12 一夜之夢

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#right(){【登録タグ:&tags()】} #inc(Script/track) #divid(track_args){ |album=[[徒]] |circle=[[凋叶棕]] |vocal=3L |lyric=RD-Sounds |arrange=RD-Sounds |original=古きユアンシェン } #divid(lyrics){ そっと、手を差し交わし。 その身体を、寄せて。 &ruby(いき){吐息}混じりの戯れ。 側、抱え、囁く。 「色に溺れていては、ならないのです」と。 言葉だけの、脆くも、 ささやかな膳立て。 さぁ、終わらぬ夜を。 ―いずれ全て、貴方の物。 等と&ruby(うそぶ){嘯}けば、 もうこの&ruby(て){掌}の中。 幾千と云う臣下を持ち 幾万と云う名を従え そんな&ruby(ちから){権力}を手にしながら この&ruby(からだ){肢体}一つに溺れ逝く様よ。 「ああ、熱いのよ、熱いのよ」と。 叫んでみれば、 応ずるように、激しく勢い付く―。 &ruby(さなが){宛}ら、そう、赤子に似て。 一夜之夢、それは、熱病のように。 滴る、月の雫に。 その両手を、&ruby(かざ){翳}して。 どこまでも一緒に。 ただ、宵に融け逝く。 「今は私だけを見て。お願いだから」と。 目を潤ませて、見上げる。 此れだけで、意の&ruby(まま){儘}に。 嗚呼、他愛のないものね。 ―今宵もまた、積み重なる。 口先ばかりの、 憐れな為政者。 幾千と云う地を束ねて 幾万と云う天を望み そんな大志を&ruby(いだ){抱}きながら この&ruby(からだ){肢体}一つに崩れ堕ちる様よ。 「ああ、怖いのよ、怖いのよ」と。 そうして、 解けぬ糸を絡めて、手繰り寄せるように―。 &ruby(さなが){宛}ら、そう、手駒に似て。 一夜之夢、それは、疫病のように。 &ruby(いか){如何}なる&ruby(ひと){強者}でさえ &ruby(とりこ){虜}となれば、皆同じ。 この身に囚われ逝く。 それが、私には、堪らない。 幾千という人を&ruby(くだ){降}し 幾万という人を&ruby(あや){危}め &ruby(そ){其}れでも&ruby(なお){猶}、&ruby(あ){厭}くることなく。 &ruby(止まるに足りず、足ることを知らず。){吾不足止、未不知足也。} 「さぁ、最後には、もっともっと…」 そうして、 全てを私に預けさせるように―。 &ruby(さなが){宛}ら、そう、&ruby(しもべ){下僕}に似て。 一夜之夢、それは、熱病のように。 }
#right(){【登録タグ:&tags()】} #inc(Script/track) #divid(track_args){ |album=[[徒]];[[それじゃ、さよなら]] |circle=[[凋叶棕]] |vocal=3L |lyric=RD-Sounds |arrange=RD-Sounds |original=古きユアンシェン } #divid(lyrics){ そっと、手を差し交わし。 その身体を、寄せて。 &ruby(いき){吐息}混じりの戯れ。 側、抱え、囁く。 「色に溺れていては、ならないのです」と。 言葉だけの、脆くも、 ささやかな膳立て。 さぁ、終わらぬ夜を。 ―いずれ全て、貴方の物。 等と&ruby(うそぶ){嘯}けば、 もうこの&ruby(て){掌}の中。 幾千と云う臣下を持ち 幾万と云う名を従え そんな&ruby(ちから){権力}を手にしながら この&ruby(からだ){肢体}一つに溺れ逝く様よ。 「ああ、熱いのよ、熱いのよ」と。 叫んでみれば、 応ずるように、激しく勢い付く―。 &ruby(さなが){宛}ら、そう、赤子に似て。 一夜之夢、それは、熱病のように。 滴る、月の雫に。 その両手を、&ruby(かざ){翳}して。 どこまでも一緒に。 ただ、宵に融け逝く。 「今は私だけを見て。お願いだから」と。 目を潤ませて、見上げる。 此れだけで、意の&ruby(まま){儘}に。 嗚呼、他愛のないものね。 ―今宵もまた、積み重なる。 口先ばかりの、 憐れな為政者。 幾千と云う地を束ねて 幾万と云う天を望み そんな大志を&ruby(いだ){抱}きながら この&ruby(からだ){肢体}一つに崩れ堕ちる様よ。 「ああ、怖いのよ、怖いのよ」と。 そうして、 解けぬ糸を絡めて、手繰り寄せるように―。 &ruby(さなが){宛}ら、そう、手駒に似て。 一夜之夢、それは、疫病のように。 &ruby(いか){如何}なる&ruby(ひと){強者}でさえ &ruby(とりこ){虜}となれば、皆同じ。 この身に囚われ逝く。 それが、私には、堪らない。 幾千という人を&ruby(くだ){降}し 幾万という人を&ruby(あや){危}め &ruby(そ){其}れでも&ruby(なお){猶}、&ruby(あ){厭}くることなく。 &ruby(止まるに足りず、足ることを知らず。){吾不足止、未不知足也。} 「さぁ、最後には、もっともっと…」 そうして、 全てを私に預けさせるように―。 &ruby(さなが){宛}ら、そう、&ruby(しもべ){下僕}に似て。 一夜之夢、それは、熱病のように。 }

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