よんた藩国4分クッキング 二品目 Part1

『さぁ、白熱した料理バトルもいよいよ終盤に差し掛かろうとしています。果たして【第1回よんた国一の料理上手】の栄光を勝ち取るのは誰なのか!?今まさに、各参加者は盛り付けに入ろうと・・・』
「ヴァイス、ちょっと待ったらんかい!」
「ん・・・?どうした裕樹?藪から棒に・・・・・今せっかく終盤の実況をしているというのに・・・」
「いやいや、まだ終・・・」
「なにか問題でもあったのか?もしかして腹が痛いのか?それとも腹が減りすぎて、おなかと背中がくっつくぞ!状態か?まったくせっかちだなぁ、あせるな裕樹、もう少しだけ待てば試食タイムにかこつけた食事にありつけるぞ。」
「いや、腹が減ってるわけやのうて・・・」
「では、風邪でもひいたか?気をつけろよ、今年の風邪はしぶといらしいぞ。救護班でも呼ぶか?だが、少しだけ待ってくれ、俺にはみんなの調理を実況すると言う使命があるんでな。」
「いや、風邪でもないし・・・というか、俺の話を・・・」
『さぁ、四人とも仕上げの工程に入っているようです。そしてついに料理が完・・・・』
「俺の話を聞けぇ~~~!」
裕樹は叫びながらちゃぶ台返しならぬ、解説席返しを繰り出した。解説席である机がマイクもろとも10メートルほど吹っ飛んだ。
「あぁ!マイクが!・・・・・仕方ない・・」
「マイクはまたあとで用意したるさかいに、さき俺の話を・・・」
ヴァイスは歌いながら懐に手を入れて細長いものを取り出した。
「こん~なこぉともあろぅかとぉ♪ピカピカピカーン!どこでもマイクゥ!(予備)  さてと・・・」
「だぁぁぁぁぁぁぁ!」
裕樹は頭をかきむしったあと、マイクを手荒く奪い取り、そのまま遠投よろしく彼方へと投げ捨てた。
「あぁ!またしてもマイクが!裕樹、なんてことをしてくれたんだ!料理が完成しようとしているときに!」
「ええ加減にせぇ!料理が完成どころか、調理開始の鈴すら鳴ってへんやないかい!」
「チッ・・・バレたか・・・」
「いやいや、バレへん方がおかしいやろ!」
「そんなに怒るなよ。ちょっと面倒な感じのしそうな調理シーンをカットしただけじゃないか。ちゃんとカルシウムとってるのか?」
「あのなぁ、メインのシーンを面倒やからって、カットすんな!ちなみに毎朝小魚食べとるわい。」
「ほんの軽いジョークじゃないかぁ裕樹。HAHAHAHAHAHA!」
このやり取りの間に大会運営スタッフが吹っ飛んだ机とマイクを回収して元の位置に戻していた。
「ええから、ちゃんと司会してくれへんか。」
「OK。仕方ない・・・では・」

よんた藩国四分クッキング 二品目

『みなさんご覧ください!予選を突破した三名+飛び入り一名、計四名の勇者がキッチンスタジアムへと集結しました。』
その声が合図となったのかスタジアムの中心にスポットライトがあたる。
『それでは調理開始!と行きたいところですが、その前に四人に意気込みを聞いてみたいと思います。インタビュアーのグラジオラスさん?』
『はい、こちらインタビュアーのグラジオラスです。それではまずやしほさんにお話をお聞きしましょう。』
言いながらやしほに近づく。やしほはなぜかきょとんとしている。
『こんにちは。』
『えっ、あ、はい、こんにちは』
『この大会に参加した経緯を教えていただきますか?』
『経緯ですか・・・実は勤め先のオーナーがいつの間にか応募していたんです・・・』
「がんばってぇ、やしほちゃん」
「目指すは優勝よ。優勝!」
観客席からやしほに声援が飛ぶ。その方向には千代子さんやタビサ婆さんの姿も見える。
『では、最後に意気込みをどうぞ』
『えーと、がんばります!』
パチパチパチパチ
『いやぁ~やしほちゃんはかわいいねぇ。お店の常連客としても、がんばってほしいと思います。』
「ん?ヴァイス、お前ハーブ店の常連なんか?」
「あぁ、あそこのハーブティーはなかなかおいしいぞ。あと、タビサ婆さんにはよく世話になっているよ。いろいろとな」
「へぇ、ハーブティーか、今度試してみるわ。っておい、タビサ婆さん?まさか!さっきの写真て・・・」
『それでは、次は支那実さんにお話を伺いたいと思います。』
グラジオラスは支那実の前に立つ。支那実もきょとんとしている。
『こんにちは』
『はい・・こんにちは』
『参加の経緯を伺いたいのですが』
『経緯ですか?エルザさん達が参加を勧めてくださいましたので、思い切って参加してみました。』
「支那実ちゃん、ファイト!」
「支那実ちゃんなら優勝間違いなしだよ。」
声援が飛ぶ。ん?声援に混じって何か聞こえる・・・
「なんで裕樹なんだぁ!おれじゃだめなのかぁ!」
「おい、裕樹!またヘッドロックを喰らいたいのか!?」
「裕樹だけはやめろ!あいつは人を不幸にする・・・」
その方向にはチキロさんを先頭に支守団の面々が横一列に並んでいた。
『ちょっと待てやコラァ!最後にいったやつ前に出ろや!』
裕樹がマイクを持って立ち上がり、観客席のほうへと歩いていく。
『おい、裕樹危ないぞ・・・』


Part2へ続く

(文:言 成)