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歌劇『奇術師』より、雷羅 来の謝肉祭? その3」(2008/07/03 (木) 18:29:56) の最新版変更点

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それから10分後・・・ 来とペンフは現場に到着する。悪い予感と言うものはかなりに確率で的中する。今回の予感も例にもらさず、ピッタシバッチリ的中していた。 現場の惨状たるや修羅場と呼ぶのにふさわしい。壁は倒れ、柱は折れ、屋根は落ち、象はひたすら壁をけり倒している、キリンは首の長さを生かした頭突きで柱を吹き飛ばしている。まさにカオス・・・けが人がいないのが不思議なくらいだった。 「よっしゃ、来、この光景を忘れて遠くへ逃げるんや。今ならまだ間に合う。誰にも気づかれへんうちに・・・」 「グワッ!グワッ!」 どういうわけかペンフが激しく鳴いている。まるで主に危険を伝えるように・・ 「こらっ!ペンフ!そんな大きな声で鳴いたらばれるやないかい!静かにせい!」 しかしペンフの鳴き声はとまらない。 「グワッ!グ・・・・」 と不自然に鳴き声がやんだ。 「そうそう、静かにしてくれなあかんで、逃げられへ・・・」 来の行く先に影が落ちた。 「あわてず騒がず落ち着いて」 90度方向を変えてみる。 「よし、ゆっくりと・・・」 またもや来の行く先に影が落ちた。 「深呼吸、深呼吸、すー、はー・・・」 さらに90度方向を変えてみる。 「よし今度こ・・・・」 またまた来の行く先に影が落ちた。 「うーん、今日朝早かったから疲れてんのかな?」 90度方向(以下略) 「私ハ民間人デスヨ・・・」 来はわけの分からない主張をしながら歩き出そうとしたとき、 4つめの影が落ちた。 (あかん、囲まれてもうた・・・) 「来君・・・どこに行くのかな?お城はあっちですよ。」 「わかっとるって真砂姐え、ただちょっと回ってみたくなってん。そんな時あるやろ?(なんとかして逃げださな・・・)」 「おや、来君奇遇ですね。今日はお休みだったはずでは・・・?小学校に行くと言ってましたよね?」 「おお、そうや槙先生・・・さっきまで小学校で手品しててん。うけたで(こっちには退路がないな、そんならこっちは・・・)」 「あら、来さん。おかえりなさい。小学校の給食はいかがでしたか?」 「あぁ、とてもおいしかったで。フィサリスちゃん(おっ、もしかしてフィサリスちゃんはあんまり怒ってないんかこれはチャンスや、フィサリスちゃんを突破口にして・・・)煮物の味付けな・・・」 フィサリスから突破口を見出そうと、顔を上げてごまかそうとした瞬間、フィサリスと目が合い10秒ほど固まった後、視線をゆっくりおとした。 (すごい笑顔やったけど、目が笑ってへんかった・・・あれは殺し屋の目や・・・最後の一人にかけるしかないんか、頼む友好的な人であってくれ・・・) 「やぁ、来君。ひどい有様だろ?これでは地下の研究室にいけなくてね。困っているんだよ。仕事も終わったと言うのに・・・。ところで、あの動物たち、どこかで見たことがあるんだけど、どこだったかな?来君、知ってるかい?」 「さ、さぁ僕は見た覚えがないですわ・・・(終わった。よりにもよって最後の一人がDr.蒼麒やったなんて・・・やばい、下手したら殺される・・・考えろ、考えるんや来!この窮地を抜け出す策を・・・)」 「あら、蒼麒先生。私あの動物たちに見覚えがあるわ。たしかこの前、来君が餌をあげていたんじゃなったかしら?」 真砂が蒼麒に同調する。 「あっ、私も見たことがあります。来さんが芸を仕込んでいるところを」 「私もあるね。来君が動物たちをきれいに洗っているところだったかな?」 フィサリスと槙も同調する。 「さて、来君。事情を説明してくれるかな?」 (冷静に聞こえるけど、どう答えても命はないなぁ・・・どうするんや?) 『さぁ、説明を!』 4人が輪を縮める。 (どうすれば・・・!? 自分は何もんや、手品師やないかい!ここも手品で乗り切るんや!それしか生き残る道はない。そんでどっか遠いところで余生をすごすんや!)「(とても小さい声で)ペンフ、作戦Aや」 うなずくペンフ 「(よっしゃ、後は時間を稼ぐだけや)わかった、詳しい説明をするわ。