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ある日、アリスは思い耽る。
自分のこと、自分以外のこと。
白く小さなキャンバスに刻まれていく
思索という名のあしあと。
―おとなになる、ということが、とてもだいじなことだと、
みんなみんなわたしにいうのだけれど。
誰も、その意味を、その意義を
聞いても教えてくれなかったから
いつしかアリスはひとり
答えを求め考えつづけた
―おとなになる、ということは、つよくなれることなの?
いつかのだれかにもまけなくなるの?
―おとなになる、ということの、いみをまだしらないから、
おおくのものをしりたいとおもうの。
まだ何も、知らないまま。
その瞳が、映し出す世界は狭く。
意味なんて求まらずに
アリスはひとり考え続けても、答えは…
―おとなになる、ということが、だれにもわからないなら、
わたしはそれをさがしにいきたいの。
たとえ今見つけられなくても
遠くの、見たことのない場所なら…
いつかの暴れ者の
やってきた世界へと進んでいこう
―おとなになる、ということは、ドアをたたくことなの。
このむこうにそのこたえがあるなら。
―おとなになる、ということが、どんなにつらいことでも、
わたしはきっとあきらめないから。
その向こう側へと、今。
アリスは、まっすぐに手を伸ばしていく。
いずれ出会う未来達に思いを馳せて
その扉の向こう側へと…
―ああ、幸あれ。
その背に翼は無くともいつかは必ず
―ああ、幸あれ。
その手がまだ何も生み出さずともいつかは必ず
―ああ、光あれ。
私が見送るその小さな姿は、
―ああ、光あれ。
「いってらっしゃい」の声を背に受けて…
最終更新:2023年03月07日 15:36