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よんた国 狂詩曲 第一番 第三楽章 グラジオラスが帰ったあとの謁見室より 「うーん、温泉ヨンタ饅にまけてOKしちゃったけど、二人にはどう説明しようかなぁ。困った・・・」 「よんた様、私に考えがございます。ここは私におまかせください。」かくたの目が光る! 「そう?助かるよ。 それにしてもあの温泉ヨンタ饅おいしかったな・・・」 「そうでございますね。明日の朝にでもメードたちに作らせましょう。」 「うん。よろしく。」 そして次の日・・・ 『よんた王からのお知らせ 掲示板』の前に両膝をついて涙を流す男がおり、その周囲に人垣ができていた。そして城のその掲示板へ向かう男が一人・・・竿崎 裕樹である。裕樹は今日とても上機嫌だった。なぜかというと、頼まれていた仕事が昨日の夜に終わったばかりであるためだ。 「仕事も終わったし、今日は久しぶりにクエルクスにでも行って、リンネちゃんのピアノでの聞こかな・・よっしゃそうしよか。 ついでに先生もさそて・・・」 今日の予定を決めつつ掲示板に到着する。なぜか周りの視線――特に男からの同情的な――を感じながら、掲示板の前で泣いている男に気付き声をかける。 「ん・・・?槙先生、どないしましたん?なんで泣いてますの?」 そう話しかけられた槙 昌福は裕樹を見ずに掲示板を指差す。 「え?なんか書いてるんでっか?おや、どれどれ・・・」 よんた王からの大事なお知らせ  竿崎 裕樹  槙  昌福 以上の両名は国民へのサービスをかねたメード研修のため、各家庭にメードとして派遣することを知らせる。 両名はこのお知らせを見次第かくたのところへ来るように なお、拒否した場合は一ヶ月食事抜きとする 「・・・・以上、 文責かくた・・・・・・・・・な、なななななななななな、なんやてぇぇぇぇぇ!!!」 その声は城内を揺るがした。 「あかん、このままやと、またメードにされてしまう。クリームに剃刀で処理・・・いやや、それだけはなんとしてもさけなあかん。先生!!」 裕樹は槙の両肩をつかみ、「先生、正気に戻ったってぇや!先生!」と叫びながら揺さぶった。 「はっ!裕樹くん、どうしましたかそんなにあわてて?」正気に戻る槙 「どうしたもこうしたもあらへん。はよ逃げな!」 「逃げる?なぜですか?・・・・・!!」言いながら槙の頭がまわりはじめる。「ッ!! そのとおりです。逃げましょう。脱兎のごとく逃げましょう。」 二人は掲示板前から逃げ出そうとする。とそこに、 「まちなさい!!」二人を呼び止める声が響き、何者かが前に立ちふさがる。 それは、城に勤めるメードさんたちとかくたであった。いや訂正しておこう、「かくた」ではなく「スーパーメードかくたV3(白いニーソックスがまぶしいぜ)」その人であった。 「どこに行こうというのです?さぁこれを着てお仕事の時間ですよ。」かくたの両手には特製メードスーツ(手づくり)が握られている。 「さぁ」にじり寄るスーパーメードかくたV3。 「ぐ・・・」後ずさる二人。そして裕樹から槙へとアイコンタクトが交わされる。 (逃げんで先生)(承知した)二人はうなずきあったのち、メードスーツを手ににじり寄るスーパーメードかくたV3へと吶喊した。 「俺は今日、リンネちゃんに会うんじゃーーーー!!!」 「僕も最後まで戦います!!」 「あくまで抵抗しますか・・・いいでしょう、どっからでも・・・へぶぅ!」 二人は同時にジャンプしスーパーメードかくたV3の顔を踏みつけ、そこからさらにジャンプし、メードさんたちを飛び越えてそのまま城外へと逃げ出した。それと同時に倒れるスーパーメードかくたV3・・・ 「お、追えーーー!!」とメードさんたちに叫んだ後、かくたは昏倒した。 それから四時間後、二人は鼻にティシューをつめたかくたにつかまり、「メードはいやじゃーーーー!いやなんじゃーーー!」と藩国内に響くほどの大声で叫ぶ裕樹と「うめてやる・・・絶対にうめてやる、雪の中にうめてやる・・・または川の底に・・・」などと怖いことをつぶやく槙の首根っこをつかみ、意気揚々と「かくたーかくたー最強のメード(ダッダッダッ!)ぶい・すりゃー!」と口ずさみながら城へと引きずって行くかくたの後姿が目撃されている。 ちなみに二人は最強メードかくたV3の24時間耐久メード講習を受けた後、各家庭に派遣されることになるのだが、それはまた別のお話・・・完 (文:言 成)

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