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今日こそあのませた厨房をアヘアヘのメロメロにしてやるんだからな!
とサスーンはヒミツメモ片手にお惣菜を皿に移す作業に熱中していた
そのメモには
最初は食事や身だしなみの面倒を見てあげる
と記載されていたが、皿に盛られているのは明らかに近所のスーパーで買った1パック298円の唐揚げと、100円のポテトサラダ…
どうやら手作りは諦めたようだ
しかしながら、本人は大まじめにテーブルセッティングにまで拘ってみたりしている
「よし!」
何て会心の笑みを浮かべて、今度は寝室(と言っても畳四畳半の志門の部屋)に布団を二枚並べてメモを確認する
「いっしょにあそぶ!おやつたべる!おふろはいる!夜は布団を二枚並べてシッポリが定石!」
と復唱してニンマリと笑う…
彼女にしてみればこれはハズレ無しバッチリ完璧な作戦なのだ

「ありがとう私!」
これで今夜は…
と少々アレな想像を膨らませていると、玄関扉が開く音が微かに聞こえた
終に決戦の火蓋は切って落とされたのだ!

「ただいま。遅くなっちゃいましたすみません」
愁傷に謝って見せる少年にサスーンは大人の威厳を見せつけん!とやや勢い込んで
「大丈夫だ!夕飯ならもう用意してある!」
と宣言したが、目の前の少年は心底怪訝そうな顔をしただけで、ちっとも嬉しそうでは無かった…
おかしいな?と小首を傾げると、堀田少年は頭を掻きつつ玄関から上がった
「出来てるなら冷めないうちに食べなきゃですね」
「そうだそうだ!食事にしようw」
ニコニコしながら鞄を受け取ったサスーンは、特に志門を待つでも無く先に玄関先から消える
「先生ってどっか抜けてるよなぁ…あっち側もそんなかんじなのかな?」
と堀田少年は解る人にしか解らない呟きを残して、金髪ダイナマイトな居候の後を追った


出て来た皿の上を見て志門は少しホッとした
《これなら大丈夫そうだ》
と完全にお惣菜だとバレバレなのだが、当人はウキウキと茶碗にご飯(これは自ら炊いた)をよそっている
「先生…今日って何かの記念日でしたっけ?」
鎌をかけるつもりでした質問に相手はポカンとするばかりで、明確な答えは無い様だった
「料理苦手な先生がわざわざ夕飯作ってくれるんだから、何かあるのかと思いましたよ」
と今度は遠回しでなくストレートに聞いてみると、サスーンは真っ赤になって「私だってやれば出来る」とか「テレビでたまたまレシピを見て」とかゴニョゴニョ呟いている
そんな所が可愛いからついつい、からかいたくなるんだよなぁ…と考えつつ志門は茶碗を受け取った
「じゃあ、先生の好意いただきます」
まず口を付けた味噌汁はインスタントの匂いがした…だが
「薄い…」
お湯の注ぎ過ぎなのだろう、味噌の風味が消し飛ぶぐらい薄い
「ち、違う!減塩!そう、減塩なんだ!健康的なんだぞ!」
と早口で説明をした先生は、慌てて自分の味噌汁を口に運ぶが、瞬間…眉間にシワが寄った
「…にほんしょくは、うすあじでけんこうてきだな」
棒読みで言われても説得力皆無だが、建て前上納得しておく
「そうですね、こっちの唐揚げと合せて丁度良い感じですよ」
もしゃもしゃと咀嚼したオカズは濃いめの味付けだが、完全に冷めていた
「う、うん」
だんだん自信が無くなって来たのか、尻すぼみになる言葉に少し言い過ぎたかな?と反省する
「でも、先生の愛情感じるんで全然平気です」
とフォローすると、不安げに俯いていた顔が急に明るくなる
外人は感情が面に出やすいと言うが、彼女は正しくその見本だと思う
そんなかんじでモジモジしているサスーンを拝みつつ食事を進める堀田少年は、ふと気付いて箸を止める
「先生…食べないんですか?」
ぼんやりといった体で食事をとる少年の顔を見つめるばかりで、彼女の皿は一向に片付く気配が無かった
「あ、あぁ…ご飯粒…」と言われれば顔の何処かにお弁当がくっついているのかと確認してしまうのが人間の性と言うものだが、発言した当人はゆっくり頭を振ると小首を傾げた
「お前、なんでご飯粒くっつかないんだ?」
「は?」
全くもって不可解な発言だが、サスーン先生はしごく真面目な顔つきで食卓のしたを除き込んで、また首を傾げるばかりだった
その後も志門が食べる様子を見つめるばかりで、全く箸が進まなかった

