ストーリー:ゼスティリア

本編

ハイランド王国とローランス帝国という二つの強国が支配権を争う大陸「グリンウッド」。
幾度となく戦乱を巻き起こしながら、一方で狩りや農業、商業、芸術など、様々な営みを逞しく脈々と受け継いでいく人間たち。
そうした彼らの生活には、それぞれが抱く信仰が大きな影響を与えていた。

――昔ながらの伝承を受け継ぐ事を至高とするもの
神の言葉をまとめたとされる聖典を奉るもの
民族としての誇りこそが信仰の源たるもの――

異なる信仰が多様な文化を生み、文明は発展と拡大を得た。ところが、不思議な共通項が一つ。
グリンウッド大陸のいずれの信仰にも「天族」と呼ばれる神秘の存在が語られるのである。
天族は目に見えず、触れられもしないが、超常の力を用いて世界のあらゆるものに影響を及ぼしていると語られた。
人々はそんな天族を、敬い、畏れ、忌避し、崇拝していたのである。

誰も目にしたことのない天族。その不可視のはずの存在があらゆる信仰の中でかくも語られるのは、
人の世にごく希に現れる、天族と交信することができると訴える者たちの影響であった。
彼らは天族と契約し、その「穢れのない心身」を天族の住処である「器」として捧げることで、天族の力を借り受け操ることができた。
人並外れた力を発現して見せるその姿は、
他の民衆にとって神のようにも悪魔のようにも映った。
人はいつしか、天族と交信する者たちを畏敬の念をもって「導師(どうし)」と呼ぶようになる。
そして導師を「神の力を与えられた救世主」として天族と同様に信仰の対象とし、
世が窮すると、導師の出現、導師による救済を祈り求めるようになっていった。

長い時が流れたのち。人々が立ち入らぬ森の奥深くに、
伝承に語られる『人と天族が暮らす理想郷』を彷彿とさせる村『天族の杜』があった。
グリンウッド大陸に『穢れ』が広がるようになって久しいこの時代に、
天族の杜はいまだ穢れの影響を受けずにいた。

この地で拾われた子『スレイ』は、幸いにも周囲の慈しみに恵まれ、
またある理由から外界と隔絶した生活を送ってきたことにより、
穢れのない純粋な心をもつ青年として成長していた。

スレイが村の外に出る事を禁じられていたのは、外界に存在する穢れによって生まれた
魔物『憑魔』の餌食とならないようにするため。
高い霊応力を持っていたスレイは憑魔に狙われやすい。
村の住人は憑魔の恐ろしさをスレイによく語り聞かせていたため、スレイもその禁を破ろうとはしなかった。

天族の杜は外界と遠く隔てられた、いわば聖域である。
そんな限られた土地でスレイができる遊びといえば、
偶然手に入れた書物『天遺見聞録』を読むことと、村の近くにある古代遺跡の探検ぐらい。

スレイは遺跡を度々訪れ、やがて古代の出来事に興味を抱くようになっていった。
天遺見聞録にある『太古の時代、人は天族を知覚し共に暮らしていた』という伝承も決して夢想話ではなく
真実ではないかと考えるようになり、遺跡で何かを見つける度に
古代の世界に想いを馳せる日々がスレイの日常となった。

そんなスレイが飽きもせず遺跡を探検していたある日、
彼は遺跡の崩落に巻き込まれ、地下へと落下してしまう。
地下遺跡から抜け出すため歩き回るスレイは、気を失って倒れている一人の少女を発見。
少女は自分と同様に崩落に巻き込まれたようで、スレイはすぐさま手を差し伸べた。

少女は大きな怪我もなく無事意識を取り戻したものの、
手荷物を全て失い、帰り方も分からなくなってしまった様子。
スレイは一旦自分の村へ来ないかと誘いをかけ、少女を連れて遺跡を脱出した。

なんとか天族の杜へと帰還したスレイ。
はじめは警戒の様子を見せていた少女も、スレイの心遣いに触れて次第に緊張感を解き、
自分があの遺跡を訪れた理由、十数年前から世界各地で人智の及ばない災厄が起きている外の世界の実情、そしてアリーシャという己の名をスレイに告げるのだった。

アリーシャアフターエピソード -瞳にうつるもの-

スレイたちとの旅を終わらせ、自ら為政者として歩み始めたアリーシャ。
しかし、その決心の裏ではまだ葛藤が残っていた。
果たしてアリーシャの出した答えとは?
本編では語られていない、アリーシャから見たもう1つの「ゼスティリア」の世界。
アリーシャが見た世界とは!