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つぅ、と男の額から汗が流れる。横から、そっと汗を拭く若い助手など意に介さない様子で、その男は作業に没頭していた。    周囲の緊迫した雰囲気とは裏腹に、男の手だけは機械のように正確。かつ、迷いの無い素早さで、腎臓、肝臓、腸と素早くメスを動かし、処置を終えてゆく。  その、よどみのない動きに、周囲からは、感嘆の声があがる。  メスの動きが止まり、男は目を閉じて、マスクを取ると言った。 「術式終了。…鯛の刺身、おまちどうさまです」 「OH!SASIMI!」 「その通りだ、異国の客人よ。今朝のセリでも1番の大物ぞ」 「OH!SASIMI!」 「はっはっは、余りの美味さに言語野が壊れたか。客人よ」 「OH!(略」  新設された海鮮市場の中の食事処『そーきらぼ』は今日も賑わっていた。 / * / 「ドクター。メスで魚をさばくのは、どーだろう。調理者として」珍しく真っ当な事を言う槙。ビキニ・オフの日は、普通のちゃーみんぐな真面目さんだったりする。(ホントだよ! 「何を言うか。この二酸化炭素排出源め。そういう事は、酸素出してから言うがいい。コンブでも、もう少し世の役に立ってるぞ」そう言いながら、ツマ用の大根をうぃんうぃんカツラ剥きにするドクター。こと蒼麒。  マッドな科学者の癖に、繊細な味付けの和食を出してくるから、小憎らしいったりゃありゃしない。  特にこの鯛の刺身なんて、薄く桜色した引き締まった身がその新鮮さをこれでもかと主張し、舌の上に乗せた瞬間、トロリとした甘さが口の中に広がり、咀嚼すれば、そのぷりぷりとした歯ごたえが、素材と調理者の腕をまざまざと見せつけ、粗塩で食せば、その甘さがより引き立ち、溜り醤油を垂らし、山葵を乗せて食せば、ぎゅっと、こめかみから脳髄へ突き抜けるような、美味しさのエレクトリカルパレードがファンファーレと共に駆け抜ける。  くそ、負けた(何に 「槙さーん。お待たせしました~」店の奥から、恒久的世界平和をもたらす笑顔(槙主観)を、ご尊顔に讃えた彩さん(14)が出てきた。  今日は久しぶりのお出かけなのである。でぇとである。ぱうひょ(←酷い笑い声 「槙くん?私の助手に、変な事したら…、わかってるよね?」笑顔の蒼麒。 「ヤダナー、ソンナコトシナイヨ?」(へっへっへ、馬鹿め。愛の(主観)前では約束なんて、舌の上の砂糖菓子より脆いのさ。 「だよね♪」心臓を指差す蒼麒。  赤いレーザーサイトが3個ほど。ゆらゆらと心臓の上に鎮座しておられましたよ? 「だよね?」 「ウィス!夕方5時には、届けさせて頂きます。ウィス!お疲れ様ッス!」  暴力って恐ろしい。 / * / 「海ですよー」 「海ですねー」(※1)  お手て繋いで、海辺の散策路を散歩。繋いだ手から体温が伝わる。というか、手ちっちゃ!なにこれ。壊れ物?製品規格が違うんじゃないのさ!(錯乱  他愛も無い話のとちゅうに挟まれる、ほにゃにゃな笑顔に、ぐぃんぐぃん癒される。  あぁ、良い。このまま説明文とかすっとばして、キャッキャウフフしたい。 そう。先ずは肩をそっと抱いて『ビシッ!』それから、ビシ?  後ろの木に弾痕。数秒遅れて、花火のような乾いた音。  そうですか。1000mオーヴァーのスナイピングですか。どこの13番ですか。  …すてっぷって、大事だよね!(命くらい / * /  帰り道途中。新国民雇用問題解決や、食料増産プロジェクトで新しく出来た新市場(※4)に立ち寄る。夕飯のお買い物だって。『何食べたいです?』だって!だって!(うひょ←気味の悪い笑顔 「おぅ、そこのアベック(死語)のお二人さん!ちょっと見て行ってくんな!」 ひげをたくわえた『The海のオッサン』に声を掛けられる。 「どうでい、今日水揚げされたばかりの、近海天然モノよ。イカ、蟹、ホタテにアワビ。鯛に海老なんかもあるぜ!」