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巷騒がす怪奇譚 ハイカラさんでも骨抜きだって
人ひとり より取り見取り 二人囃子で踊ろう
文明開化のアルビノ 今宵よいよい酔いに任せ
散々咲かせた山茶花 死屍て累々
まやかし 甘やかして カランカランと下駄が鳴る
威風堂々と ここがどこぞの細道だって 戻れはしない
【ちんとんしゃん ほら日が落ちる】
命短し 乙女の純情が扉をノックノック
深入りは要注意 火の用心 ご用心
夢見がちな お嬢さん おいでおいで手の鳴る方へ
ハイカラさんはいつだって 危険がお好きなの
特ダネ披露 新聞見聞 回文怪文 嘘まみれ
文明開化 御用誤用 尚も披露
あやかし 雨ざらしで 飄々笑って鵺が鳴く
唯々諾々でしょう 右に倣ってはいどうぞって
口の中には何も残ってやしないさ
ほらね 電氣ブランで ほろ酔いの
お嬢さんお手付きチョンチョン
好奇心は化け物が大好物召し上がれ
人知れず悟られず 最初 最後 山椒がピリリ
ハイカラさんは誰だって ランランと管を巻く
ようこそ ここはここは妖怪三丁目
出口は何処にもありませんわ
號外 特ダネの迷い人 もう碌々話ですら
出来ぬ名無しの細道で 帰しはしない
ワンツーサンシ あんよがあらま上手ねお嬢様
枯れ木の賑わい 散った落ち葉 ゴウと風が吹き飛ばす
飛んで飛んで消えていく 散らせ散らせ乙女の命
最後にはほら一面の 割かせ裂かせ華一匁
ハイカラさんは私 謎めき狂気を孕んだ怪奇譚
最終更新：2019年03月06日 22:13
