※前提条件
①堀田君の家にサスーン子がホームステイする日の話
②サスーン子の両親設定がマイ設定
③ピンク板なのに特にエロな様子がまるで無い
以上に地雷臭を感じましたら閲覧しない方が無難です。ごめんなさいorz
①堀田君の家にサスーン子がホームステイする日の話
②サスーン子の両親設定がマイ設定
③ピンク板なのに特にエロな様子がまるで無い
以上に地雷臭を感じましたら閲覧しない方が無難です。ごめんなさいorz
まさかそんなバレバレな作戦あるはず無い!
と我が目を疑う程彼女の変装(?)はお粗末で、行動だって密偵どころか一般生活すら危うい程で…
でも何だか側にいるうちに諸動作の一つ取ってしても堪らなく可愛いと思っている現状をみれば、やはり彼女の《勝ち》なのかも知れない―――
と我が目を疑う程彼女の変装(?)はお粗末で、行動だって密偵どころか一般生活すら危うい程で…
でも何だか側にいるうちに諸動作の一つ取ってしても堪らなく可愛いと思っている現状をみれば、やはり彼女の《勝ち》なのかも知れない―――
まず、いの一番に女の変装とも取りがたい、無造作にアップにしただけの金髪。
あからさまな伊達眼鏡に胸元がキツそうなワイシャツ、スリット深過ぎじゃないか?なタイトスカートの4HITコンボにスコーンと頭が真っ白になった。
「えーと、今日から産休を取る事になられた先生に代わって、このクラスと英語を担当して貰う事になった、ヴィラル・サスーン先生です」
どうぞよろしくお願いしますね。等といつもと変わらない何処かお花畑の彼方から語りかける理事長に、堀田少年は真っ白な世界から亜光速で帰って来た。
《り、理事長!その人敵ですよ!敵!》
内心大慌てでツッコミを入れるが、当の理事長様は何処吹く風でそよりと爆弾発言。
「それから、サスーン先生は日本にもっと詳しくなりたいとの要望でしたので、理事長判断で堀田君の家にホームステイして貰う事になりましたぁ」
「ぇ?……ぇええええええええええっ!?」
と目をむいて驚いたのは何も志門だけではなくて、クラスの男子が全員身を乗り出し《この野郎》《羨ましい奴め》と言った体で、こちらをジト目で睨んで来る。
《あーもう!そういう問題じゃないんだよっ!》なんて言えたら楽だろうなぁ…とやや遠い目をしつつ席に着き直す。
「と、言う訳だ。以後よろしく頼む」
なんて愁傷に笑顔を見せる女スパイに、堀田少年は緊張に身を竦める。
今のところ変装スキル以外はボロを出す様子の無い密偵と、これから毎日寝食を共にすると思えば、自然と力が入り眉間にシワが寄よるのも仕方の無い事だろう。
あからさまな伊達眼鏡に胸元がキツそうなワイシャツ、スリット深過ぎじゃないか?なタイトスカートの4HITコンボにスコーンと頭が真っ白になった。
「えーと、今日から産休を取る事になられた先生に代わって、このクラスと英語を担当して貰う事になった、ヴィラル・サスーン先生です」
どうぞよろしくお願いしますね。等といつもと変わらない何処かお花畑の彼方から語りかける理事長に、堀田少年は真っ白な世界から亜光速で帰って来た。
《り、理事長!その人敵ですよ!敵!》
内心大慌てでツッコミを入れるが、当の理事長様は何処吹く風でそよりと爆弾発言。
「それから、サスーン先生は日本にもっと詳しくなりたいとの要望でしたので、理事長判断で堀田君の家にホームステイして貰う事になりましたぁ」
