※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

新しいホームパーソナルコンピュータ仕様MSXシステム


 マイクロソフト社と(株)アスキーは去る6月16日、互換性を持ったホームパーソナルコンピュータシステムMSX仕様を発表。国内外15社の賛同を得て低価格帯コンピュータの仕様標準化への提案を行った。

 これは、ゲームを中心としたホビーコンピュータから、スモールビジネスまでを対象とした仕様。これを各社が採用し、MSXに準拠したシステムを生産することにより、一つのROMカートリッジを各社のマシンで使用できるなど製品間の互換性が実現できる。

 発表に際しては、日本の主要エレクトロニクスメーカー14社とアメリカのメーカー1社の代表も出席し、17社による発表となった。

 出席したメーカーはキヤノン(株)、京セラ(株)、三洋電機(株)、(株)ゼネラル、ソニー(株)、東京芝浦電気(株)、日本楽器製造(株)、日本電気(株)、日本ビクター(株)、パイオニア(株)、(株)日立製作所、富士通(株)、松下電器産業(株)、三菱電機(株)(五十音順)の各社と、アメリカのスペクトラビデオ・インターナショナル社。

 さらに6月27日には、ソフトウェアメーカーに対するMSX説明会も開かれた。これには100社あまりの参加があり盛況であった。

 MSXシステムの主な特徴は、
  • MSX用のソフトウェア(ROMカートリッジ、カセットテープなどで供給)は、各社各機種間に互換性を持つ。
  • CPUにZ80A、CRTCにTMS9918A、PSGにAY-3-8910を使用した構成(それぞれ相当品を使用)
  • BASICには標準で14桁10進の倍精度演算および関数計算が可能なVer.4.5のマイクロソフト拡張BASIC(32KByte)を搭載、整数演算を高速で行う。
  • 16色のカラー表示、256×192ドットのグラフィック表示、3重和音演奏や効果音の発生が可能。
  • 固定されたシステムではなく、ハードウェア・ソフトウェアともに柔軟な拡張性を持ち、互換性を保ったまま、自由度の高い構成ができる。また将来のハードウェアの進化にも対応できるソフトウェアの構造。
  • BASICの主要な機械語サブルーチンやハードウェアの詳細が公開されるなど、一部に限定された仕様としない。
  • MSX仕様のカートリッジには同一のロゴを使用し、これを各社共通のシンボルマークとする。
などが挙げられる。

 また、MSXは日本だけでなくアメリカ市場でも提案されており、アクティビジョン、スピナカー、シリウス、オンラインなど大手ソフトウェアメーカー各社も、MSX仕様のソフトウェア開発に対し意欲的であるという。このことは、将来MSXシステムが国際的な標準となることも予想されるわけだ。

 パーソナルコンピュータの普及に伴って、ホームコンピュータとして家庭内への普及が期待されているが、そのためには各社製品に共通する仕様の標準化が必要とされている。

 家庭用ビデオレコーダーやレコードプレーヤーにみられるような仕様の標準化により、各社の製品に使用するテープやレコード盤に互換性が与えられ、その結果流通形態の単純化、普及の促進が可能となったわけである。民生用電子機器の普及にはこのように使用の標準化が必要で、このような中でパーソナルコンピュータ仕様の標準化が提案されたことは大きな意義があるといえよう。

MSXの主な仕様


CPU Z-80Aソフトコンパチブル(クロック3.579545MHz)
メモリ ROM 32Kbyte(マイクロソフト製MSX-BASIC)
RAM 8Kbyte以上
ROM,RAM共に拡張可能
VDP TMS9918Aコンパチブル
PSG AY-3-8910コンパチブル
PPI i8255コンパチブル
画面表示 テキスト表示能力 32文字×24行
グラフィック 256×192ドット
カラー 16色
CMT FSK方式、1200/2400ボー
サウンド 8オクターブ、3重和音出力
キーボード 英数、ひらがな、カタカナ、グラフィック記号対応
JIS配列、五十音順配列対応
ROMカートリッジ ROMカートリッジ、拡張バスに対応するスロットを持つ
I/Oバス カートリッジバスは50ピン、カードエッジ型
プリンタ 8ビットパラレル・インターフェース
ジョイスティック 1または2本接続可能
フロッピーディスク 各社対応
漢字機能 各社対応

MSX仕様の記者発表風景




発表するマイクロソフト社のビル・ゲーツ会長と(株)アスキーの西和彦副社長




MSX仕様のカートリッジ(見本)


MSXのロゴの付いたカートリッジであれば、どのメーカーのコンピューターでも使用することができる。


MSXのロゴマーク




月刊ASCII1983年8月号(通巻74号)P86 ASCII EXPRESS 記事より転載