「ご飯足りてますか~?」

 受け入れ手続きを待つ人々の間を進み、様子を見て回る。
 最初は、疲れや不安からか、受け取ったおにぎりのパックを手にしたまま食べようとしない人が多かったけれど、今はもうそんなこともなく、みんなが落ち着いてきているように見える。

 ふと見ると、小さい子が大きなおにぎりを目いっぱい大きな口を開いて食べようとしている姿が見えた。




 (…大きく開けるのは口だけなのに、目も大きく見開くのはなぜかしら…(笑)

 そんなことを考えて、ふと笑みがこぼれる。
 少し前までの張り詰めた空気からするとだいぶ和らいできたように感じられた。

 本当はみんな故郷で暮らしたいだろうに、故郷にいられなくなってこうして苦労して移動してきていることを考えると少し切なくなるけれど、戻りたい人はいつか戻れるようにしてあげたいと思う。
 そしてもし、このままよんた藩国に永住したいと希望する人がいるなら、隣人として迎え入れ、同じ国民として暮らしていければ、とも思う。

 今はまだ難しいけれど、みんなが幸せになれるようによりよくしたい。
 そのためにも、今はみんなに元気になってもらわなくてはね。

「さて、次のご飯作ってきますね~ よんた藩国にきたからには、栄養たっぷりとらせちゃいますよー」

 (で、みんなに少し太っててもらおう。うふふ)

 そんなみんなが聞いたらどうかと思おうようなことをひっそりと心に誓ってみる支那実であった。



文・絵 支那実@よんた藩国

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