「ぇ?……ぇええええええええええっ!?」
と目をむいて驚いたのは何も志門だけではなくて、クラスの男子が全員身を乗り出し《この野郎》《羨ましい奴め》と言った体で、こちらをジト目で睨んで来る。
《あーもう!そういう問題じゃないんだよっ!》なんて言えたら楽だろうなぁ…とやや遠い目をしつつ席に着き直す。
「と、言う訳だ。以後よろしく頼む」
なんて愁傷に笑顔を見せる女スパイに、堀田少年は緊張に身を竦める。
今のところ変装スキル以外はボロを出す様子の無い密偵と、これから毎日寝食を共にすると思えば、自然と力が入り眉間にシワが寄よるのも仕方の無い事だろう。
例に寄って今日も水漏れを起こした水道管営繕を終えて、学食に顔を出せば神名、庸子に混り理事長と理野先生が談笑しているのが目に入り、丁度良いと輪に割り込む。
「あら。志門君営繕ご苦労様でした!」
にこやかに労う理事長をやや邪険に「いつもの事ですから」と流して、庸子が差し出したカフェオレに口を付けた。
「あらぁ?今日は何時にも増してご機嫌ななめじゃない?」
解ってるくせにと睨めば、理野は困った様に肩を竦める。
「だって、神名や庸子には頼めないでしょう」
確かに…神名は正々堂々真っ向勝負なら得意だろうが、密偵の密偵何てとても向いてる気がしない。
それに庸子は女の子だ。危険に巻き込むリスクを考えれば確かに妥当な人選だろう。
しかしどうにも納得がいかないのだ。頭と言うより気持ちが。
「何々?何の話?」
学年が違う庸子が話の内容が掴めずに問い掛ければ、理野が答えてヒソヒソ話に発展。
「ほら例の」
「あー。でもだってアレ、アイツでしょ?」
「あ、やっぱり解った?」
「あったり前でしょ。あんなの解んない方がどうかしてるわよ」
ですよねー。と思って聞いていれば、横でしかめつらしい顔をした神名が怪訝そうに志門の学ランの袖を引く。
「なぁ、志門。アレとかアイツって何だ?」
「え?兄貴解らないの?」
「ヤッダー!神名遅れてる~!」
本気で驚く弟分と庸子に真っ赤になった神名が「アレはアレだろ!知ってるぜ!」と目を泳がせながら大見得切るが、全くもって説得力がない。
「まぁ世の中には知らぬが仏って言葉もあるぐらいだしね。無理して全部知ってる必要もないんじゃない?」
何て達観しきった理野の発言に、《まぁ確かに兄貴にバレたら密偵活動はできないよなぁ》と遠からぬ未来を思い描いてちょっぴりくたびれた。
「それより志門、お前金髪美人な先生ホームステイさせるらしいじゃないか!ひゅー。羨ましいぜ!」
今正にその話をしていたんだよ。と約三人の呆れきった視線にまるで気付いていない神野君。
しかしそんな神野君に真面目ににこやかにサラッと応対してみせるニア理事長。
「そうなんですよ~。堀田君ならきっと仲良くなれると思ったんです!」
仲良くねぇ…と顔をしかめれば、理野が「仲良くなってアレやコレや聞いちゃえば良いじゃない」と言うので、なるほどと納得した。
「それだけではありません。仲良くなれば、もっときっと良い事が有ります!」
やけにキッパリ言い切るニアに堀田少年は困惑する。
時々、本当に時々だが、このニア・テッペリンが言わんと為る事が全くサッパリ掴めない。
今日もそのいい例だろう。敵の密偵と仲良くなって良い事が情報の搾取以外に何があると言うのか――――その時の僕は本当に何も解っちゃいなかった。
