スロット
MSXの最も象徴的な部分が、このカートリッジ・スロットといえるでしょう。カートリッジ・スロットには、Z80の信号がすべて割当てられており、ROMカートリッジだけではなく、周辺機器を接続することもできるのです。
MSXパソコンは、従来のようにソフトが、カセット・テープ、ディスクといった磁気メディア供給されるわけではなく、本体ハードウェアのー部(カートリッジ)として供給されていることになるわけです。もちろん、このスロットに自作の周辺機器をつなぐこともできます。機種によっては、カートリッジ・スロットを、複数個用意したり、サイド・スロット、リヤ・スロットを付けてあったりするものもありますが、基本的にはこれらは共通のものであると考えてもいいでL ょう。
*オーディオ出力端子
MSXは、おんせいのっ出力をモニタ側で行なうように設計されています(内部にスピーカの内蔵された機種もありますが)。つまり、オーディオ・アンプ回路の内蔵されていない、ディスプレイなどに接続した場合、MSX本体からは音が出ないわけです。オーディオ出力端子は、MSXからの音声信号を出力する端子で、アンプに接続することで、その音声をならすことができます。また、最近は、PSGの3重和音を、二つにわけて、ステレオ出力と機種(東芝HX-20シリーズなど)もあります。
*ビデオ出力端子
ピデオ入力端子付きの、ディスプレイに接続するための端子で、RF出力よりもきれいな画面を表示することができます。
*プリンタ・インターフェース端子
セントロニクス規格のプリンタを接続する14ピンの端子です。一般のパソコン用のプリンタも、最近はこのセントロニクス規格準拠のものが多いので、たいがいのプリンタは、ここに接続できます。ただし、MSX専用プリンタでなければ、表示できない文字などもありますから、注意が必要です。
*キーボード
人間の意思をパソコンに伝えるための、最も重要なインターフェースがキーボードです。キーボードからの信号は、MSX内部のPPI(8255というLSI)につながっています。
#center(){
#ref(http://www31.atwiki.jp/tagoo?cmd=upload&act=open&pageid=27&file=8255.png)
}
*RF出力(テレビ・インターフェース)端子
画面表示を家庭用のテレビで行いたいときに使用する端子で、MSXの画面表示を、テレビの1chか、2chの電波として出力する端子です。この端子を使えば、キミの家のテレビが、パソコンに使えるわけです。
*RGB出力端子
最近は、MSXパソコンにも、このRGB端子を設けた機種が増えてきました。RGB方式の特徴は、なんといってもその画質のよさです。ビデオ出力、RF出力が一度3原色に合成してから、テレビに送るのに対し、RGB出力は三つの信号を同時に、しかも、ダイレクトに送っているのです。その結果、色信号分解時に出るロスや、信号減衰などが、きわめておこりにくく、きれいな画面が表示できるのです。
*汎用入出力ポート
ジョイスティック用の端子と呼んだほうが、わかりやすいかもしれません。しかし、この端子は単にジョイスティックにしか使用できないわけではありません。前項でもお話ししたように、PSGの入出力ポートにつながっているため、入力用、出力用のどちらにでも活用できる便利な端子なのです。ここに接続できる周辺の実例としては、ジョイスティックのほかに、ジョイパッド、パドル、グラフィック・ボール(ソニーより発売)などがあげられます。
#center(){
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月刊ラジオの製作1985年1月号(通巻362号)P159 記事より転載
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**これ1台で楽しめる、ENJOYパソコンライフ&br()MSXパソコン全員集合
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マイコンが登場してから、もう10年近くの年月がすぎました。当時はコンピュータといっても、基板の上に、大小さまざまなICやLSIが、たくさん付いていて、今となっては一見ガラクタのようにも見える、ボード・コンピュータです。そのような時代には、BASICが使えるということは、夢のまた夢の話でした。
そんな中で、各社から現在のパソコンの原点ともいうべき、マイコンが登場してきたのです。それぞれに、固有の機能やBASICを搭載して。
それから、パソコンが広く一般に普及していくまでには、そう時間はかかりませんです。つぎつぎと登場する各社の新製品のラッシュです。
そんな、急速に進歩するパソコンの分野が、ただ一つかかえたのが、互換性の問題でした。「A社のパソコンを買ったけど、友達の持っているB社のパソコンのソフトは使えないよ~!」とか、「あの機種は、今一番機能が多いけど、もうすぐ新しい機種が出てくるからなあ~」など、買うほうも何を買っていいのかわからなくなるほど、機能や仕様がマチマチになってしまったのです。
そんな背景があって、ホーム・パソコンの仕様統一の目的で登場したのが、MSXパソコンなのです。MSXパソコンは、ソフトウェアと、ハードウェアの基本枠が統一されていて、MSX規格適合機ならば、どのメーカーのどの機種でも、基本仕様は共通であり、ソフトの互換性のほうもバッチリというのです。
