アルトリウス・コールブランド / Artorius Collbrande

「世界の痛みは、私が必ずとめてみせる」
「なぜ鳥は、空を飛ぶのだと思う?」「笑止!」
「一太刀とは言わん、全身に死の慟哭を刻め! 漸毅、狼影陣!」
「秘剣、覇道絶封! 己が罪深さ……二度刻め!」
年齢:32歳 性別:男性
身長:187cm 体重:??kg
戦闘タイプ:筆頭対魔士
キャラクターデザイン:藤島康介
声優:ゲオルギアス
人々から「救世主」「導師」と称される、聖寮の筆頭対魔士。3年前、ベルベットから全てを奪った人物。
  • 3年前、世界の危機において多数の聖隷と共に現れ、業魔を駆逐して以来、業魔病に苦しむ人々からは、世の希望として「救世主」「導師」と呼ばれる。強靭な意志と鋼のような理性を持つ。
  • 名前だけは第3弾PVで判明していた。声では第2弾PVから。
    • その後、TOF2016で情報が公開され、そこで実は姿は名前よりも前に公開されていた事が判明、アニメ「TOZ-X」が正式名発表前の「Tales of 20th Anniversary Animation」と題されていた時のティザーPVに映っていた白基調の騎士風の衣装の男がアルトリウスだった。
  • 名前の「アルトリウス」はアーサー王の幼名で、「コールブランド」は聖剣エクスカリバーの別名とされる。
    • そしてTOZのラスダンが「アルトリウスの玉座」…この名前の由来は一体?
  • 3年前の緋の夜で彼が起こしたある事件により、ベルベットは全てを失い、彼に復讐しようとしている。
    • なんと、第5弾PVで血の繋がりはないものの、彼女と彼女の弟とは家族として一緒に暮らしていた事が判明。彼女からは「アーサー兄さん」と呼ばれ慕われていた。それが憎き復讐相手となった事件とは…。
      • ベルベットたちの姉・セリカと結婚していたが、事件の5年前に彼女は命を落としている。
      • 「これも断つべき感情か」と言いながら義弟を斬っている辺り、何か止むに止まれぬ事情や計画があるようである。
        • 海外版では串刺しにするのではなく、光の檻でラフィを浮かせて光の槍でクロスするように刺し貫くという殺し方に変わっている。規制の関係か?
      • アーサーの戦訓なるものをベルベットに教えている。ドワーフの誓いのようなものか。
        • その詳細は、
          戦訓その一 策戦は堅実に、対応は柔軟に
          戦訓その二 敵を知り、その弱きを攻めろ
          戦訓その三 剣を抜いたら迷うな。非常の戦いは非情をもって制すべし
          戦訓その四 勝利を確信しても油断するな
          がある。通し番号は不明だが『勝敗は、戦う前の準備で決まる』もある。
  • なぜかベルベットと決別する以前から右腕が不自由らしく、聖寮の筆頭対魔士となってからも右腕はマントで隠している。
    • 隠しているといえば、こちらは左手だがこんな人も…。まさか?
