地下鉄の開発



L:地下鉄の開発 = {
 t:名称 = 地下鉄の開発(イベント)
 t:要点 = ホーム、列車、駅員
 t:周辺環境=地下


参考:藩国地図


地下鉄「パグウェイ」


pugtoy_05.jpg
よんた藩国は雪国である。冬には家々は雪に閉ざされ、人々は家に閉じこもる。人々の移動がなくなれば、経済活動にも悪影響が出る。そんなことでは、発展は望めない。食糧需要の急増やレムーリアでの資源発掘によって藩国が潤っている今は、そんな状況を打開する好機だった。
連日連夜検討された結果、決定されたことがこの「地下鉄の開発」であった。
地下鉄の利点はなんといっても雪害を受けないことである。人々は雪に足を取られることなく移動でき、その思考は外へと向けられる。しかも、 地下 (1)に建設されるが故に空爆に強い、というその特性も二度にわたって長距離輸送システムを破壊されたよんた藩国にとっては魅力的なものであった。さらには、共和国からの難民受入により領民が増え、彼らに与える仕事も必要となっていた状況は、地下鉄そのものの職員や、列車の整備員といった地下鉄に直接関係する職だけでなく、売店や市場などにおける職を生み出す地下鉄によって解決することができる、という見込みがなされた。
――――突貫工事が始められたのは、T12の半ばのことであった。

地下鉄の建造に当たって、作業員の募集や、新たに作られる鉄道会社の 駅員 (2)や整備員など職員の募集がなされた。作業員達は建設が終わっても、そのノウハウをもって他国での地下鉄建設や、新規路線構築に従事する。以下がその募集ビラである。


                             急募!~あいをんちゅー~
                            
  いま、よんた藩国政府は地下鉄の建設を行っています。しかし、人手が足りません。建設自体にも人がいりますし、完成した後の運用にも勿論人手が必要になります。そこで、この事業に参加してくださる方々を募集しています。募集職種は、

1)建設作業員(建設終了後は保守点検や国内外の新路線の建設に従事します)
2)駅員
3)事務員
4)車両製造作業員
となります。未経験者大歓迎です!

                          よんた藩国建設省






よんた藩国はその国土を川によって分断されている。しかも、両岸に跨って市街地が存在している。そのため、地下鉄は両岸にそれぞれ一本ずつ、そして川底の下を通るものが一本の計三本が建造されることになった。駅は長距離輸送システムの駅、各地の市場、王城、市街地から軍事施設への道路の入り口、農業機械・農業倉庫群、豊饒の海へと開ける新たに出来た漁港などの国の要所を中心におかれた。この中でも特に重視されたのが市場で、商業地区には各売り場ごとに駅が設けられたほか、商業地区以外の場所にある小規模な市場にもできるだけ駅が設置された。これは人が多く集まる市場同士をつなげることで流通を活発化させようという試みである。また、市街地と王城が地下鉄により直結され、王城へ簡単に行くことが出来るようになった為に、人々が頻繁に王城を訪れるようになり、結果として民衆の声をより政治に取り入れることができるようになったという。他にも東岸にあるため、西岸の住人は行きにくかった桜のある公園へ川底地下鉄の開通により簡単にいけるようになったために、地下鉄開通後の花見は一層盛り上がったという。地下鉄の利用料自体は人の行き来の活発化のために低く抑えられているため、このような効果が強調されているといえる。尚、生活保護を受けている領民は生活保護手帳を見せればただで乗れる。

また、両岸の行き来の活発化は思いがけない効果を生んだ。東岸にある田畑や倉庫などの農業施設に西岸の市街地の住民が訪れるようにたったのだ。この結果、農作物の直売がより活発に行われるようになり、また農作物に対する消費者の興味が高まった。つまり、今にもまして味などの品質に消費者がこだわるようになったのだ。農家はよりニーズを拡大しようと品質改善に努め、結果としての全体の農業レベルの向上につながった。また、逆に農家の子供が市街地を見る機会がふえ、その見識を子供のうちから広めることができるようになった。学校自体は両岸にそれぞれ存在するが、より充実した教育や、そして対岸の学校への興味から対岸の学校に行く子供も増え、学校は対岸への良い意味での対立心から教育レベルを向上させることになり、国全体の教育レベルの向上が起こった。