MSXパソコンも、登場したばかりのころは“ゲーム専用機”的なイメージがわしてくるほど、ゲームの分野がクローズアップされていましたが、最近は「実用性重視」、「拡張機能の付加」を前面に押し出した機種も増えてきています。
MSX用周辺機器のほうもまた、プロッタ・プリンタ、シンセサイザ、フロッピーディスク、ライトベン、クイック・ディスクなど、各社からどのMSXにも使用できる形で発売されているのです。
このように、ホーム・コンピュータとしての仕様統一を目的としてスター卜した、MSXパソコンは、パソコンの一つの流れを築きあげたわけです。
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&strong(){▲ボード・コンピュータの名機。NECのTK-80}
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&strong(){▲今では珍しい、12ビット・マイコン(東芝TLCS-12A)}
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&strong(){▲16ビットのさきがけとなった、パナファコムLKIT-16}
}
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**不思議?ふとあけてみたくなる。これマニヤの心理!&br()MSXパソコンのしくみ
MSXパソコンもマイコンです。昔のマイコンのように、ボードの上にICやLSIがたくさん載っていることには、なんらかわりはありません。しかし、体裁のいいケース、電源を入れると内部を意識せず使える構成など、中に入っているICやLSIを意識させない、いわば"スマート”な形に仕上がっているため、そのようなイメージがわかないだけなのです。
きれいに仕上がったパソコンも、“あけてみれば愛”ならぬ、あけてみれば昔の"ボード・コンビュータ”なのです。
さあ、それではMSXの内部を、探険してみましょう。
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*MSXの頭脳CPUはZ80A
CPUはどんなパソコンの内部にも必ずあるものです(その種類によってはMPUと呼ぶ場合もあります)。CPUとは、Central Processing Unitの略称で、パソコンの動きのすべてをつかさどる、いわばパソコンの頭脳ともいうべきLSIなのです。このCPUにも、8080、8085、Z80、6800、6809、SC/MPといった、いろいろな種類があり、それぞれ使用法や命令などが違っているのですが、MSXパソコンでは、このうちZ80というCPUを使用しています(実際に使用しているのは、Z80Aという高速仕様のものです)。
Z80は、アメリカのザイログというメーカーが開発したCPUですが、これと同じ性能を持ったCPUが日本ても生産されており、NECのμPD780C、LH0080AなどというCPUは、すべてZ80の仲間です。
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*記憶力で勝負!!MSXのメモリ
メモリは、マイコンに実行させるプログラムやデータを記憶しておく場所で、用途によってROMとRAMが使いわけられます。
ROM には電源を切っても消えない、書替えができないという特徴があり、BASICなど消えては困るもの、変えてはいけないものを記憶させます(これは、製品となる段階で書きこまれます)。
RAM は、BASICのプログラムやデータ、マシン語のプログラムなど、つねに書替えががおこるものや、電源を切ったら忘れてしまってもいいものを記憶するメモリです。
MSXパソコンでも、ROMにはMSX-BASICが書きこまれていて、この部分は各社ともほぼ(一部違う場合はありますが)共通で、32Kバイトを使用しています。RAMのほうは、各社製品ごとにマチマチな面があり、8Kバイトからはじまって、64Kバイトまで、いろいろな大きさのRAMが内蔵されています。
しかし、「RAMが多いほどすぐれた機種」という考えかたは誤りで、どのMSXも同じ大きさのRAM容量にまで拡張できることを頭においてください。
MSXのCPUであるZ80は、最大64Kバイト(やりかたによっては、それ以上の使いわけをすることもできます。しかし標準使用では64Kバイトです)のメモリを使いわけることができるので、BASIC使用時には、最大32KバイトまでのRAMを利用できるわけです。
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*画面表示ならまかせとけ!!VDP ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ
MSX の画面表示の仕事をしているのが、このVDPというLSIです。正式名称はTMS9918Aという、アメリカのテキサス・インスツルメンツ社の製品です。
VDPは、16色のカラー表示、最大256×192ドットのグラフィック表示、最大40×24文字の文字表示が可能という性能を持った、画面コントローラLSIです。
また、VDPは本体CPUのメモリを使うことなく、画面表示がスム
ーズにできるよう、専用のRAMを持っており、従来、CPUのメモリ空間の一部分が、ビデオRAM(画面表示用のRAM)として使用されていた場合と異なり、CPUのメモリは、フルに活用することができます。
また、MSXパソコンの特徴の一つであるスプライト(自由に定義したパターンを、重ねあわせ1ドット単位での操作ができる)も、このVDPによって実現されています。
