新領民保護法




この法は、共和国の治安悪化に伴う入国希望者増加に対し、
積極的受け入れ政策を行うことを決定した対策委員会の指示の下、
よんた司法省の手で起草され、藩王の承認をもって施行が決定された。



なお、ここに掲載されているのは、
実際に各家庭や藩国各地で配布されたものと内容はほぼ同一であり、
法官である雷羅 来が「読む方々のために、出来るだけわかりやすく」
という目的で付帯した注釈文(#で記述)を併記したガイドブックである。



この新領民保護法と藩国内安全保障特別法のガイドブックは、
藩国入り口でも食糧等の生活・医療物資と同時に
(お腹が空いていては話を聞く気にはならないとの判断による)、
よんた藩国に入国を希望する全ての人々に対し配布された。
また、法律の解説員を派遣することにより、
未就学者等、字の読めない人々に対してもわかりやすい説明が行われた。



条文



第1章 法律の対象




【第1条】(法律の目的)

本法の目的は、よんた藩国への入国を希望する全ての新領民の
生命、身体的・精神的安全、自由、財産、
その他社会生活において欠くことのできない権利の保護をすることである。



#この法律の目的が、新領民の皆様の保護であることがここで述べられています。
藩国内安全保障特別法と文言はほとんど同じですが、
「国内の非常事態時において」という言葉がこの条文では書かれていません。
これはつまり、国内の非常事態時でなくとも、
よんた藩国は新領民の受け入れを行っている、ということの表明も同時にしているのです。
また、これは新領民を保護することを目的としておりますので、よんた藩国民の皆様の権利を守るものではございません。
ですが、よんた藩国民の皆様の権利は別の国内法にてすでに守られております。
いずれ、よんた国内法のガイドブックも作成を行う予定ですので、
今は「よんた国内では全ての人々の権利が保護されている」とだけ、お覚えください。




【第2条】(「新領民」の定義)

前条における「新領民」は、政情不安や内戦、食糧危機、災害等、
自国内で生活を継続することが困難になった、
よんた藩国以外からの全てのよんた藩国への移入者、移入希望者を指す。



#つまり、帝國共和国その他の国籍、身分、貧富の差に関わりなく、
「国内での生活が困難になったことで」よんた藩国に来ることを望んだ人々全てが
この法律での保護対象になります。
旅行者や、通商に訪れた方々等は、
「国内での生活が困難になったことで」という部分に当てはまらないので、
この法律で言う新領民には当たりません。




第2章 具体的手続




【第3条】(藩国内移入確認)

国は藩国入り口に難民申請所を設け、
国内移入を希望する新領民に対して入国時検査、戸籍登録を行う。



#この新領民申請所では、入国を希望する新領民の方々に簡単な申請をしていただきます。
内容は名前、元の国籍、健康状態等、藩国戸籍に個人情報を登録するための複数項目です。
藩国戸籍は国内の医療、福祉、教育、就労等、
数多くの場面で用いられ、厳重に管理をされますので、
どうかご協力をお願いいたします。



#また、この入国時検査では、
新領民の皆様がお持ちの非殺傷武器以外の武器は一時的に預からせていただき、
皆様が出国される際に皆様にお返しいたします。
これは全て、藩国民と、新たな藩国民である皆様の両者を護るためです。
新たな友人が武器を構えてやってくるよりも、握手を求めて手を差し出してきた方が、
仲良くしようとお思いになるはずです。
国内の治安については、国が全力を挙げて守ります。
ですから、皆様もこの新たな家、よんた藩国をどうか信じてください。
なお、よんた藩国内では殺傷武器の所持は認められておりません。



#現在、非常に多くの方々が入国を希望されています。
対策委員会はこれに対応するため、
新領民申請所を増設して皆様が速やかに入国手続きをとれる仕組みを整えております。
新領民の皆様も、焦らずにご自分の番をお待ちください。
並ばれている皆様の安全を守るために、警備部隊もパトロールを行っており、
健康状態が著しく悪い方のために、
食料配給所と仮設治療所を申請所付近に併設しますので、
早く入国しなければ生命が危なくなる、といったことは一切起こりません。
もしもどうしても体調がすぐれず、順番待ちが難しい場合はその旨を警備部隊にお申し出ください。
治療所にて治療と手続きを行います。
皆様にご協力いただければ、藩国も皆様を必ずお守りします。



#この法律が施行される前に、
よんた藩国へすでに(手続きを受けずに)入国された方へご連絡します。
新領民申請所は藩国内にも数か所設置されております。
順次速やかに入国検査を受け、戸籍登録をされるようお願いいたします。
それにより藩国民として登録されます。ご安心ください。



【第4条】(藩国民証明書の発行)

