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※諸注意 シモン先生変態化or別人化
何やらロシウが怖い
やっぱり可哀相になっちゃったギミー君
最後が投げやり
以上に地雷臭を感じられたら華麗にスルーしてくださいorz




すべらかな肌触りのサテンのドレス―
愛する人が私のためにと一針一針塗ったドレス―
『水色。似合うと思ったんだ』
その言葉通り、ただの白じゃなくて微妙な光彩で淡い水色に揺れる。
あの人に愛されている。あの人に包まれている。
そんな風に考えただけで―――
「はぁぁん!落ち着け!落ち着くのよ私っ!!」
自分自身を抱き留めて、その場にしゃがみ込む。
アパートを決めたり、カーテンを買いに一緒に出かけたり、色違いの歯ブラシ並べたり。
着実に実感を積み重ねてきたが、ここにきてようやく全部夢なんかじゃなかったんだと気付く。
今日からはもっとずっと側に居られるんだ。
「先生」
呟いた言葉は、ノックする音に紛れて散る。
「ヴィラル。準備はできとるか?」
ドア越しに聞こえる父の声に、慌てて戸を開けると何だか驚いた顔と鉢合わせ。
「何時でも大丈夫です」
「あ、あぁ。なら行くか」
「はい!」
元気いっぱい返事を返すと、大きな掌がひたりと頬に触れる。
「良かったな」
「はい」
暖かくて、大きな手――
そんな手に自分のそれを添えて、微笑む。
いってきますお父さん――――


檀前にポツンと突っ立って彼女を待つ間、嫌な予感がずーっと頭を占拠して離れやがらない。
「この期に及んで甘い夢だった。なんてオチは無いよな…」
「あるわけないでしょう」
思わず呟いた独り言に、祭壇に立つロシウの適格なツッコミが入る。
全く問題の無い生徒だったので、今の今まで彼の家が教会だったことをスッカリ失念していた。
そういや、家庭訪問した時に「あれ?牧師さんって結婚できないんじゃなかったっけ?」と親御さん目の前に大失言して、自己嫌悪に頭抱えたっけなぁ…
とまで思いを馳せた辺りで正面扉が開き、全感覚がそちらにもってかれる。
ヴァージンロードを歩く花嫁。
大柄な父に手を引かれているせいか、何時もに増して華奢で折れてしまいそうな繊細さを醸し出す。
あーぁもう、可愛いってんだか綺麗ってんだか、タイトに作った腰回りが何ともナイス!やっぱコーディネートはこーでねーとってか!
なんてオヤジ思考と、くだらないギャグが頭掠めつつ、新婦の手を取った。
「似合ってるよ」
囁くと頬を朱に染めて俯く。
そんな可愛仕草に、次の集会で自慢してやる!と密かに心に決めた。
「よろしいですか?」
お堅い口調で尋ねてくるロシウに息もぴったりにうなづくと、彼は何故かパタンと聖書を閉じてしまう。
「あれ?ロシウ、俺達準備万端なんだけど」
「僕は司祭代理ですので、今回は簡略でします」
「え?じゃあ何で聖書何か持ち込んだんだよ。紛らわしいな」
「緊張をほぐす為読んでいただけです」
「へぇ~。ロシウも緊張するんだ…」
と言い終わった辺りで、隣りのヴィラルを筆頭に会場中がクスクス忍び笑いに包まれる。
「先生。ロシウ君だって人間ですよ」
「ご尤もな意見有り難うございます」
相変わらず堅い口調なのに、何処となく照れくさそうなロシウに気付く。
もしかして俺誘導された?
「では、先生とヴィラルさんの肩から力が抜けたようなので始めます」
サラッと行った言葉の通り、彼は預けていた指輪を取り出した。
俺達もその意を汲み小箱を受け取って、粛々と定例行為に挑む。
「歳の差何て関係ない。何処のどんな嫁よりもお前を幸せにすると誓います」
一昨日辺りから練りに練った誓いを述べて、細い薬指に指輪を通した。
嫁は嫁で嬉しそうにそれを眺めて、もう一つ手にしていた指輪をそっと握り締める。
「子供が野球チームやサッカーチームが作れるぐらいできた時も、先生がイイ人過ぎて借金を億単位で拵えた時も、私は先生を支え続けると誓います!」
「ちょ!…おまっ!?」
慌ただしく捲し立てた後、勢いだけで俺に口付ける。
ガヤが妙に五月蠅い上、こりゃ立場逆転じゃないか?と思いもしたが、此所まで来れば最早関係ないだろう。それに、そんな悪い子にはお仕置が必要じゃないか―――
「ん……ふぅ、ん」
腰に回した腕を強めて引き寄せ、深く口付け直す。
何度も何度も深くふか
バン
大きな音に振り返ると、デコに青筋を立てたロシウと目が合う。
「こんな事滅多に言わないんですが……破廉恥です!下品だ!とどのつまり…先生、殴っていいですか!?」
「「ダメ」」