(※2) 「「おー」」海の幸に魅入る二人。こんなに魚採れたっけ? 「ちょっと、オッサン!そこ邪魔だってば!」威勢のいい娘さんが、銀光の魚を山盛り運んでくる。(※3)  あれ、オッサン?それって、もしかして、ミー?マイン?  軽い錯乱状態にある僕を他所に、娘さんは、ちゃきちゃき伝票を切る。 「あれ?彩じゃん。どしたの?こんなとこで」 「あ、環ちゃん。えへへー。デートちゅう」 「…コレと?」訝しげに。  コレって、あーた。 「ふぅん、ま。だて食う虫もなんとやら」 「この辺では、こんなに、取れるの?」魚の詰まったケースを見ながら尋ねる彩さん。コレ発言に動じないところが素敵すぎる。癒された。大いに癒された。HP大回復。 「あぁ、何でも潮の流れがイイ感じに変わった…というか戻ったらしくてさ、アタシには、来たばっかりで難しい事はわっかんないけど、ここいら一帯は河口だし、海流が交わってるらしくて、『豊饒の海』って、親父や漁師の爺っちゃん達は言ってるよ」(※5) 「要するに…いろんなお魚が取れるって事かな?」 「んま、そういうこと。じゃ、アタシは仕事に戻らないと、バカ親父に小遣い減らされちゃうからさ、今月ピンチなんだー。またガッコでね~」 「うん。またね~」 「お友達?」 「うん。最近越してきた子でね、環ちゃんっていうの。隣のクラスなんだけど、合同実習の班で一緒だったの。お家のお仕事が漁師さんって言ってたけど、この辺で働いてたんだねー」(※3) 「ふぅんー」背伸びをして、頭をかく。  あの子、ねこだったな。 / * /  その後、彩さんをドクターの元へ送り届けた。  5時13分だった。  その後、彩さんが台所へ消えた後の、2時間ほど記憶がありません。ドクターの目が光ってた事意外は。  これ以上思い出すとトラウマになりそうなので、でぇと楽しい夕飯を反芻して、寝ましたよ。(ぽじてぃぶ  電気を消して、目覚ましセットして  はい、お休み。  良い夢を。ぐー (文責:槙 昌福)
つぅ、と男の額から汗が流れる。横から、そっと汗を拭く若い助手など意に介さない様子で、その男は作業に没頭していた。    周囲の緊迫した雰囲気とは裏腹に、男の手だけは機械のように正確。かつ、迷いの無い素早さで、腎臓、肝臓、腸と素早くメスを動かし、処置を終えてゆく。  その、よどみのない動きに、周囲からは、感嘆の声があがる。  メスの動きが止まり、男は目を閉じて、マスクを取ると言った。 「術式終了。…鯛の刺身、おまちどうさまです」 「OH!SASIMI!」 「その通りだ、異国の客人よ。今朝のセリでも1番の大物ぞ」 「OH!SASIMI!」 「はっはっは、余りの美味さに言語野が壊れたか。客人よ」 「OH!(略」  新設された海鮮市場の中の食事処『そーきらぼ』は今日も賑わっていた。 / * / 「ドクター。メスで魚をさばくのは、どーだろう。調理者として」珍しく真っ当な事を言う槙。ビキニ・オフの日は、普通のちゃーみんぐな真面目さんだったりする。(ホントだよ! 「何を言うか。この二酸化炭素排出源め。そういう事は、酸素出してから言うがいい。コンブでも、もう少し世の役に立ってるぞ」そう言いながら、ツマ用の大根をうぃんうぃんカツラ剥きにするドクター。こと蒼麒。  マッドな科学者の癖に、繊細な味付けの和食を出してくるから、小憎らしいったりゃありゃしない。  特にこの鯛の刺身なんて、薄く桜色した引き締まった身がその新鮮さをこれでもかと主張し、舌の上に乗せた瞬間、トロリとした甘さが口の中に広がり、咀嚼すれば、そのぷりぷりとした歯ごたえが、素材と調理者の腕をまざまざと見せつけ、粗塩で食せば、その甘さがより引き立ち、溜り醤油を垂らし、山葵を乗せて食せば、ぎゅっと、こめかみから脳髄へ突き抜けるような、美味しさのエレクトリカルパレードがファンファーレと共に駆け抜ける。  くそ、負けた(何に 「槙さーん。