しかし、地下鉄が建造され、人の移動が激しくなる、ということは治安悪化の原因にもなりうる。そのため、地下鉄の建造と合わせて治安強化策が実施された。交番の設置や警官の増員、といったものである。また、鉄道警察を新編することで地下鉄内での事件に迅速に対応できるようにしている。また、爆発物などの設置場所になりうるゴミ箱は監視が容易な駅員室前にのみ設置されているほか、格闘技の心得があるものを ホーム (3)の清掃員兼警備員として雇うなど、地下鉄運営側も治安対策をしている。

地下鉄にもとめた「空爆に強い輸送施設」をより強固な物にするため、「パグウェイ」は地下70mという極めて深いところに掘られている他、トンネルのコンクリートが通常より厚い。また、支柱が数多く設置されており、崩壊する時にはその速度を少しでも遅らせる工夫がなされている。また、職員は年に三回の避難訓練をおこなうことが義務付けられており、運用面でも安全性が追及されている。この避難訓練自体は火災や地震の時の対応訓練も兼ねており、日常的な事柄への対策も採られている。

metro_02_11.jpg
※クリックで大きいサイズ表示


列車 (4)はゆったりとしたスペースを作ることで乗客間の不和をなくし、乗客同士の間を空けることによりすりや痴漢といった込み合う電車ならではの問題を解消する、という目的のもと大型のものが用いられた。この列車はデザインは犬の国らしく長距離輸送システムと同じに犬をイメージしたものとなっており、モデルとなった犬の名前から「パっグす」と呼ばれている。尚、路線自体は「パグウェイ」と呼ばれている。動力機関を小型化できる鉄輪式リニアモーターの採用も検討されたが、車両自体は小型化する必要がなく、寧ろ大型化の利点を重視していたことや、エネルギー効率が著しく悪化するとして採用しておらず、通常の推進方式を採用している。また、動力集中方式のなかでも電気機関車を両端に置いたプッシュブル方式を用いていており、これは、ブレーキ性能が悪い、などの短所もあるが車両数の整備コストが安い、騒音、振動が小さい、メンテナンスが簡易である、といった利点も多数存在し、今回の地下鉄に向いていると判断された。また、この方式であれば正面衝突時の客車の被害を減らせる、という安全面の考慮もある。このほかにもブレーキを空気ブレーキを二系統、油圧ブレーキを一系統持っていたり、規定速度を超えるとAI制御に移行し、徐々に速度が低下する、といった安全対策がなされている。

前述したように地下深いところに建設された地下鉄である為、ホームにはエレベーターが複数機設置されており、利用しやすいようになっている。また、ホームには防火シャッターやスプリンクラーといった火災対応機能も備えられているほか、椅子や、自動販売機など、障害物になりうるものの設置数は少なくおさえられ、階段が幅広くとられているなど、パニック対策も行われている。改札自体も地下に設置されている。

また、有事の際の軍用利用では、この大型車両は大量の人員や物資を運ぶことが出来る。このような有事対応機能は暴動などの治安事案を考慮に入れて付加されており、各駅には水害対策も兼ねた強固なシャッターや同時に複数のけが人に対応できる規模の診療室が設置されているなど、駅に暴動からの避難所的な機能を持たせたり、警察と鉄道運営当局との間の協定が地下鉄建造時から結ばれている。
また、軍はレムーリア展開時には駐屯地から長距離輸送システムへ地下鉄で移動することができるようになっており、時間や燃料の節約が可能になっている。また、通常の訓練にも用いられる。(勿論ちゃんと切符は買っている)


文章:音在 誠自@よんた藩国
イラスト:坂下真砂@よんた藩国