にこやかに労う理事長をやや邪険に「いつもの事ですから」と流して、庸子が差し出したカフェオレに口を付けた。
「あらぁ?今日は何時にも増してご機嫌ななめじゃない?」
解ってるくせにと睨めば、理野は困った様に肩を竦める。
「だって、神名や庸子には頼めないでしょう」
確かに…神名は正々堂々真っ向勝負なら得意だろうが、密偵の密偵何てとても向いてる気がしない。
それに庸子は女の子だ。危険に巻き込むリスクを考えれば確かに妥当な人選だろう。
しかしどうにも納得がいかないのだ。頭と言うより気持ちが。
「何々?何の話?」
学年が違う庸子が話の内容が掴めずに問い掛ければ、理野が答えてヒソヒソ話に発展。
「ほら例の」
「あー。でもだってアレ、アイツでしょ?」
「あ、やっぱり解った?」
「あったり前でしょ。あんなの解んない方がどうかしてるわよ」
ですよねー。と思って聞いていれば、横でしかめつらしい顔をした神名が怪訝そうに志門の学ランの袖を引く。
「なぁ、志門。アレとかアイツって何だ?」
「え?兄貴解らないの?」
「ヤッダー!神名遅れてる~!」
本気で驚く弟分と庸子に真っ赤になった神名が「アレはアレだろ!知ってるぜ!」と目を泳がせながら大見得切るが、全くもって説得力がない。
「まぁ世の中には知らぬが仏って言葉もあるぐらいだしね。無理して全部知ってる必要もないんじゃない?」
何て達観しきった理野の発言に、《まぁ確かに兄貴にバレたら密偵活動はできないよなぁ》と遠からぬ未来を思い描いてちょっぴりくたびれた。
「それより志門、お前金髪美人な先生ホームステイさせるらしいじゃないか!ひゅー。羨ましいぜ!」
今正にその話をしていたんだよ。と約三人の呆れきった視線にまるで気付いていない神野君。
しかしそんな神野君に真面目ににこやかにサラッと応対してみせるニア理事長。
「そうなんですよ~。堀田君ならきっと仲良くなれると思ったんです!」
仲良くねぇ…と顔をしかめれば、理野が「仲良くなってアレやコレや聞いちゃえば良いじゃない」と言うので、なるほどと納得した。
「それだけではありません。仲良くなれば、もっときっと良い事が有ります!」
やけにキッパリ言い切るニアに堀田少年は困惑する。
時々、本当に時々だが、このニア・テッペリンが言わんと為る事が全くサッパリ掴めない。
今日もそのいい例だろう。敵の密偵と仲良くなって良い事が情報の搾取以外に何があると言うのか――――その時の僕は本当に何も解っちゃいなかった。
やっぱり再発した水漏れと格闘し、気付けば夜中。そんな中帰り着けば、誰もいないガランとした何時も通りの我が家が待っていて、何だ居ないじゃないか。
とホッとした様な、肩透かしを食らった様な、何だかちょっと寂しいやら複雑な心境で一人、ヤカンを火にかける。
食事を作るのも面倒で、鞄を適当にその辺にうっちゃって、カップ焼きそばの封を解き、かやくを麺の下に流し入れて、湯きり口の摘みを持ち上げた辺りでため息。
両親が死んでから幾度と無く繰り返した行為のはずなのに、何故か極端な虚しさを感じる。
この誰も待って居ない家だって長いこと住んでいる筈なのに、やけに空々しい。
ホームステイと聞いて誰かが待っていると、期待したとでも言うのだろうか。相手は敵のスパイなのに?