そして、堀田少年が日課の今日のニュースダイジェストを観ていると、やっと食べ終えたサスーン先生がアイスの箱を抱えて隣りに座った
これからテレビを観つつ食後のデザートタイムだな…と志門は腰を上げた
「じゃあ先にお風呂入りますね」
と宣言すれば、いつもであれば「あぁ」とか「うん」なんて生返事が返ってくるのだが、やっぱり今日は違った
「え!風呂なら一緒に…」
「は?何言ってるんですか!?」
「あ、いや、だから…背中を流してやる!」
「え!?いや、大丈夫ですよ」
「だ、大丈夫とか関係ない!他人の好意ぐらい快く受取れ!」
キッパリと言い切られて断るのも如何なものか…と考えるに至ったので、志門君はその申し出を受ける事にした
「解りました。でも、食後すぐに湯船に浸かると気持ち悪くなるから、少し時間置いてくださいね。待ってますから」
と釘をさして、志門はリビングを後にした


堀田少年がいなくなった後、サスーンは大慌てでヒミツメモを開くと、達成したであろう項目にチェックを付けてため息を吐いた
次にやることが一番肝心なのだ…
だが、今までの戦果を見る限り効果的なのかはイマイチ不明な感じだ
だが!それもこれも“私”が実践して得た結果だ!間違いがある筈無いではないか
「ふ、ふふふふっ」
怪しく笑いながらノートを握り締めると、ノートがメリメリっと嫌な音を立てるが、トリップしてしまっている彼女の耳には届かなかった様だ

ガラピシャッと派手な音を立てて開け放たれた浴室に、冷たい外気が入り込み白い湯気で目の前が真っ白になる
「堀田!覚悟はできているだろうな!」
バーンと大胆にタオルも巻かずに現われたはずなのだが、肝心の志門は頭に折り畳んだ手拭いを乗せて湯船でマッタリムード
「あぁ先生遅かったですね」
なんてサラッと流してみせる始末だ
き、切り換えよう!これから行なう事が大事なのだ!初見の反応はあまり重要じゃない!
と半ば言い聞かせる様にして、蛇口を捻る
「っ!冷たっ!!」
直接シャワーヘッドから水が噴出した…
慌てて止めようとしたためか、石鹸ケースをたたき落とし、終いにはそれを踏んづけて浴槽にダイブした
「ゴバゴバ…っ!熱い!!」
ジタバタともがいて湯船から脱出したら、何かがプッツリ切れてしまって、涙が出てきた
「ぅ…ふぇええん!堀田のバカー!給湯温度いくつにしてるんだアホー!うわ~ん!」
その後も「あついー」とか「いたいー」なんて訳の解らない理由でわんわん泣いた
すると、濡れた髪を梳く様にして撫でられる感触に顔を上げる
「先生…何処が痛いんですか?」

いつの間にか風呂から上がった志門が優しく尋ねるので、ぐしぐし洟をすすって、膝頭を押さえた
「あーぁ…痣になってますね。上がったら湿布張りましょう」
などと慰めつつ「ハイハイ座って」と差し出されたお風呂場イスに腰を下ろした
「先生は頑張り過ぎです」
言われた言葉にキョトンとするが、相手はそれ以上続けずにサスーンの髪にシャンプーを延ばした
「堀田…おまえの目には私はそんな風に映っているのか?」
志門は答えないが、ワシャワシャと髪を洗う手付きが優しくなった様に感じる
「やっぱり私は空回っていたか…」
「先生」
再び目尻に涙が堪り始めた頃合に呼び掛けられ、上を向いて無理矢理視線をあわせると、堀田少年は苦笑していた
「俺勘違いだと思って無視してたんですけど、もしかして誘ってます?」
「……ち!違っ!!」
「違うんですか?」
「ち……違わない」
まさかバレているとは露ほども考えていなかった…何だか今思えばものすごく恥ずかしい
だが、堀田はすごく嬉しそうに顔を綻ばせて笑った
「じゃあ今しますか?」
「ふぇ?」