    • 左手のみで長剣を振るい、剣術はベルベットとエレノアの両方の師となるほど。
      • 設定上は左腕だけでも剣技は超一流であり、シグレと対決したこともあったらしい。勝敗の結果は誰も知らないが、とりあえずお互いを認め合い、共に行動している。
  • シグレとは1歳差なのだが、アルトリウスの方が老け顔なせいか彼よりずっと年上に見える。
  • クレストリアにも参戦していたが、ベルベットとは何の関係も無いため組ませても特にやり取りはなかった。

+ ネタバレ
  • 本作のラスボス。かつて大陸を統一した英雄王であり、当時は筆頭対魔士として活動していたクローディン・アスガードを師として仰いでいた。
    • 世界を救おうと手段を模索する最中、13年前に自身の後継者である彼を救うためにクローディンは人を殺め、誓約を破ったことで彼は命を落とす。
      • 実のところクローディンは元から誓約の限界を超えて死の間近であったが、アルトリウスは師の喪失に責任を感じて聖寮を離れた。
      • なお、この時クローディン達はロウライネで遺跡発掘を行っていたが、主導はメルキオルだった。
  • 師の遺志を継ぎ、世界を救う聖主カノヌシを探して放浪を続けるものの、人々は何も変わらず、そして十年を経ても何も得ることが叶わず、とうとう精根尽きてしまう。
    • そこへやってきたセリカが、腹を空かせたアルトリウスにリンゴを渡し、ただ生きていることに資格など要るのかと諭し、彼を夕食に誘った。
      • この時アルトリウスは、自身を『対魔士アルトリウス・コールブランド』ではなく、『アーサー』と名乗った。
  • 後にアーサーはセリカと結ばれ、彼女との間に子どもを授かったことを聞き、ようやく世界に幸せを見出すことができた。
    • 11年前に結婚の証として彼女にお守りを渡し、『命に代えてもセリカと彼女との子どもを守る』約束の証とした。
    • なお、セリカにも鳥が空を飛ぶ理由を聞いたことがある。彼女はそんな不思議で難しいことは一度も考えたことが無かったとしつつも、自分も一緒に飛べたら分かるのかもしれないと答えた。
      • 転生後は「鳥は飛ばなければなりません。強き翼をもつゆえに」と理に従った答えを出しているが、情を無くしきれなかった彼女の本心から来ている言葉かはわからない。
        • 設定資料集によると『アルトリウス』に反発心を覚えていたとのことなのであえて皮肉って言った可能性も。いずれにせよ本心ではなさそう。
  • だが開門の日、業魔と化した野盗に襲われ、セリカは祠に落ちて命を落としてしまう。
    • ただ二人の大切な家族すら守ることができなかった自身の無力さから、彼は祠を右腕が壊れるほど何度も殴りつけ、慟哭した。
      • この時お守りが遺されており、導師になって以降も剣にそれを結び付けているのが見られる。約束を果たせなかった自分への戒めだろうか。
  • そして突如現れたかつての同胞であったメルキオルより、彼はアバルの民が自分たち一家を野盗に売ったことを聞かされる。
    • メルキオルの登場があまりにも隠れて見ていて出ていた感じがありすぎるので、業魔と化した野盗たちをけしかけたのはメルキオルの可能性がある。メルキオルが裏で糸を引いていたかどうかはともあれ、村人が自分たち一家を売ったというその事実に「人間全体に絶望した」という。
      • 自身の後継者となりうるマギラニカを手に入れるために彼女のいた一座を事故に見せかけて皆殺しにしたメルキオルだからあり得なくもない。
    • 同時に祠がカノヌシが封印されていた場所であることを知り、生贄に捧げられたことで聖隷に転生したを目にした。
      • セリカが転生した聖隷に救えなかったことを詫びながら、彼は『アーサー』を捨て、『アルトリウス・コールブランド』として彼女と契約し、世界を救うことを宣言した。
      • ちなみに同時に転生した彼女との子どもの聖隷については一切触れていない。後に自身の計画を脅かす存在と化すことなど露知らず……。
        • フィーの存在自体は認識していたが、シアリーズ共々自身の子供として関わろうとはしなかった。
  • 『アルトリウス』としてカノヌシの復活を目指しつつ、『アーサー』としての日常を演じるなかで、カノヌシの古文書を読み解いた義弟ライフィセットが、次の緋の夜に自身を生贄としてカノヌシを復活させることを提案する。
    • この時彼はライフィセットに、鳥が飛ぶ理由を尋ねた。そして「鳥は翼を持って生まれたから、飛ばなくてはならないのだ」と、彼の望む回答を聞いたことで、彼の提案を受け入れた。
      • そして降臨の日に、彼は演じていた『アーサー』を完全に捨て去り、ベルベットの目の前でライフィセットに剣を突き立て、祠へと落とした。