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*音楽の担当は? PSG プ口グラマブル・サウンド・ジェネレータ
アメリカの、ゼネラル・インスツルメンツ社が開発したLSIで、AY-3-8910というのが正式名称です。簡易シンセサイザともいえるLSIで、3重和音+1ノイズの音を発生できる機能を持っています。バソコン・マニヤならもうおなじみのLSIだと思います。このPSGは、音を出す機能のほかにも、汎用入出力ポート(ジョイスティックのコネクタは、ここにつながっているのです)としての機能も持っている、便利なLSIなのです。
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**パソコンも、周辺がなければただの箱!!&br()MSXと周辺機器の架け橋となるMSXパソコンのインターフェース
どんなに優秀なパソコンも、ディスプレイなどの周辺機器をつながなければ、その力を発揮できません。MSXの力を最大限に引き出すためには、インタフェースを無視できないわけです。それでは、MSXに装備されたインターフェースをながめてみましょう。
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*プログラムをカセットに!カセット・インターフェース
8ピンのDINコネクタを使ったカセット・インターフェースは、一般的なFSK方式を使っています。書きこみ速度は、1200ボーと2400ボーの切替え式で、使用するテープレコーダによって自由に選ぶことができます。
#center(){
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*カートリッジ・スロット
MSXの最も象徴的な部分が、このカートリッジ・スロットといえるでしょう。カートリッジ・スロットには、Z80の信号がすべて割当てられており、ROMカートリッジだけではなく、周辺機器を接続することもできるのです。
MSXパソコンは、従来のようにソフトが、カセット・テープ、ディスクといった磁気メディア供給されるわけではなく、本体ハードウェアのー部(カートリッジ)として供給されていることになるわけです。もちろん、このスロットに自作の周辺機器をつなぐこともできます。機種によっては、カートリッジ・スロットを、複数個用意したり、サイド・スロット、リヤ・スロットを付けてあったりするものもありますが、基本的にはこれらは共通のものであると考えてもいいでL ょう。
*オーディオ出力端子
MSXは、おんせいのっ出力をモニタ側で行なうように設計されています(内部にスピーカの内蔵された機種もありますが)。つまり、オーディオ・アンプ回路の内蔵されていない、ディスプレイなどに接続した場合、MSX本体からは音が出ないわけです。オーディオ出力端子は、MSXからの音声信号を出力する端子で、アンプに接続することで、その音声をならすことができます。また、最近は、PSGの3重和音を、二つにわけて、ステレオ出力と機種(東芝HX-20シリーズなど)もあります。
*ビデオ出力端子
ピデオ入力端子付きの、ディスプレイに接続するための端子で、RF出力よりもきれいな画面を表示することができます。
*プリンタ・インターフェース端子
セントロニクス規格のプリンタを接続する14ピンの端子です。一般のパソコン用のプリンタも、最近はこのセントロニクス規格準拠のものが多いので、たいがいのプリンタは、ここに接続できます。ただし、MSX専用プリンタでなければ、表示できない文字などもありますから、注意が必要です。
*キーボード
人間の意思をパソコンに伝えるための、最も重要なインターフェースがキーボードです。キーボードからの信号は、MSX内部のPPI(8255というLSI)につながっています。
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*RF出力(テレビ・インターフェース)端子
画面表示を家庭用のテレビで行いたいときに使用する端子で、MSXの画面表示を、テレビの1chか、2chの電波として出力する端子です。この端子を使えば、キミの家のテレビが、パソコンに使えるわけです。
*RGB出力端子
最近は、MSXパソコンにも、このRGB端子を設けた機種が増えてきました。RGB方式の特徴は、なんといってもその画質のよさです。ビデオ出力、RF出力が一度3原色に合成してから、テレビに送るのに対し、RGB出力は三つの信号を同時に、しかも、ダイレクトに送っているのです。その結果、色信号分解時に出るロスや、信号減衰などが、きわめておこりにくく、きれいな画面が表示できるのです。
*汎用入出力ポート
ジョイスティック用の端子と呼んだほうが、わかりやすいかもしれません。しかし、この端子は単にジョイスティックにしか使用できないわけではありません。前項でもお話ししたように、PSGの入出力ポートにつながっているため、入力用、出力用のどちらにでも活用できる便利な端子なのです。ここに接続できる周辺の実例としては、ジョイスティックのほかに、ジョイパッド、パドル、グラフィック・ボール(ソニーより発売)などがあげられます。
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月刊ラジオの製作1985年1月号(通巻362号)P159 記事より転載
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