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艦長なりたて(最終回からちょっと経過した程度・まだ皆若い)のヴィラ子に訪れる最初から最後まで生理ネタ。
ヴィラルが女で獣人なのに生理って時点で充分パラレルなので細かいとこは目を瞑ってくれるとありがたい。
でも何か間違った知識ひけらかしてたら申し訳ない。


 <///]------------------------------ドーリドリドリ------------------------------


(生殖能力に欠けた女にこんなもの!)
 朝から続く痛みに、ヴィラルは苛立ちを募らせる。瞼を閉じて米神を揉むが、今は星々の放つ微かな光さえ頭痛の原因の一つとなっていた。
 超銀河ダイグレンのクルー達は見るからに不機嫌そうな艦長には極力近付かぬようにして、彼女に回る仕事を陰で引き受けたり進んで片づけていた。指示を仰ぐのも必要最低限だ。ヴィラルもいつもより少ない仕事の量に疑問を抱きはしたが、それ以上追求しなかった。

 今朝からだ。目覚めて、視覚がベッドの染みを捉えると同時に気が重くなった。その瞬間から自分のものではないように鈍くなる身体は自由に動かない。
 不死身の体を手に入れてからは戦闘で怪我をしても、些細なものなら痛む前に再生する。しかしこの内部の痛みだけは損傷ではなく体の再生と同時進行する痛みであり、髪や爪がきちんと伸びるように、不死身の力による再生の及ばないものらしい。螺旋生物の雌が子供を作る為に行う身体の調整というわけだ。
 何故螺旋王はこんな無駄な力までお付けしたのですかと今は亡きロージェノムの姿を脳裏に描いた。
 七年前、所謂初潮が始まり肢に伝う血による恐怖、その為の超高分子吸収体の存在すら知らなかった頃に比べれば精神的には大分ましになったが、それでも慣れることの出来ない痛みには吐き気さえ催す。
 子を成せない獣人にとって、生理というものは全くの無意味だ。死ぬことも老いることもなく、恐らく一生の付き合いとなるであろう鈍痛には辟易する。

 一仕事終え、ヴィラルは自室に備え付けられたソファにぐったりと腰を沈めた。
 何も考えたくない。動きたくない。
 今誰かと会話したならば、言葉を成さない獣の呻きしか発せられないだろう。ろくに食事も取っていないが、空腹は感じられない。代わりに内臓を握り潰されるような痛みと、その原因による頭痛とがない交ぜになったまま断続的に与えられる眠気を食らいつくす。
「艦長」
 コンコン、とノックされる扉の音に意識を引き戻され、もしその声が名も知らぬクルーのものならば居留守を、或いは寝入った振りを使うつもりだったが、聞き慣れた女性の声ならば答えるしかない。
「何だ」
 身体を起こし、『艦長』に取り繕ってから応答する。自らが動く前に開けられた扉の向こうにはシベラの姿があり、手には食堂のプレート、その上には血のように赤い林檎、二つのカップからは湯気が立つ。
 普段はあまり深く関わることのないオペレーターの姿に疑問を抱きつつも、部屋に招き入れた。
 どうぞ、と勧められるままに湯気の立つカップを両手で包み込むようにすれば、甘い紅茶の香りが鼻孔をくすぐった。熱すぎず、温くもないそれを飲み込めば空っぽの胃をじんわりと温める。
「…明日は休まれたらどうです?」
「いや、いい。続ける」
 カップの縁から口を離し手短に答え、早く要件を言えと言いたくなるのを抑えてシベラの言葉を待った。シベラはというと、女性らしい白く繊細な手でナイフを操り、皮の部分だけを器用に剥いている。
 自分はどうだ。軍人として生まれ、刃物と言えば人と食料を狩るための鉈を振り回してきたし、林檎にしろわざわざ皮を剥くこともなく鋭利な歯でかじり付いてきた。そこが人と獣人の生まれた時からの差でもあるのだろう。人でもなく獣でもない、人の形でありながら獣の本能を持つ、そんな曖昧な存在の自分に人間らしく振る舞うことすら出来ないのだろうか。
 一本の帯になった皮が端に寄せられ、等分に切り分けられた瑞々しい林檎に楊枝を刺してヴィラルの前に皿を置く。
「艦長は重い方なんですね」
「何が」
「生理がですよ。その調子だと、明日は今日より酷くなるんじゃないですか?」
 禁忌とも思われていた言葉を平気で言ってのけるシベラに、思わずそういうものなのかと問いかけて、遅れてきた羞恥の照れ隠しに楊枝を摘み林檎をかじった。こちらはひんやりとして冷たい。
「ご存知無いんですか?大体はそういうものなんですよ」
「…どうして気付いた」
「朝から体調が悪そうでしたし、それにお腹押さえて丸まっていたから分かります」
 言いながらプラスチックケースから毒々しい色をしたカプセルの薬剤を出して「リーロンさんから頂いたんです。艦長の身体に効くのかは分かりませんけれど、無いよりはいいかと」ヴィラルの手を取り握らせる。
「大丈夫なのか?」
「艦長もあの人の腕に間違いは無いのは知っているでしょう?」
 確かにあれは知識は豊富なのだが、性別が性別なだけに近寄りがたい。
「もう少し頼ってくれてもいいんですよヴィラルさん。貴方は…女の子」
 握らせたままの手を両手で包み込み、シベラは微笑んだ。女の子。その言葉にどう反応していいか分からず、自分より遥かに年下の彼女に心配されるなどと、言いたいことは沢山溢れてきたが、彼女の手の温かさが伝わるにつれ内側の言葉はゆっくりと冷めていった。
「お腹は暖めてゆっくり休んでくださいね、艦長」
 見送りを辞退した優秀なオペレーターの背中を見届けて、腕をぐっと目に押し当て、背もたれに寄りかかる。口元にはどうしてか笑みが零れ、手の中の薬剤を再び握りしめると薄いプラスチックの梱包がくしゃりと乾いた音を立てて手のひらに食い込んだ。あの痛みは今、波のように引いている。


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七年前、ゲリラ王になる前の一人放浪してる時代(人間の生理について無知)に生理来たら萌えるな。
しかし金玉蹴られるのと並ぶ痛みを月一って恐ろしくね?