  • 事件以降は、義妹を含めた喰魔に選ばれた7体を各地の地脈点に幽閉し、八つの穢れを順調に集めつつ、『絶望』を義妹に育ませた。
    • 喰魔の幽閉の件もだが、を仕向けて自身で事件の再現をさせる、未完成の神依を部下の対魔士で試すなど、『個』を捨てた様子がありありと見られる。
      • むしろ計画のための行動が一部裏目に出ている節が見られる。(姉弟を殺させる→その魂を四聖主覚醒の礎にされる等)
        • また、業魔化したアイフリードをライフィセット殺害に差し向けるもそのせいで四聖主覚醒という突破口をベルベットたちに与えてしまう。まあカノヌシが私怨を晴らすべくそう命じたのだがそれを黙認したのがアルトリウスのミスか。
  • 一度はカノヌシの領域を展開し、『理』により救済された世界を作り上げるも、四聖主覚醒によって領域が宇宙に追いやられ、失敗。
    • 宇宙まで追ってきたベルベットが全く絶望しなかったため、自身の『絶望』をカノヌシに捧げることでカノヌシを覚醒させ、カノヌシと完全な神依を為す
      • その見た目は天使化したダオスユグドラシルに似ている。あるいはこっちか。
      • 彼が抑え込んでいた穢れの量は、一つ間違えれば一瞬で業魔化してしまうほど。ベルベットはそれを彼の本性だと言ったが。
        • ただし、彼はそれを誓約で抑え付けて業魔化しないようにしている。代償に選んだのは義妹弟を犠牲にすることだった。
          • ↑はファミ通攻略本に書いてあることだが、資料集では正式な誓約だったかは定かではないとされている。誓約無しで絶望を抑えつけられる人間がいるとは思えないが...。
      • その時カノヌシに対して彼が付けた真名は、『ネブ=ヒイ=エジャム』。意味は『理想のための翼』。
      • なおこの際、右手の傷は癒えて使えるようになっている。
  • 最期は両手を塞がれた状態でベルベットにより直接カノヌシを喰い剥がされ、自らの剣で貫かれる。
    • 押し負けたのは、皮肉にも開門の日にベルベットに言った「絶対にあきらめるな」という言葉を戦訓その零として勝機を見つけられてしまったからだった。
    • この時彼はベルベットにあの日までの『アーサー』は嘘であること、そして「死んだのがセリカたちでなく、お前たちだったらよかったのに」とずっと思っていたことを告げる。
      • それを聞いたベルベットもまた同意し、「そうだったなら、義兄さんはきっとあたしたちのために世界を救ってくれただろう」と答えた。
        • 実際、セリカたちを失うことがなければ彼が『アーサー』を捨てることはなかったことを考えると、残酷な言葉であるが否定できなくはない。同時に、彼もまた家族を愛してやまない一人の人間に過ぎなかったことを示している。
      • そして彼はベルベットに看取られ、世界を救えなかったことを悔いながら、息絶えた。
  • 総じて、彼もまた家族を失ったことで狂ってしまった、悲劇の悪役といえる。
    • 一般的な悪役との違いは、彼は民衆には悪でなく、世界を救い人々を導く『導師』として崇め讃えられていることだろう。
  • 立ち位置やキャラクターから、オラクル騎士団首席総長ヴァンに相通ずるともいえる。
    • 人間の感情を取り上げて世界を救うアルトリウスの理想と、人間をレプリカにすげ替えて世界を救うヴァンの理想というのもどことなく似ている。
      • 主人公に武術を教えた師匠という意味でも共通点が。
      • ちなみになんだかんだ言ってもベルベットは彼に教わったことで似ている技(裂棘→裂蹴、飛燕連脚→燕脚、灼風狼火→灼風)がある。
  • 開門の日に右腕が使えなくなったアルトリウス、降臨の日で左腕が喰魔と化したベルベットは導師と災禍の顕主という相対する立場でありながらいろいろな意味で鏡写しの存在である。
  • エンディング中のベルベットの夢では、アーサーとしてベルベット達を見守りながらセリカとその子供と共に幸せに暮らしている姿が見られる。
  • レイズではミッドガンド領の領主としてリビングドールにならずにデミトリアスに協力している姿勢を見せているが、原作通り「鎮静化によって全ての者から感情を奪う」ためにカノヌシの降臨を目論む。
    • ロミーチトセと内々に手を組み、ヘルダルフに呪いをかけ彼をカノヌシへの贄にすることで精霊オリジンにカノヌシを下ろして鎮静化を行おうとするも13章でスレイがヘルダルフを浄化したことにより計画は失敗した。
    • 原作通りベルベットに討たれるが、その際にセリカを具現化しなかったのは「彼女を失った時点で自分は『アーサー』ではなくなったので彼女を具現化しても幸せにはならない」「セリカじゃなくてお前たちが死んでいたならお前たちを具現化して皆で幸せに暮らした」という旨を述べ、「元の世界の俺は世界を救えただろうか」と疑問を零し、息絶えた。


最終更新:2024年01月30日 14:34