引出物代わりのクッキーを弄びながら、おろおろとその辺歩き回る双子にギミーは投げやりな視線を向ける。
「何やってんだよダリー。少し落ち着けよ」
ところがどっこい、地雷を踏んでしまったようだ。烈火のごとき視線に射られて、動けなくなる。
「ギミーは何も解って無い!ブーケトスは結婚式の花形イベントなんだよ!」
こっちとしてみれば、そんなこといわれたって…といった具合だが、言えば言う程ぬかるみにハマるのは明白だったので、この場は大人しく口を噤む事にした。
「あ、来たっ!」
そんな一言を残して相方は人込みに姿を眩ます。
そんな花束一つ取れたからって、次の幸せが約束されるなんて有り得ないだろ。何て考えつつも己の掌に収まっている手作りクッキーに、もう少し贅沢してもいいんじゃないかな?と思い至って重い腰を上げた。
「どーしたの、ギミー?」
「ブーケ取りに」
割り込んで隣りに立った双子にダリーがものすごく怪訝そうな顔をする。
「だって、ギミー男の子でしょ?お嫁に行くの?」
「俺にとって意味は無くても価値はあるの」
と言えばジト目で睨まれる。いーさ、僻み根性なのは解ってる。
だが…
「はっ!小娘何かにゃ負けないよ!」
「何言ってんのよオ・バ・サ・ン!あんたもう結婚してるじゃない!」
傍らで新婦母アディーネと女先輩最強格ヨーコが牽制をしあい、もう傍らでは
「オレが取れたとしても、ねーちゃん達にはやらないからな!」
「私だって、あんた達には負けるつもりは無いけど?」
「わ、私だってやるときはやるのよ!」
と黒の姉妹が小競り合い。どうやらかなりの猛者揃い。血がたぎるぜ!
「みんなー!いくよー!」
階段上から手を振る花嫁に、会場の空気が張り詰める。
「えいっ!」
愛らしい声音を伴って打ち上げられたブーケは、フワリと宙に舞う。
ぅおらっしやーっ!的な声があちこちから上り、延ばされた手がワサワサと空を掻く。
正に合戦場さながらな現場で、ふと誰しもが標的たるブーケを見失う。
「あれ?」
「え?ギミーじゃないの?」
「俺じゃないよ!」
「まさか落ちてる?」
「こっちには無いぜー」
あれあれ?と床を探し始めた一同に予期しない声が届く。
「おめでとう!シベラ!」
新婦ヴィラルの指示した先にぽつねんと立ってたシベラが、居心地悪そうに身を縮めながらそれを手にしていた。
欲張ってもイイ事ないなとつくづく感じた今日この頃である。



