現在の対魔士の力の根源は、カノヌシの加護で霊応力が高められたものに過ぎない。
故に、
降臨の日以前は素質が必要とされる職業だった。
降臨の日以前は聖隷を知覚できない人が大半であり、知覚できる彼らは「詐欺師」「ペテン師」等と
謗りを受けることも多かった(見えない聖隷を見えると称して実際に詐欺を働く者がいたのも事実だが)。
かつてはアルトリウスもアバル村では「対魔士を自称するうさんくさい男」と陰口を叩かれていた。
また、「魔道士」「錬金術師」「霊媒師」「悪魔使い」と呼ばれた人々の中にも同種の人がいたとされる。
四聖主が目覚めると大部分の対魔士は霊応力が弱まり、その力を失った。
更に、アルトリウスの思想の本質を見て、その思想を危険視した
パーシバル次期ミッドガンド国王は
再びそのような思想を抱く者が現れないように、聖寮及び対魔士の存在を公的記録から抹消する事を決定した。
マギルゥは魔女を自称しているが、本来の霊応力が高いのと聖寮に在籍していないだけで対魔士と同義。
またかつては特等対魔士であり、現在は
導師アルトリウスとメルキオルとシグレのみがその地位に居る。
聖隷によると、始まりの顕師と呼ばれたジークフリートは対魔士的存在の始祖に当たるという。
後の世では
導師と呼ばれるようになるが、上記の通り公的記録は抹消されている為、
その存在を後世に伝えるのは信憑性に疑問のある伝承やおとぎ話のみとなり、
遥か未来で
一人の青年が導師として人々の前に現れるまでは、その存在は半ば物語上のものとして扱われていた。