05 カ‐210号の嘆き



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|album=
|circle=凋叶棕
|vocal=めらみぽっぷ
|lyric=RD-Sounds
|arrange=RD-Sounds
|guitar=光収容
|original=芥川龍之介の河童 ~ Candid Friend
私は何もかもをも知っている
お前達 河童どもというのは
己というものに自惚れた
かくも虫の善い動物なのだ

信じられなければ 暮らせないのに
信じるものさえも 下に見ながら
皆 愚かしく笑って居る
そんな矛盾と共にして

そうして 同輩(ともがら)に失望して
河童というものを()んだその末
私は 故郷を捨て去って
人と共に生きようとして

犇めく人間の海
独り泳ぐように生きても
己の醜さだけが ずっとずっと浮き彫りにされて


皆に合わせて笑いながら
笑顔の下で 全てを見下して
そんな 己というものだけ
けして 変えようがないのに

河童は河童で みなみな同じ
故にこの自分も また同じ

Qua(そうなのです) , Qua(そうなのです)――だから私は 皆が怖くて仕方ないのです。



仮初でも 安寧を得たような気で
生きていく度に またどこかに違和を覚え
結局 その全てがまた滑稽に思えて
またこの場所をも 捨てたいと思うように

鏡に写した世界
たとえ 全てが変わっても
最後までついて回る 自分自身とずっと向き合ってしまって


せめて 身勝手に産み落とされたなら
恨んで生きていくことも 出来たのに
なぜ 生まれることを選んだか
それこそが許しがたくて


どっちにも居られない どっちでも生きられない

そんな思い
にとりつかれて

それならばいっそのこと 怒りに任せて全部

そんな思い
にとりかこまれて



壁を見つめて 呪わしく
哀れな河童(210号)」の怒声(こえ)が木魂する
どこに行っても救われず
全てを否定し続ける

「出て行け! この悪党共め!
お前も莫迦な、
嫉妬深い、
猥褻な、図々しくも自惚れきった、残酷な、
虫の善い 動物なんだろう!」

人も河童も みなみな同じ
全ては等しく 愚かしく

Qua(そうなのです) , Qua(そうなのです)――だから私は 全てが怖くて、堪らなくて、許せなくて、生きられないのです。
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最終更新:2022年07月24日 21:33
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