時空の大精霊
クロノスによって与えられた力(クルスニク一族にかけられた呪い)。
数多くいるクルスニクの一族でも骸殻発現者は千人に一人というごくまれなケースであり、発現できる者は時計を持って生まれてくる。
この時計は時計部分は
黒匣を使用していない普通のものであるが、その奥に解析も複製も不可能な霊的術式が描かれており、これが骸殻を発動するための鍵であると分史対策室のエージェントは推察している。
そのため時計部分は止まってしまっても、術式が破壊されない限りは時計の力は失われない。
つまり、カナンの地でクロノスが「探索者(ユリウス)の力か!」と言っていたのはルドガーの時計とユリウスの時計のダブルでのブーストが行われているのを感じたからである。
時計は本来の持ち主が死んでも効力は残るが、時計複数所持でのブーストは近しい血縁のみ可能。
また、時計を失うと変身できないが他人の時計があると変身できるようになる。
現在クラン社が抱える分史対策室の骸殻能力者は30人余り。
その中でもハーフ以上の骸殻を発動できるのはルドガー、ユリウス、リドウ、ビズリーの4人だけである。
クォーター(第一段階)…腕だけが鎧のようになる。上記4人を除くクランスピア社のエージェントはこの形態まで。
ハーフ(第二段階)…上半身すべてが鎧のようになる。この状態での力は
大精霊クラス。
スリークォーター(第三段階)…顔を除く全身が鎧のようになる
フル(最終段階)…顔を含め全身が鎧のようになる
このように4つの段階で分けられており、
ユリウスはハーフまで(本編前まではルドガーの時計を使って、兄弟対決では自力でスリークォーター)、
リドウはハーフまで(体内の黒匣を改造してパワーアップ)、ルドガーと
ビズリーのみフルまで発動できる。
ルドガーはユリウスが創りだした分史世界の時歪の因子を破壊する時の一瞬だけフル骸殻をしているが、それ以外では時計と直接契約するまではフル骸殻できなかった。
骸殻の力を使い果たすと時歪の因子化してしまう。
強い骸殻能力者ほど力を使った反動が大きく、時歪の因子化するのは早い(フル骸殻では短い時間でも時歪の因子化する)。
クランスピア社の
エージェントが分史世界に行ったきり戻らない理由でもある。
これはクルスニク一族では公然の秘密であったが誰もルドガーに教えなかったため彼は
ヴィクトルに教わるまでは知らなかった。
ルドガーの場合はクルスニクの鍵(エル)を媒介して時計と間接的に契約したため、本来骸殻能力者が受ける因子化のリスクを
エルが肩代わりする形となった。
ちなみに時計複数所持でのブーストを行ったのはユリウスとルドガー(ユリウスエンディング直前と最後の分史世界ムービー以降)、
本来の持ち主が死んでいる時計を使用して骸殻を発動したのはヴィクトル(ヴィクトル分史のビズリーの時計を使用)とルドガー(ヴィクトルの時計を使用、ブーストでのユリウスの時計を使用)のみ。
なお、本来の持ち主が死んでいる時計を使用して骸殻を発動した二人は本来の時計を失っている(ヴィクトルの時計はルドガーの時計と融合、ルドガーの時計はビズリーに破壊された)という共通点を持っている。
クルスニクの鍵であるエルも時計と契約すれば骸殻を発動する事ができるようだが、本編中では行う事はない。
なお、最強の骸殻能力者を「ヴィクトル」と称する。ヴィクトル分史でのヴィクトルはその世界のルドガー、正史世界のヴィクトルはビズリー。