豊饒の大地


要点・周辺環境


L:豊饒の大地 = {
 t:名称 = 豊饒の大地(施設)
 t:要点 = 豊穣(湿潤で沢山の実りがある)の大地
 t:周辺環境 = 大河
 t:評価 = なし
 t:特殊 = {
  *豊饒の大地の施設カテゴリ = ,,国家施設。
  *豊饒の大地の位置づけ = ,,生産施設。
  *豊饒の大地の面積 = ,,0m2。(食料生産地は実りのある土地となる。)。
  *豊饒の大地の食料増産効果 = ,,(生産フェイズごとに)この施設を所有する藩国の食料生産量+30%。
 }
 t:→次のアイドレス = *AD(アドバンスド)


イラスト


小麦がとれたり


麻がとれたりしますよー

イラスト:大村やしほ@よんた藩国

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「国営大麻農場やっと完成!」

「これ絶対に他国の誤解を招くな」

──よんた藩国実験農場内の麻畑の前での会話──

よんた藩国には国の真ん中を縦断する大きな 大河 (*1)があります。
この大河の周辺地域を調査したところとても農業に適した地質であることが判明しました。そこでお城で新たに開拓した土地で何を作るのか会議が開かれたのですが、そこでよんた藩王が言った発言にその場は騒然となりました。
最初は小麦でいいだろうと皆が言うので小麦で決定となりかけました。しかしある一人の参加者がこう言いました。

「でもさ、小麦ばっかりってのも面白くないなぁ」

この発言にそりゃそうだ、と賛同する声が多数上がりました。それじゃあ半分小麦作ってあと半分でなんか作ろうということになったところで、突然今までおとなしかった藩王が立ち上がりこう言ったのです。

「大麻を作ろう」

たちまち会議場は大混乱に陥りました。

「藩王様がご乱心なされた!」

「いつものよんた様じゃない」

「そうか、わかったぞ。貴様よんた征服を企む悪の秘密結社が送り込んだ偽者だな!ええい、本性を表せぃ」

当然です、常識的に1国の藩王が言う台詞ではありません。
しかし周りの反発に臆することなく、むしろ憮然とした表情で口を開きました。

「諸君!諸君らは大きな勘違いをしている。確かに大麻の薬効は危険なものだ、しかし麻は古代から人類の暮らしに密接してきた植物で、世界各地で繊維利用と食用の目的で栽培、採集されてきた。種子(果実)は食用として利用され、種子から採取される油は食用、燃料など様々な用途で利用されてきた。近年この植物の茎から取れる丈夫な植物繊維がエコロジーの観点から再認識されつつある。更にアサは生育が速い一年草であり、生育の際に多量の二酸化炭素を消費し、繊維質から様々な物が作れるため、科学技術に裏打ちされたエコロジカルな発展を目指すわが藩国が求める農作物と言えるだろう」

長い台詞を一気に言い終えた後、横に置いてあったお茶を飲み干しました。
皆はその台詞を聞いた後、一斉に騒ぎ始めました。

「すごい!よんた様が真面目に仕事なさっている」

「藩王様はやはりできる人だったんだ」

「バカな!これは国家を巻き込む陰謀の前触れか」

好き勝手言い放題です。その時、藩王席の資料が崩れて1冊の本が床に落ちました。

『意外に美味しい!珍しい食材・調理法シリーズ 麻編』

それは麻の実豆腐や麻の実おから春巻き等、様々な麻料理がそれはもう美味しそうな写真付で紹介されている本でした。
全員の視線が語ります。

(あんたひょっとして、それが食べたかっただけじゃないのか?)

藩王、ごく自然に全員から目を逸らしました。
その時、一人の国民が立ち上がりました。

「私はよんた藩王に賛成です」

その人物はベレー帽を被り眼鏡を掛けていました。彼を見てみんな赤ビキニを連想しましたが珍しくスーツでした。
この国で赤ビキニに連想が直結する人物なんて一人しかいません。一人いれば十分です。
よんた藩国の知恵袋、参謀の槙 昌福です。

