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夕食後、茉麻は次女を部屋に戻してから、長女だけを呼び出した。
リビングテーブルに置かれてゐる煎餅と團子とお茶が、長丁場を臭はせてゐる。
呼ばれた理由を、當の梨沙子も薄々勘付いてゐるやうで、ソファに腰掛けたまゝ凋んでゐた。
「本當はパパが歸つてきてから話すつもりでいたんだけど、……」
茉麻は娘の傍へ腰を下ろしながら、答案用紙隱蔽の件は敢へて咎めず、
今後どのやうな方針で學業を修めてゆくのか、又將來についてどう考へてゐるのか、
といつた質問を、5つ6つと竝べつゝ問題を見つめ直していつた。
結果、梨沙子は纏まつた考へを有してはゐなかつたが、成績に關して懸念は抱いてゐた。
たゞ學習塾は希望してをらず、なるべく自分の時間を確保していたいらしく、
解決への道程を遲延させた。が、一先づ土日だけでも家庭教師をつける運びとなり、
矢張り詳しい話は、父親も交へた方が好からう、と結論付けたのだつた。