国は、戸籍登録の完了した新領民に対して、3日以内に藩国民証明書を発行し、これを配布する。
以降、藩国民証明書を所持する新領民は、全て藩国民とみなす。
ただし、新領民国民と藩国民、元新領民である藩国民の間における差別については、これを固く禁止する。



#戸籍登録が完了した後、
新領民の皆様には「新領民証明書」と呼ばれる身分証明書(カード)が配られます。
内容は、新領民証明項目の他は、よんた藩国民が持つ藩国民証明書と全く同じです。
このカードを受け取った時より、
新領民の皆様は「藩国民」(藩国内安全保障特別法2条の定義と同じです)となります。
よんた藩国で生活を行う上で、この証明書は非常に重要ですので、
常に携帯し、絶対に失くさないようにしてください。
もし紛失したり、盗難にあった場合は、
速やかにお近くの藩国戸籍管理事務局へとご連絡ください。
カードの書き換え、再発行手続きを行うことができます。
また、3日経っても藩国民証明書が発行されない場合、誠にお手数ではありますが、
同梱されております地図を参照の上、同様にお近くの事務局へとご連絡ください。



#この藩国民証明書は、
あくまでも難民の皆様や藩国民の皆様の身元を確認・保障するためのものであって、
それ以上のものでは決してありません。
そのため、カードの所持不所持やその内容に関して差別があった場合、
国によって厳しく罰せられます。
この「差別」とは、新しくやってきた新領民の皆様を、
元からよんた藩国に住んでいる藩国民の皆様より冷遇することはもちろん、
新しくやってきた新領民の皆様を、
元からよんた藩国に住んでいる藩国民の皆様より優遇する、
いわゆる「逆差別」も指します。
これは、よんた藩国内においては、
よんた藩国においては、全ての国民に平等な権利が与えられております。




【第5条】(生活保障)

継続した社会的生活を行う金銭的余裕がない新領民に対しては、
申請受理の後、国が援助を行う。



#藩国内安全保障特別法でも同内容の表記がありますが、
この条文では「藩国民」が「新領民」に変わっています。
これは、何らかの手違いにより藩国民証明書が発行されなかったり、
藩国民証明書が発行されるまでの発行期間が延びてしまった場合に、
その間の新領民の皆様の生活を保障するための条文です。
非常時と同じく護民省生活課で申請の受理を行っておりますので、お困りの際はお越しください。




【第6条】(食糧配給)

国は、藩国に食糧配給所を設置し、新領民に対して食糧配給を行う。



#これも前条文と同じく、藩国民証明書の発行がなされていない期間における、
新領民の皆様の食糧を保障するための法律です。
国内の食糧配給所は、新領民の皆様も当然ご利用になれますし、
新領民であることによる食糧配給の差別は、本法4条によって禁止されておりますので、
藩国民の皆様も、新領民の皆様も、落ち着いてお並びください。
藩国内安全保障特別法にも書かせていただきましたが、
食料備蓄はたくさんございますので落ち着いてお並び頂ければ、必ず全員に十分な量の食糧をお配りいたします。




【第7条】(仮設住宅の貸与)

国は、入国時検査を終えた新領民に対し、仮設住宅を貸与する。



#入国検査を終えた新領民の皆様には、(藩国民証明書がなくとも)仮設住宅が貸し出されます。
また、状況がある程度落ち着きましたら、新規住宅地の建設公共事業も始まります。
全ての藩国民の皆様を対象とする公共事業ですので、
転居を希望される方は続報をお待ちください。




【第8条】(就労支援)

国は、新規藩国民に対して就労支援を行う。



#元新領民の方々が最初の職を見つける際、国はこれを支援します。
具体的には、職業の斡旋や、新規公共事業の開拓による労働者需要増加政策の実施、などです。
職業をお探しの方は、藩国内に数か所設置されているハローワークまでぜひお越しください。
現在、食料増産や新規住宅の建設など新規公共事業が開始・検討されており、
皆様の人手をよんた藩国は必要としています。
なお、ハローワークにおける職業登録には、藩国民証明書が必要となりますので、
必ず藩国民証明書をお持ちの上お越しください。




【第9条】(医療支援)

健康状態の悪化した新領民に対して、国は医療支援を行う。



#新領民の皆様の多くは、元いた国での混乱によりよんた藩国へ移入してきています。
そのため、混乱によって怪我をしていたり、
ストレスによる病気にかかっていたりする場合が少なくありません。
今回は対策委員会が仮設治療所を、
藩国内に複数個所設置いたします(同梱地図をご参照ください)ので、
医薬品を必要とする方、家族や同行者が治療を必要とされている方は、
速やかにお近くの仮設治療所にお越しいただくか、
最寄りのよんた医療部隊にご連絡をください。
よんた医療部隊は、赤色の腕章を身に着けております。
また、新領民の方で医療関係に詳しく、医療部隊に参加していただける方がおられましたら、
よんた医療部隊員にお申し出ください。
専門分野などをお聞きしたのち、よんた医療部隊員として活動していただくことになります。
1人でも多くの命を守るために、ご協力をお願いいたします。