「一口に大麻と言っても用途に合わせて品種が分かれます、主に繊維利用を目的とし品種改良した麻をヘンプ(hemp)と呼称し、規制薬物および薬事利用を指し使用される事の多い植物名、カナビス(cannabis)と区別しています。前者については、陶酔成分が生成されないよう改良された品種が用いられます。また、品種が同じでも用途に応じて栽培方式が違う。前者は縦に伸ばすために密集して露地に植えられる方式が主であるが、後者は枝を横に伸ばすために室内栽培が多い。そのため嗜好目的のためのアサを産業的栽培だと偽って栽培するのは困難です。問題なのは葉や花に含まれるテトラヒドロカンナビノール(THC)であり、人体に作用し摂取すると陶酔すします。それを解消するために生み出されたのが改良品種トチギシロです。この品種であれば栽培するのに問題は無いでしょう。それに麻には土壌を改善し土地を豊かにします、これは戦闘の際に自国だけでなく他国にも食料を供給するわが藩国にとっては重要です。作ってばかりでは土地が痩せて収穫量が落ちますからね」

彼は長い長い解説を一気に言うと少し疲れたのか、ため息をつきました。
しかしこのくらいは植物学者である槙さんにはお手の物です。

「すごい!槙さんが輝いて見えるわ」

「そういえばこの人、学者さんだったな。ただの赤ビキニじゃなかったんだ見直したぜ」

「そうか、わかったぞ。貴様よんた征服を企む悪の秘密結社が送り込んだ偽者だな!ええい、本性を表せぃ」

またもやみんな好き勝手言ってます。あと3番目の発言者、2度ネタです。3度目は無いので注意しましょう。

「それに美味しいですしね」

おや?なにやら余計なことまで言おうとしているようですよ、この学者先生は。

「麻、その実は昔から日本で親しまれてきたもので、現代人の不足した栄養を補ってくれるヘルシーな食材です。健康や美容に気遣う女性だけでなく、お子さまやお年寄り、その他諸々の方には必要な食材ではないでしょうか。麻の実は大豆や玄米と同じくらい多くのタンパク質が含まれています。しかも、アレルギー物質を含まない良質なタンパク質。また、体内で合成することのできない必須アミノ酸もすべて含んでいます。麻の実は現代人に不足しているミネラル、特に鉄(酸素の運搬に必要)、亜鉛(味覚や生殖機能を保つ)、銅(血液壁を強化)を玄米と比べても多く含んでいます。美容にかかせないビタミンEも含んでいて、麻の実油ティースプーン一杯で一日の摂取量を満たすことができます。しかも営養価が高いだけでなく非常に美味!麻の実の固い殻を取り除いた「麻の実ナッツ事に不足」はクルミのような上品な味であり。ミルクや豆腐、麻の実油のドレッシングなど、様々な使い方ができる食材なのです。麻の実ターメイヤ(エジプト風コロッケ)や麻の実ジャークチキン、さらには麻丼までその気になれば麻尽くしの食卓にすることも可能です。」

      • あら、皆さんどうやら槙さんの話に乗せられたようです。どこか蕩けた表情のままお腹がぐ~ぐ~なっている人までいる始末。

「おっと、私としたことがデザートを忘れていましたね。もちろんデザートには麻の実クッキー、麻ナッツアイスクリームなどが作れますし、麻の実や麻の実粉を使えばケーキだって焼けるんですよ。ああ!それに飲み物を作れるのも忘れてはいけない、麻のお茶もコーヒーもありますしなんと、お酒にもできてしまうんです」

時間もちょうどお昼時、狙ってこの話を始めたなら孔明の罠の如き緻密さと狡猾さです。

「ちなみに今言ったメニューは試食としてただいま厨房でメードさんたちが作ってくれています、会議が終わったらぜひともご賞味下さい」

駄目押しが入りました、もう会議場内は腹をすかした野獣の群れと化しました。

「ところで槙さん。品種改良によってテトラヒドロカンナビノール(THC)が含まれない品種を作り出すことは可能でしょうか?」

藩王が一応聞いておこうという風に質問しました。

「可能であると思われます」

「では、新たに実験農場で作る農作物は麻にしたいと思います。何か反対意見がある人はいますか?」

誰からも声が上がる様子はありません、というかこの状況で反対するものがいるはずありません。
そして藩王が麻の栽培を決定すると会議は終了、会議場から出てきた全員が食堂へダッシュするのでした。
こうしてよんた藩国の 豊穣の大地 (*2)の1箇所に新たな実りが加わることになりました。


文:フィサリス@よんた藩国

 *1周辺環境:・大河
 *2要点:・豊穣(湿潤で沢山の実りがある)の大地

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