01 ささぐうた -ヒガン・ルトゥール・シンフォニー-



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嗚呼、そこな迷い子さん
どうしてこっちに来なさった

いつかは避け難き運命(さだめ)でも
遠ざかる術もあったろうに

人であり続けること
一人で生き続けること
何からも逃げなかった
その気概に、ひとつ(さかずき)を。

冥土の土産に
唄ってやろうか
せめて、向こう岸までの(はなむけ)として


星が流れ流れ、遙。
堕ちて、挽歌(ばんか)

移ろわぬ
その魂の
色のまま

生まれ変われよ


いつかどこか
迎える行く末を
受け入れるが曼珠沙華(まんじゅしゃげ)

いずれ辿りつく
旅路の果てに向け
今はただ水面を揺らせ


嗚呼、そこな迷い子さん
とうとうこっちに来なさった

変えられぬ不器用さが
招くものだとわかってたろうに

餓えて行き倒れたのか
或いは、餌食となったのか
はては、看取られ幸せな最期を
迎えられたのか。

誇りある意思を
詠ってやろうか
せめて、向こう岸までの(はなむけ)として


星が流れ流れ、遙。
堕ちて、哀歌。

(とどろ)けよ
魂の歌
限りなく

遠く果てなく


生けるが罪
終えるがその裁き
謹受(きんじゅ)するが曼珠沙華(まんじゅしゃげ)

じきに辿りつく
旅路の果てに向け
今はただ記憶に遊べ


遺す想いを訴えよ歌え
全てを無に帰すその前に

輪廻の輪を舞わせよ回せ
全てを有に繋ぐ為に


星よ高く高く、遙。
昇れ、讃歌(さんか)

新たなる
その旅立ちを
臆さずに

強く歩めよ


永久(とわ)に続く
螺旋を描きつつ
帰する果てが曼珠沙華(まんじゅしゃげ)

星を追え
いつか
願いに恋をせよ

そしてまた

いつの日か
翔けろよ、天を
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最終更新:2023年03月06日 14:31
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