いけないいけない!と頭を振って雑念を振り払うが、雑念が音を立てて帰って来た。
ピーンポーン
玄関の呼び鈴が押されて幾分可愛らしい音が屋内に響く。
ピーンポーン
どうするか出方を決めあぐねて少年は固まる。
ピンポンピンポンピンポン
「!!!」
容赦無く連打される呼び鈴に超足ダッシュで玄関に飛び付いて、渾身の力を込めてソレを引っ張り込んだ。
「一体何時だと思ってるんですか!」
と小声で叱り飛ばすが、相手はニコニコしながら首筋に腕を回して抱き付いて来る。
「えへへ~堀田!ただいまぁ」
久し振りに聞くただいまなる言葉に一瞬ドキリとするが、酒気混りの吐息にすぐに気持ちが切り替わった。
「お酒入ってますね」
「うん!新人歓迎会とかで、3軒も付き合わされたー!」
ニコニコ。酒の魔力であっけらかんと答えたサスーンは、もう一度少年の首筋に顔を埋める。
「堀田のイイ匂いがする」
「はいはい。解りましたから靴脱いでください」
グダグダな酔っ払いに辟易しながらも無理クリ靴を脱がせて、外に放りっ放しになっていたスーツケースを引っ張り込む。
「ほら、ちゃんと立って」
「あーい」
案外ちゃっきり立って、ビシッと敬礼を返すサスーンに、堀田少年は思わず苦笑する。
「水用意するんで、リビングで寛いでてください」
「あーい」
幾分舌っ足らずな口調で返事をして、通したリビングのソファにどっかり横倒しになる。
そんなだらしない姿を横目に、ピーピーけたたましく沸騰しているヤカンの火を止め、グラスに水を注ぐ。
「なぁ堀田」
不意の呼び掛けに何ですか?と答えれば、何故か憶した様に相手が言葉を紡ぐ。
「駄屋だったか理野だったかに聞いたんだが、お前ここで一人で暮らしてるって本当か?」
「本当ですよ」
と肯定しつつグラスを差し出す。
「寂しくはないか?」
受け取ったグラスに口も付けずに、真直ぐ見つめ返して来る女の目に、少しだけ焦躁を感じて目を逸らす。
「寂しくなんてない。それ以前に毎日忙しくて、寂しい何て感じてられない」
女はそうか。と呟いて一口水を含んだ。
「私は寂しかった」
え?と目を向けると、サスーンが何処か儚げに微笑んでいた。
「両親が共働きでな。幼い頃から殆ど、と言うか今現在を数えても両手で数えきれる程度しかあったことがない。」
今にも泣き出してしまいそうな顔で、いきなり身の上話を聞かされたと言うのに、何故か頭は妙にクリアで話の内容に則した想像を膨らませる。
だだっ広い部屋に一人ポツンと膝を抱える少女。
「誕生日もイースターもハロウィンもクリスマスにさえ居ない両親が堪らなく憎かった。でも嫌いになれなかった。会いたかった。」
ポロポロと女の眦から涙が零れるのと同時に、頭の中の少女もワァと泣き出した。
しかし志門はその少女に違和感を覚える。
「そんな事ならいっそ記念日なんて無くなってしまえば良い!生きてるのに逢えないなら死んでるのと一緒だ!」
金糸を振り乱して叫ぶ女と少女がリンクする。
もしかして…
「…でも、私にそんな状況を打破する力なんてなくてずっと我慢してた。でもでも、我慢すればする程苦しくて忘れられなくて」
メソメソと子供の様に泣きじゃくるサスーンをそっと抱き締めた。
彼女は僕だ。独りぼっちになって、何とかしなきゃ、自立するんだ!と躍起になる度押さえ付けて抑圧してきた僕の真理だ。
「お前は凄いな。だって、私なんかよりずっとずーっと小さいのに頑張ってる」
「馬鹿にしてる?言っときますけど、僕14歳ですよ」
聞き捨てならない発言に、ジト目で見つめると「10歳も違えば充分小さい」と言われて気概が殺がれる。
「先生だってそれぐらいの時はあったでしょ」
「うん。でもその時はアイツがいてくれたから」
まぁ納得と言えば納得なのだが…
「先生、嘘とか吐かなくて良いの?」
「あ、今のナシ!全部ナシ!」
慌てて訂正した所で、脳みその中に刻まれた情報まで無かった事にはできないよなぁ……
「うー。デコイに怒られちゃうぅ。折角できる女サスーンを見せてやろうと思ったのにぃ」
涙目な寝ぼけ眼を擦り擦り、今のナシだからなと繰り返すサスーンに、テッペリン財団もこんなドジっ子をスパイで送り込まねばならない程人材に窮しているのか。
と思えば、そりゃあ日本を配下にして人材確保したくもなるな。とどこか違った意味でガッテンした。
とホッとした様な、肩透かしを食らった様な、何だかちょっと寂しいやら複雑な心境で一人、ヤカンを火にかける。
食事を作るのも面倒で、鞄を適当にその辺にうっちゃって、カップ焼きそばの封を解き、かやくを麺の下に流し入れて、湯きり口の摘みを持ち上げた辺りでため息。
両親が死んでから幾度と無く繰り返した行為のはずなのに、何故か極端な虚しさを感じる。
この誰も待って居ない家だって長いこと住んでいる筈なのに、やけに空々しい。
ホームステイと聞いて誰かが待っていると、期待したとでも言うのだろうか。相手は敵のスパイなのに?
