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キャラクタークエスト・ウィル編のラストにて黒い霧の誘いを撥ね退けたウィルの決意の言葉
ウィルはかつて共に遺跡船に駆け落ちした最愛の妻・アメリアを亡くしている。
そのまま実家に居れば何不自由ない暮らしが出来ただろうに、自分のような甲斐性なしと
一緒についてこさせる選択肢を選ばせてしまったばかりに、裕福とは程遠い暮らしを
強いてしまったことをウィルはずっと気に病んでいたが、アメリアはその度に笑って今の生活を肯定した。
ゆえにこそ、ウィルは自分に出来る最大限の努力で持ってアメリアの願いを何でも叶えてやりたかった。
そしてそれを察したアメリアもまた、「一生のお願い」を度々使い、その度にウィルを困らせた。
その際の決まり文句は決まって「ゆびきりげんまん うそついたら はりせんぼん のます」
軽い頼みごとから微笑ましいイタズラまで、ウィルは可能な限り彼女の望みどおりにしてあげたかった。
しかしながら、薄氷の生活の維持との両立のため、中には叶えられない願いもいくつもあった。
その際にはアメリアは苦笑しながら、「次は約束叶えてくださいね」と微笑み返した。
だが、次はもう無かった。アメリアが大陸の父親に見つかり、無理やり強制送還させられたからだ。
ウィルとしても、経済力の無い自分と暮らすより、実家で暮らしたほうが彼女のためと敢えて追うことをしなかった。
そしてその後数年、妻のことを考える暇もないくらいに多忙な激務に追われながら、一通の訃報が届く。
元々身体の弱かったアメリアは実家で更に体調を崩し、そのまま還らぬ人となってしまったのだ。
もはやウィルが何回針千本を飲んでもアメリアは還って来ない。ウィルはこの上もなく落胆した。
今にして思えば「一生のお願い」はいつ明日を迎えられなくなっても良いように、いつこの願いが最後の願いに
なってもいいようにとの想いが込められていたのではなかったか。そう思うとウィルはただ悔やまずにはいられなかった。
そして更に数年。亡きアメリアの忘れ形見がかつて約束を果たせなかった自分に針千本を飲ませにやってきた。
ウィルは今度こそ誓う。かつて約束を守れなかったからこそ約束の重みを知る。だからこそ次こそは必ず。
そうした重い決意を秘めた言葉である。