その正体はギルド「
天を射る矢」の幹部であり、
ユーリ達の仲間である「
レイヴン」のもう一つの顔。
アレクセイの命令で「天を射る矢」に潜入し、
エステルを監視するためユーリ達に同行していた。
軽薄で飄々としたレイヴンとは異なり、こちらの姿では丁寧で武人らしい言動を取る。このため
フレンは彼らが同一人物である事に気づかなかった。
また潜入は極秘扱いだったようで、一行がシュヴァーン隊の隊員と関わる時は顔を背けたり理由をつけて席を外していた。
どちらが本当の彼なのか原作でははっきりしなかったが、小説「虚空の仮面」で明かされた彼の生い立ち(後述)を見るに、レイヴンの方が素の彼に近いようである。(一応ゲームでもシュヴァーン時にカマをかけられてレイヴンに戻るシーンはある)
「シュヴァーン・オルトレイン」の名もレイヴンと同じ偽名であり、本当の名前は「
ダミュロン・アトマイス」。
一般に流布されている「
人魔戦争で武功を立てて平民初の隊長に成り上がった」という素性もアレクセイによって創られたもので、本当はファリハイドという街の名門貴族の出身。
次男で跡継ぎの重責とは無縁でありながら、贅沢な暮らしに恵まれているという立場を持て余し、酒場に入り浸る、女の元へ通う、他の貴族に悪戯を仕掛けるなどの奔放な日々を過ごしていた。
後に父親に騎士団へ入団させられ、
キャナリ小隊長の副官として配属されるが、人魔戦争にて
始祖の隷長に心臓を貫かれ死亡。
その後アレクセイによって
心臓魔導器を埋め込まれて蘇生されるも、キャナリ小隊は全滅し故郷のファリハイドも始祖の隷長によって滅ぼされた後であった。
このため生きる目的を見失い、戦友だった
デュークに「死人」と評された事で自らそう自嘲するようになり、アレクセイの道具として盲目的に彼に従うようになった。
後にアレクセイの命令で「天を射る矢」の首領
ドン・ホワイトホースの暗殺を試みるが失敗。
生きる意志のなくなっていた彼を見咎めたドンに、ギルド「天を射る矢」への加入を持ちかけられ「
レイヴン」という名を与えられた。
スパイと知りながら信用を置いてくれたドンの元でギルドユニオンの幹部として働く傍ら、アレクセイの命令で「レイヴン」としてエステリーゼの監視を命じられ度々ユーリたちの前に姿を現す。
また、ドンからも帝国とギルドの友好協定締結後に旅に出た
エステルの監視を命じられていた。
ユーリたちと旅する内に彼らとの間に絆を作るが最終的にアレクセイの意に従ってエステルを攫い、シュヴァーンとしてユーリ達と敵対。
戦いの後はアレクセイの手で生き埋めにされそうになったユーリ達を庇い、生き埋めになり殉職した(ことにされている)。