いけないいけない!と頭を振って雑念を振り払うが、雑念が音を立てて帰って来た。
ピーンポーン
玄関の呼び鈴が押されて幾分可愛らしい音が屋内に響く。
ピーンポーン
どうするか出方を決めあぐねて少年は固まる。
ピンポンピンポンピンポン
「!!!」
容赦無く連打される呼び鈴に超足ダッシュで玄関に飛び付いて、渾身の力を込めてソレを引っ張り込んだ。
「一体何時だと思ってるんですか!」
と小声で叱り飛ばすが、相手はニコニコしながら首筋に腕を回して抱き付いて来る。
「えへへ~堀田!ただいまぁ」
久し振りに聞くただいまなる言葉に一瞬ドキリとするが、酒気混りの吐息にすぐに気持ちが切り替わった。
「お酒入ってますね」
「うん!新人歓迎会とかで、3軒も付き合わされたー!」
ニコニコ。酒の魔力であっけらかんと答えたサスーンは、もう一度少年の首筋に顔を埋める。
「堀田のイイ匂いがする」
「はいはい。解りましたから靴脱いでください」
グダグダな酔っ払いに辟易しながらも無理クリ靴を脱がせて、外に放りっ放しになっていたスーツケースを引っ張り込む。
「ほら、ちゃんと立って」
「あーい」
案外ちゃっきり立って、ビシッと敬礼を返すサスーンに、堀田少年は思わず苦笑する。
「水用意するんで、リビングで寛いでてください」
「あーい」
幾分舌っ足らずな口調で返事をして、通したリビングのソファにどっかり横倒しになる。
そんなだらしない姿を横目に、ピーピーけたたましく沸騰しているヤカンの火を止め、グラスに水を注ぐ。
「なぁ堀田」
不意の呼び掛けに何ですか?と答えれば、何故か憶した様に相手が言葉を紡ぐ。
「駄屋だったか理野だったかに聞いたんだが、お前ここで一人で暮らしてるって本当か?」
「本当ですよ」
と肯定しつつグラスを差し出す。
「寂しくはないか?」
受け取ったグラスに口も付けずに、真直ぐ見つめ返して来る女の目に、少しだけ焦躁を感じて目を逸らす。
「寂しくなんてない。それ以前に毎日忙しくて、寂しい何て感じてられない」
女はそうか。と呟いて一口水を含んだ。
「私は寂しかった」
え?と目を向けると、サスーンが何処か儚げに微笑んでいた。
「両親が共働きでな。幼い頃から殆ど、と言うか今現在を数えても両手で数えきれる程度しかあったことがない。」
今にも泣き出してしまいそうな顔で、いきなり身の上話を聞かされたと言うのに、何故か頭は妙にクリアで話の内容に則した想像を膨らませる。
だだっ広い部屋に一人ポツンと膝を抱える少女。
「誕生日もイースターもハロウィンもクリスマスにさえ居ない両親が堪らなく憎かった。でも嫌いになれなかった。会いたかった。」
ポロポロと女の眦から涙が零れるのと同時に、頭の中の少女もワァと泣き出した。
しかし志門はその少女に違和感を覚える。
「そんな事ならいっそ記念日なんて無くなってしまえば良い!生きてるのに逢えないなら死んでるのと一緒だ!」
金糸を振り乱して叫ぶ女と少女がリンクする。
もしかして…
「…でも、私にそんな状況を打破する力なんてなくてずっと我慢してた。でもでも、我慢すればする程苦しくて忘れられなくて」
メソメソと子供の様に泣きじゃくるサスーンをそっと抱き締めた。
彼女は僕だ。独りぼっちになって、何とかしなきゃ、自立するんだ!と躍起になる度押さえ付けて抑圧してきた僕の真理だ。