【第10条】(不法入国者の退去)

藩国民証明書を不所持であり、
かつ入国時検査を受けていない者は不法入国者とみなし、国外退去処分とする。
ただし、本法律が施行される以前に藩国内に移入した者については、1度目は警告とする。
しかし警告後1ターン以上経過し、
なおも検査を受けていないことが発覚した場合は同じく国外退去処分とする。



#藩国民証明書は、よんた藩国で生活していく上で非常に重要であり、
常に肌身離さず持って置くものであることは上で述べたとおりです。
しかし、それにもかかわらず証明書を持っておらず、
しかも単なるうっかりや紛失でもなく、
入国時に必ず受けなければならない検査を受けていないという方は、
何らかの(しかも表沙汰には出来ない)目的があって、
よんた藩国に入国検査を受けずに忍び込みたかった侵入者である可能性が非常に高いと思われます。
また、戸籍登録後の出国について禁止していないにもかかわらず、
戸籍登録をする気が全くない人々を放っておくのは、藩国の治安悪化につながります。
そのため、そうした人々は事情聴取の後、国外退去処分とし、
改めてきちんと入国手続きをしていただくことになります。
また、この法律が施行される前によんた藩国にいた方々については、
不所持が発覚した際に1度は警告のみで罰を受けずに解放されます。
この警告の際に、入国申請所の場所や方法については詳しく説明されます。
それでもまだ入国検査を受けていただけない場合は、
残念ながら同様に国外退去処分となります。




【第11条】(融和政策の実施)

国は、新領民・新規藩国民とそれ以外の藩国民との融和を目指し、
各種支援政策を実施する。



#新領民の皆様は、新しい状況の中で他の藩国民の方とうまく付き合えるかさぞ不安かと思います。
誰しも、初対面の人たちと初めて交流するときにはお互い不安があるものです。
よんた藩国は、藩国民の皆様の不安を和らげるため、親睦を深めるような政策を検討しております。
住民自治による自警団の設置や広場での野外映画鑑賞会など、
交流の機会となる場を作っていく予定です。
お互い手を差し伸べるところから、ゆっくりとはじめていきましょう。




#よんた藩国民の皆さんへ
新領民の皆様は新しい生活を始めるにあたり、さらなる苦労があると思います。
周りは知らない人ばかりですから、困惑も多く、不安も多いでしょう。
もし、困っている方を見たら声をかけてあげてください。
そして、おなかがすいている人を見たら、いつものようによんた饅を分けてあげてください。
もしも、「おねーさん」と呼ばれなかったとしても、優しく諭すくらいの気持ちでどうか接してあげてください。



#新たによんた藩国に暮らす藩国民の皆様へ
見知らぬ人に囲まれさぞや不安を感じているのでしょう。
ですが、元からよんた藩国に住んでいる皆様も、
貴方方と同じように見知らぬ方々を迎え入れるのに不安を感じています。
ですが、この国ではもとより食べ物を分かち合うような文化が育っております。
それにより、「知らない人だから」という理由で嫌ったりはしません。
友人を意味もなく嫌う人はいないように。
もしもおなかが空いたら、軒先によんた饅が置いてあるところで、
「おねーさん、固い方もらうよ」と声をかけてみてください。
きっと、快い返事がかえってきますので。



【第12条】(帰国・帰化申請)

藩国民になった元新領民は、本人が望む場合いつでも帰国・帰化申請を行うことができる。
帰国申請の際には、藩国民証明書は国へ返却される。



#故郷が落ち着いたら帰りたいと思う方もおられるでしょう。
そうした場合、まずはご本人が帰国申請所に届け出をし、藩国民証明書の返却を行います。
そして藩国出口において、入国時に預からせていただいた武器や、
その他持ち込み禁止品をお返ししますので、その後帰国をすることができます。



#帰国申請をせずに故国へ帰ることや、帰化申請をせずに他国へ渡ることもできます。
ですが、元新領民の皆様の藩国民証明書はよんた藩国内での身分を証明するものであり、
よんた藩国外へ出られた場合は、元いた国の国民として扱われます。
国外でよんた藩国民としての身分証明が必要な場合は、帰化申請手続きをお願いいたします。
帰化申請手続きが済みましたら、皆様の藩国民証明書はよんた藩国籍であることを証明できます。



#帰国申請所も政庁にございますので、
帰国手続きを希望される方はお手数ですが政庁で手続きをなさってください。
帰国をなさった後でも、よんた藩国は皆様を歓迎いたしますので、
また是非、今度は観光などでもお越しください。
温かいよんた饅を山ほど用意してお待ちしております。