お待たせしました~」店の奥から、恒久的世界平和をもたらす笑顔(槙主観)を、ご尊顔に讃えた彩さん(14)が出てきた。  今日は久しぶりのお出かけなのである。でぇとである。ぱうひょ(←酷い笑い声 「槙くん?私の助手に、変な事したら…、わかってるよね?」笑顔の蒼麒。 「ヤダナー、ソンナコトシナイヨ?」(へっへっへ、馬鹿め。愛の(主観)前では約束なんて、舌の上の砂糖菓子より脆いのさ。 「だよね♪」心臓を指差す蒼麒。  赤いレーザーサイトが3個ほど。ゆらゆらと心臓の上に鎮座しておられましたよ? 「だよね?」 「ウィス!夕方5時には、届けさせて頂きます。ウィス!お疲れ様ッス!」  暴力って恐ろしい。 / * / 「海ですよー」 「海ですねー」  お手て繋いで、海辺の散策路を散歩。繋いだ手から体温が伝わる。というか、手ちっちゃ!なにこれ。壊れ物?製品規格が違うんじゃないのさ!(錯乱  他愛も無い話のとちゅうに挟まれる、ほにゃにゃな笑顔に、ぐぃんぐぃん癒される。  あぁ、良い。このまま説明文とかすっとばして、キャッキャウフフしたい。 そう。先ずは肩をそっと抱いて『ビシッ!』それから、ビシ?  後ろの木に弾痕。数秒遅れて、花火のような乾いた音。  そうですか。1000mオーヴァーのスナイピングですか。どこの13番ですか。  …すてっぷって、大事だよね!(命くらい / * /  帰り道途中。新国民雇用問題解決や、食料増産プロジェクトで新しく出来た新市場に立ち寄る。夕飯のお買い物だって。『何食べたいです?』だって!だって!(うひょ←気味の悪い笑顔 「おぅ、そこのアベック(死語)のお二人さん!ちょっと見て行ってくんな!」 ひげをたくわえた『The海のオッサン』に声を掛けられる。 「どうでい、今日水揚げされたばかりの、近海天然モノよ。イカ、蟹、ホタテにアワビ。鯛に海老なんかもあるぜ!」 「「おー」」海の幸に魅入る二人。こんなに魚採れたっけ? 「ちょっと、オッサン!そこ邪魔だってば!」威勢のいい娘さんが、銀光の魚を山盛り運んでくる。  あれ、オッサン?それって、もしかして、ミー?マイン?  軽い錯乱状態にある僕を他所に、娘さんは、ちゃきちゃき伝票を切る。 「あれ?彩じゃん。どしたの?こんなとこで」 「あ、環ちゃん。えへへー。デートちゅう」 「…コレと?」訝しげに。  コレって、あーた。 「ふぅん、ま。だて食う虫もなんとやら」 「この辺では、こんなに、取れるの?」魚の詰まったケースを見ながら尋ねる彩さん。コレ発言に動じないところが素敵すぎる。癒された。大いに癒された。HP大回復。 「あぁ、何でも潮の流れがイイ感じに変わった…というか戻ったらしくてさ、アタシには、来たばっかりで難しい事はわっかんないけど、ここいら一帯は河口だし、海流が交わってるらしくて、『豊饒の海』って、親父や漁師の爺っちゃん達は言ってるよ」 「要するに…いろんなお魚が取れるって事かな?」 「んま、そういうこと。じゃ、アタシは仕事に戻らないと、バカ親父に小遣い減らされちゃうからさ、今月ピンチなんだー。またガッコでね~」 「うん。またね~」 「お友達?」 「うん。最近越してきた子でね、環ちゃんっていうの。隣のクラスなんだけど、合同実習の班で一緒だったの。お家のお仕事が漁師さんって言ってたけど、この辺で働いてたんだねー」 「ふぅんー」背伸びをして、頭をかく。  あの子、ねこだったな。 / * /  その後、彩さんをドクターの元へ送り届けた。  5時13分だった。  その後、彩さんが台所へ消えた後の、2時間ほど記憶がありません。ドクターの目が光ってた事意外は。  これ以上思い出すとトラウマになりそうなので、でぇと楽しい夕飯を反芻して、寝ましたよ。(ぽじてぃぶ  電気を消して、目覚ましセットして  はい、お休み。  良い夢を。ぐー (文責:槙 昌福)

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