くちゅくちゅとわざと卑猥な音をたてると、柔らかい肉壁が指を逃すまいとキュウキュウ締め付けてくる
「先生、やらしい」
耳元でそう囁くと、喘ぎとも悲鳴ともつかない声をあげて必死に首を振って否定する
そんな姿も愛しいく、もっと見ていたい衝動に駆られて、ふくよかな胸に手を這わせて聞く
「次はどうしてほしい?」
我ながら意地の悪い質問だな…と感じつつも、焦らす様に緩やかに胸を撫で、下の口を犯していた指の動きも緩める
が、プライドの塊みたいなサスーンと言う人間は、自分が続きを求めている事を伝えたいが伝えたくないという矛盾と葛藤していた
まぁそんな葛藤も堀田志門にとってしてみれば丸バレなのだが…
彼もただ聞きたいと言う意味不明な欲求につき動かされ、敢えて譲歩はしなかった
「言ってよ先生…俺、先生の気持ちが知りたいんだよ」
そう促すと、イヤイヤをしていた頭が急に動きを止めて、金色の瞳が志門の瞳を除き込む
「し…も もっと…ぉく!」
切れ切れに言われた言葉に答える様に、指を深く埋めると頭がのけ反り白い首が荒い呼吸に合せて激しくうねる
「はぁあん…く、ふぅ」
《あぁ、ヤバいなぁ…自制心試されてる》

しかしこの作業を止める気は毛頭無かった
「先生…可愛い」
吐息をかけつつ囁くと、腰が焦れったそうに揺れる
「あ、ぃゃ…もっだ」
これが、好きかもしれないが好きになる瞬間か…とやけに冷静に自己分析しつつ、志門は真っ白な首筋に口付けなぞる様にそれを辿る「っは!そこは、だ…めっ!」
たどり着いたのは柔らかい耳たぶ…獣は迷わずそれに噛み付く
「ぃ、ゃあああああああっ!」
先生は僕の手の中で果てた


「先生…素朴な疑問なんですが」
二つ並べられた布団に寝転がりながら、拗ねて背中を向けている愛しい人に尋ねる
「何だ」
「どうして今日はシたい気分になっちゃったんですか?」
あからさまな質問に顔を真っ赤にして振り返るサスーン先生に、堀田君は頬を掻く
「だ!だって、おまえが何時まで経っても私に…め、メロメロになってくれないから…だから……その…」
途端に言葉に窮する同居人を見つめて、志門はやれやれと苦笑する
「誰の入れ知恵かは何となく分かりますが、それじゃ自爆しますよ。それに…」
と二の句のあまりの恥ずかしさに本人赤面しつつ、無理矢理吐き出した
「僕は、先生にちゃんと惚れてますよ。惚れてるから手が出せないんです!」
せっかく絞り出した答えだと言うのに、先生はポカンとするばかりで全く理解していないようだ
「えっとですね…僕はまだ中学生なんですよ。その上親無しなんです。そんな僕が先生に手を出しちゃって、もし万が一子供でもできちゃったら責任取れないんです!」
それは先生を傷つけることになりますよね!と最後に念を押すと、納得したのかコクンと軽くうなづかれた

「僕は先生のこと好きだから、そういうのは避けたいんです」
“好き”という単語に反応したのか、嬉しそうに破顔したサスーン先生が抱き付いて来た
「ぅわふ!先生話聞いてました!?」
「ああ!バッチリ聞いていた!要は中出ししなければ良いんだろ!」
「何するんですか!ちょ、先生!」
思いっきり俺の上に跨がった彼女は自信満々に
「フフッ!実は髪コキなるテクニックを教わってな!今から実践してやる!」
と宣言した
「もう!経験値少ないくせに気張らないでくださいっ!」
半ば虚勢で押し返すと、真っ青になって後ろに倒れ込まれて焦る
「何で知ってるんだ…」
あ、図星だったんだ…

今宵もそんなかんじで更けていった