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その行方を知らずとも、
ただ、好きなように流れればいいと。
その、自由な在り方に、わたしは憧れたのだろう。
「ねぇ、鏡を見てみたら、どんな顔が写っているか。
最後に確かめたのはいつなの?」
「ねぇ、いつもそんな馬鹿丁寧な喋り方をしていてさー、
疲れちゃったりとかしたりしないの?」
「器用な様で、本当は不器用なのかもね?あんた。」
なんて、
急く日々には、時に疎き瑣末事がわが身を掠めて、
さすがの私も足を止めてしまいたくなるけど。
そういうときには、そう。
空にこの身を任せ。
― “自由” になる。
― “無心” になる。
飛ぶことに。飽くるまでは。無敵で居られる筈と。
― “最速” になる。
呻る風切音をして、
自由への賛歌を歌うのだ。
「ねぇ、人の領域に土足でさー、踏み入るような取材で、
ついでに自分もすり減らすのが趣味なの?」
「ねぇ、いつもそうやって嫌われてしまいそうなことをやって、
いつか大怪我しちゃったりしないの?」
「要領良さそうで、案外苦労人なのかもね?あんた。」
などと、
記事にもならぬ “所感” をやたらめったらぶつけられては
さすがの私も足を止めてしまいたくなるけど。
そういうときには、そう。
大地に別れを告げ。
― “自由” になる。
― “空白” になる。
ちっぽけで、でも偉大な無限の彼方の一欠片。
― “幻想” になる。
呻る風切音をして、
自由への賛歌を歌うのだ。
その行方を知らずとも、
ただ、好きなように流れればいいと。
その、自由な在り方に、私は憧れたのだから。
だから、わたしは。
― “自由” になる。
自縛しそうなコンクリフト、その全てを打ち遣って。
― “私” になる。
呻る風切音をして、
自由への賛歌を歌うのだ。
最終更新:2018年07月27日 07:13