10 ―子の四つ―「グラスホッパーズ」



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|guitar=光収容
|original=幻想郷の二ッ岩
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壁に耳在り
障子に目在り

なら 箒だってもの言うものさね

見渡す限り
あれやこれ
皆それぞれが 口々(くちぐち)愚痴々々(ぐちぐち)(つぶさ)


そういやお前聞いたのか
あの箒野郎の旦那の顛末
やっぱりあの壷 何でもなく
騙されたとさえ 知らぬは本人ばかり


――夜な夜な交わすけして聴かれぬ言葉達
けれど どうしてか 知っている!


踊り踊らせ踊れよ 命ごと
けして止められぬ噂の駆け巡る

言葉言葉 飛交う
真実は――そうさ 皆が見てる 何処(どこ)かで見てる
見張っている――『闇に潜む密偵の如く(グラスホッパー)

七十五日経ったとしても 消えない瑕を 嗚呼





 ――あいつには気をつけろ。


   ――あいつには騙されるな。


――あいつが怪しい筈だ。



  ――あいつが噂の『詐欺師(狸野郎)』か。



壁に耳在り
障子に目在り

なら 手桶だってもの言っちゃどうだい

さりとて見つかりゃどうなることか
だからそっと密かに
桑原(クワバラ)始終四散(バラバラ)子守歌(ララバイ)


そういやお前聞いたのか
あの桶野郎の親父の顛末
首無し馬の餌食とか
もう今となっちゃ 闇から闇への真実


――夜な夜な交わす けして伝わらぬ言葉達
けれど 誰かに 届いて行く!


歌え謳え訴えよ 命ごと
その口に立てる端から戸が喋る

言葉言葉 飛交う
真実は――そうさ 皆聞いてる 耳を(そばだ)
狙っている――『混迷に惑わす伏兵の如く(グラスホッパー)



狐につままれたのか
狸に化かされたのか
言葉だけが聞こえる
そうして伝わっていく 嗚呼

小さな小さな声が
しかして響く大きく
そうして皆「どういうわけだか」知っている!


さあ 騒ぎ騒がせ騒げよ 命ごと
屋根の月 その井戸端に花咲かせ __嗚呼__

言葉言葉 飛交う
真実は――そうさ 今尚見てる 何時(いつ)でも見てる
それこそが――『監視社会に蔓延する情報の如く(グラスホッパー)


七十五日経ったとしても 新たな瑕を 嗚呼
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最終更新:2023年08月05日 09:14
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