「お前は凄いな。だって、私なんかよりずっとずーっと小さいのに頑張ってる」
「馬鹿にしてる?言っときますけど、僕14歳ですよ」
聞き捨てならない発言に、ジト目で見つめると「10歳も違えば充分小さい」と言われて気概が殺がれる。
「先生だってそれぐらいの時はあったでしょ」
「うん。でもその時はアイツがいてくれたから」
まぁ納得と言えば納得なのだが…
「先生、嘘とか吐かなくて良いの?」
「あ、今のナシ!全部ナシ!」
慌てて訂正した所で、脳みその中に刻まれた情報まで無かった事にはできないよなぁ……
「うー。デコイに怒られちゃうぅ。折角できる女サスーンを見せてやろうと思ったのにぃ」
涙目な寝ぼけ眼を擦り擦り、今のナシだからなと繰り返すサスーンに、テッペリン財団もこんなドジっ子をスパイで送り込まねばならない程人材に窮しているのか。
と思えば、そりゃあ日本を配下にして人材確保したくもなるな。とどこか違った意味でガッテンした。
翌朝、目が覚めると見知らぬ家で布団とかいうのにくるまって寝てた。
はたと脇を顧みれば、スヤスヤと安らかな寝息をたてている。ラガンのパイロット……
昨日。昨日一体何があった?新人歓迎会とかで1軒目から2軒目に行くまでは記憶があるが、その後がかなりあやふやだ。
横でコイツが寝てるということは、つまりそういうことで良いんだな!?ィヤッター\(^o^)/
そうだそうだ!デコイに報告しなくちゃ!と携帯を開いてふと思った。
確か出勤って8時だったよな。今は……7時!?
「ほほほほほほ堀田!助けて!」
「ん?ふぇ!どうしたんですか!?」
まさかヤツが!?と訳の解らない事言ってる堀田をムチウチになるぐらいガックンガックン揺すって一言。
「遅刻しちゃう!助けて><」
「はぁ!?」
はたと脇を顧みれば、スヤスヤと安らかな寝息をたてている。ラガンのパイロット……
昨日。昨日一体何があった?新人歓迎会とかで1軒目から2軒目に行くまでは記憶があるが、その後がかなりあやふやだ。
横でコイツが寝てるということは、つまりそういうことで良いんだな!?ィヤッター\(^o^)/
そうだそうだ!デコイに報告しなくちゃ!と携帯を開いてふと思った。
確か出勤って8時だったよな。今は……7時!?
「ほほほほほほ堀田!助けて!」
「ん?ふぇ!どうしたんですか!?」
まさかヤツが!?と訳の解らない事言ってる堀田をムチウチになるぐらいガックンガックン揺すって一言。
「遅刻しちゃう!助けて><」
「はぁ!?」
正にドタバタ。嵐とでもいうべきに値する御仁が「いってきまーす!」と去って行くのを見送りながら、出かかった欠伸を噛み殺す。
「さぁて、僕も…って遅刻!」
追っとり刀、取るものも取りあえず家を飛び出した堀田少年だが、この先ちょっぴりすればこんなドタバタさえも大切な時間だと思える日が来る。
ただ、ちょっぴり先な話なだけだ。
「畜生!なんだってんだ!アメリカに帰れっ!」
「さぁて、僕も…って遅刻!」
追っとり刀、取るものも取りあえず家を飛び出した堀田少年だが、この先ちょっぴりすればこんなドタバタさえも大切な時間だと思える日が来る。
ただ、ちょっぴり先な話なだけだ。
「畜生!なんだってんだ!アメリカに帰れっ!」