築うん十年の安アパートの玄関扉を、ガチャガチャ言わせてようやっと開ける。
「ただいまぁ」
「おかえりなさい」
隣りに立つ妻がほほ笑みながら返す言葉に、思わず顔が緩んだりなんだり。
迎えてくれる人が居るってこんなに感動的だったのか!と靴を脱いで台所兼玄関に上がる。
新しくも無いが、手触りのいい畳に腰を下ろしてしみじみ思う。古くたって狭くたっていいじゃないか。隣りに彼女が居てくれれば苦じゃないさ!新婚万歳!
とのハッピーな思考に霧吹きが…
「なにやってんだ?」
脱いだドレスをハンガーにかけ、ファ○リーズしてるヴィラルを不思議そうに眺めれば、困った様に眉がよる。
「クリーニングに出す前に汗染みになったらやだなって……」
へぇ~。と感心すれば頬に朱が射す。
そんな姿も愛しくて、後ろからそっと抱き締めた。
「先生?」
「腹減っちゃった」
じゃあ何か作りますと言った彼女を逃すまいと抱き締め直し、一段低いつむじに口付けた。柔らかい髪は夕方なのにまだシャンプーの香りがする。
「腹減ったけど、もう少しこうしていたい」
ずーっと我慢してたんだから、これぐらい許されるよな。何て子供じみた感情につき動かされて、回した腕を腰元まで下ろす。
「先生」
抗議の声かと思ったが、そうではなかったらしい。
そっと触れて来た唇。柔らかい舌がたどたどしい動きで差し出される。
それを絡めとり、吸い上げて、送り出す。
「ん…はぁ、んぅ」
少し苦しげに漏れる吐息に熱が上がる。
こんなに一遍に全てを手にしていいものか?と疑問が頭をもたげるが、今は無視する事にした。何せ据膳食わぬは男の恥と言うではないか。
「してもいいか?」
我ながら直球すぎる問いだとは思ったが、相手が満更でもなく小さくうなづくので、腹を決めて細い腰を抱えて座布団に下ろす。
「先生…ちょっと待って」
戸惑いを見せるヴィラルに動きを止めると、相手は姿勢を起こして座り直す。
よくよく見ればドレス脱ぎたてこんにちはなので、白いビスチェに揃えのショーツ…ガーターまで!あーもう、そんな可愛いカッコしちゃってまぁ…お前の先生はそんなに誘われても踏止どまれる程人間できちゃいないよ。
などと脳内批評が論じられる中、ひたりと太股に触れる手のひらに感覚が集中する。
「先生!今日は私がします!」
「ぇ?」
決心したように言い放ったヴィラルはえぃ!とか何とか可愛らしい掛け声とは裏腹に、俺の腰からベルトを抜き払いジッパー下ろして前をくつろげる。
途中でふぅ。なんて溜め息吐いて見せる余裕っぷり…何だなんだ!?何がどうなっ……ちょ!パンツまで!?む~か~れ~る~っ!ギャーーーーース!
「お、おっきい……」
散々剥き剥きしといて、今更のように慄く新妻に意地悪い笑みを浮かべた。
「そんなに大胆に迫られちゃ、起つしかないだろ」
悪人宜しく手を引いてソレを目の前にさせれば、小さく肩が震える。
「それに、今日はお前がしてくれるんだろ?」
やっぱりできないと言われれば、転じて優しく抱いてやろうとの腹積もりだったが、世の中そうそう上手くいかないらしい。
勢い良くぱっくり頬張られて唖然――――
ぇえええええっ!?
そんな俺の動揺を知ってか知らずか、たどたどしい舌使いに熱が入って来た。
何でそんなにヤル気満々なんだ!?
「んむぅ……っふ、」
髪がかからない様にと掻き揚げる仕草が何とも悩ましいじゃないか……キテるよー!キテますよー!先生、我慢の限界ですよーっ!
「っ!」
「ふっ、ぁあん!」
限界ギリギリかっ飛ばして、吐き出された白濁を飲み込もうと試みて失敗した残滓が、彼女の顔から腹の辺りまでを汚す。
「まったく、無茶して…」
指の腹で拭えば、申し訳なさそうにうなだれる。
「ドレスのお礼、したかったんです」
あーなるほど。合点いった。
だが、無茶にも程があるだろうと額にキスを落とす。
「俺はお前が側に居てくれれば、何ら文句は無いんだがな」
「せんせぇ…」
ふぇええん!と抱き付いて来る小さな肩を抱き締め思う。
何がなんでも俺はこの子を幸せにしたい――――



「って感じでその後お風呂場とか、ご飯食べながらも含めて計七回…って堀田、お腹痛いのか?」
「痛いですよ。と言うか、もし先生が回数の話知ったら何て言出すか…八回?いくらなんでも干涸びて死んじゃうよ……」
毎度の如く開催された集会で、得意気に新婚イチャイチャお惚気を披露したところ、堀田は胃の辺りを擦り、子猫と暮らしてる俺は泣き出す始末。いったい何だなんだ!?
「ニアーっ!えぐえぐ…」
「あーぁ泣くな泣くな…お前の気持ちは痛い程良く解るからな」
鼻水まで垂らして泣いてる俺の顔を、40代俺がマントの裾で拭く。微笑ましいんだが、何か罪悪感が…
「テメェ…」
横でカタカタ貧乏揺すりしていた20代半ば俺が、突如動きを止めたかと思えば胸倉掴まれて吊し上げられる。
「惚気は心の奥底にガッチリしまっとけってんだよぉおおおおおっ!」
「ぐげー」

その後先生は騒ぎを聞き付けて嫁が助けに来るまで、珍しく真っ当な意見を述べるアバン艦長に懇々と説教されました。
おしまい。