多少長い話になんねんけど、聞いてくれるか?」 「(相談中)・・・・いいでしょう。遺言として聞いてあげるわ」 4人を代表して、真砂が告げる。 「おおきに、それじゃあ、聞いてくれ。あれはずっと昔、自分が子供やったときの話や・・・ほんまに小さかった・・・あるとき自分は父親に絵本を買うてもらったんや。魔法使いが出てくる話でな・・・(長いため中略いたします。申し訳ございません)そんで、自分は師匠と出会ったんや。その師匠がまた変わりもんでな・・・(ながいため中略いたします)ほんで師匠についてこの国に着いたわけやけど、そこで、とあるショー・・(お察しください)とまあ、そういうわけで、この国に居ついたわけやけど・・・」 4人はあまりに長い話を聞くうちに飽きてきてしまい、いかにして来を血祭りにあげるかの相談を始めている。 ペンフが来を軽くつついた。それが合図だった。 (よっしゃ、準備が出来たんやな。こいつらもスキだらけやしいけるでこれは・・・) 「おい、みんな!あれはなんや!?」 来は叫びながら明後日の方向を指差した。みんなの注意がそれる。 「(よっしゃ!いまや!)Lie,sイリュージョン!」 叫びながら来は懐に隠し持っていた閃光弾を地面にたたきつけ、破裂させた! 「く、来め!こしゃくな、みんな今の位置から動いちゃダメよ!囲んでいるんだから逃げられやしないわ!」 『はい!』 閃光が収まり、4人の目が慣れ始めた。そして、4人は愕然とする! 「な、来君がいませんよ!」 「さっきまでそこにいたはずなのに、来さんはどこに・・・?」 「くっ、実験材料が逃げてしまった!」 来は忽然と姿を消していた。3人は周囲を見渡して来の姿をさがしたが、どこにも見当たらなかった。 来の作戦大成功!・・・かと思われたそのとき! 「さすが奇術師!なかなかやるわね。3人の目はごまかせたみたいだけど、私の目はごまかせないわよ!」 真砂はどこからともなく木刀をとりだし、来が立っていた場所へと突き立てた! 木刀が中ほどまで地面にもぐりこんだとき、手ごたえがあった。 ゴスッ!鈍い音が周囲に響いた・・・ 真砂は何度が同じ動作を繰り替えした。 鈍い音が何度も響いた・・・・ガサッ!木刀を突き立てた場所の土が盛り上がり頭から赤いものを流した来があらわれた。 「さすが、真砂姐ぇ、良くぞ見破った。なんでわかったんじゃ!」 来のしゃべり方がおかしい・・・ 「あなたの連れているペンギン・・・たしかペンフとか言ったわね。そのペンギンが穴掘りペンギンと知っていたからよ!」 「さすがじゃ、真砂姐ぇ、見事じゃ!はっはっは!」 頭から赤いものを流したしゃべり方のおかしい来が大笑いをはじめた。 「そして、まだ終わってないわ。・・・・そこ!」 真砂の木刀が閃いた!5Mほどを3歩で駆け抜け、ジャンプした後、木刀を振り下ろした! そして、そこにはなぜか来が鍋蓋をかまえていた。鍋蓋に木刀が叩きつけられた。 「来君が二人?」 「実験材料が増えたか?」 「どういうことなんですか?」 「さすがや、真砂姐ぇ、小来を見破るとは・・・」 「ふふっ、あんたの考えなんてお見通しよ。」 『?』 来と真砂はしばし見つめあった後、互いの健闘を称え握手をかわした。 「いい勝負だったわ。」 「こっちもええ勝負やったで。ちゅうことで、今回の件は水に流すっちゅうことで・・・」 来が逃げようとするが真砂は握手をとかない。 「ダメよ。あなたにはこれからやってもらうことがいっぱいあるんだから♪」 「・・・たとえば?」 来がおそるおそる聞く。 「知りたい?まずはねぇ・・・・・イケニエ!」 「いや、それはあかんて、マジ勘弁してな。動物たちかたづけるし・・・」 来の顔色がだんだん悪くなっていく。 「そんなの当たり前でしょ?この動物たちを片付けた後、イケニエ!・・・皆の衆、今宵のイケニエが手に入ったぞー!」 『おぉー!』 「イケニエは嫌ぁー!」 来は、動物たちを片付けたあと、城の城門跡地に一日中磔にされたのち、小来をフル稼働して、壊れたものを5日間で直したというが、本当かどうか怪しいもんである・・・ 「ぜんぶ本当じゃーーー!!」 雷羅 来。人は彼のことをこう呼ぶ『歩く動物園』とそしてこうも呼ばれている『歩く災害』と・・・ Fin (文:言 成)

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